私の愛1 彩愛視点
今回、えちちです。
顔真っ赤にしながら書いております。
─────────
「んぅ、んっ、んん!」
水を混ぜるような音。
ただ、それはこの光景を見たら聞いちゃいけない音だとわかる。
私はなぞり、触れる毎に体を電撃のように走り抜ける快感に身をよじりながら彼のことを思う。
「た、たくとぉ、んっ!」
拓人、私の想い人。
背はちょっとちっちゃいけど、私から見たら、すごい頼れるカッコいい男の子だった。
きっかけは、彼にとっては些細なことかもしれないけど、私にとってはすごく大きなこと。
「ねぇ、そこの姉ちゃん。」
「え?な、何ですか?」
「君かわいいね、ちょっと俺とどこか行かない?」
「えっ!?えと、あの、その」
いきなり声をかけられてビックリしちゃって、私は何も言えなかった。
本を買おうと思ったのに、ほしかったものがなくって、何処に行こうかと悩んでいるときだったのに。
い、言わなきゃ
「その様子だと、予定無さそうだしさ、ね?」
「あの、私は」
私がしゃべろうとしたとき、手を握られた。
「さ、行「あの、ちょっとまってもらって良いですか?」え?何?」
男の人が私をどこかに連れていこうとしたとき、男の子が声をかけた。
男の人は不機嫌そうに言う。
「俺この子と遊びにいこうと思ってたんだけど?」
「僕の連れなんです。ちょっとトイレに行っていて、待っててもらってたんです。」
「そんなはったりが通じるとでも?」
「知らない人が女性を連れて遊びにいこうとする方がおかしいと思いますけど?」
「っ、分かった、俺の敗けだ、イチャイチャしてな。」
分が悪いと思ったのか、男の人は私の手を放してどこかへ行ってしまった。
「あの、ありがとうございます。」
私はちゃんとお礼を言った。
この男の子には感謝しかない。
「いや、同じ学校の人が困ってたので。」
「え?」
お、おんなじ学校?
私が信じていないのを悟ったのか、男の子は懐からある手帳を私に見せてきた。
「それ、
「信じて貰えて嬉しいです。よく年下って間違えられるので。」
しかも見れば学年も、クラスも同じだった。
運命、なのかもしれない。
この時、私は彼のことが気になり始めた。
でも、好きまではいってなかった。
「あの、さっき連れだって言いましたよね。」
「え?うん、君が言ってたけど」
「それのお詫びとして、これ貰ってくれないですか?」
「い、いやいや、君が私を助けるためにしたんだから、私が許すも何も.........って、これって!?」
「明日の夜空の最新巻です。」
「何で私がこれを欲しいって分かったの?」
「これ、さっきギリギリで僕が買ったやつなんですけど、貴女がこれがおいてあった場所で右往左往してたからさ。」
「っ!?」
顔が真っ赤になる。
は、恥ずかしいぃ!
「あ、あぁごめん。恥ずかしかったかな。」
その言葉がとどめ指しちゃってる!
でも、これは素直に嬉しい。
「あ、ありがとう。もらうわ。」
この子は親切だなぁと思った。
あ、そういえば
「君、名前は?」
「あ、言っていませんでしたね。僕は拓人です。」
「え?名字は?」
「あんまり言いたくないので。」
ちょっとミステリアス。
これが、私と拓人の出会いだった。
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