第三章【叫べ、お前の名前を】
Prologue-3 学院魔術対抗戦後~
#月#日
今日からリッシュバーグ魔法学院がしばらく休校となった。
【雷撃】のフローネについてなにか手がかりが残っていないか大規模な調査が行われるためだ。
生徒たちにとっては少し早めの長期休暇になる。
そして、俺のパラダイスも始まる……!
マシロ、カレン、レイナが我が家に泊まることになったからだ。
夏は人を大胆にさせると言う。つまり、そういうことが起きてもおかしくない……!
ここ最近はいろいろと壮絶だったからな……。
そろそろゆっくりと好き放題過ごしても許されるだろう。
というわけで、みんなで所有するビーチで遊んだ。
揺れるおっぱい。弾むお尻。輝くうなじ。
あぁ……最高……。これだよ、これ! 俺が求めていた異世界生活っていうのは!
これからみんなと過ごせるのは確定だし、しばらくは楽しみが続くな~!
#月?日
やはり良いことをしたからなのか、最近は俺にとって嬉しい報告が続く。
国王様との謁見をせずに済んだのだ。
理由としては俺が頑張ったのは国のためじゃなくて、あくまで自分自身のため。そんな自己中心的な自分が受けることはできないとか、上手くごまかすことに成功。
これにより称号も辞退することが出来た。
冗談じゃない。そんなものを得てしまっては好き放題出来ないじゃないか。
ただ、それでは王家の面子が潰れるということで褒美だけいただけることに。
そこで俺が求めたのは――国が補完する地下魔導禁書庫の閲覧権限だ。
#月♡日
レイナとの話ででてきた聞き覚えのない魔法属性――闇属性。
それはあまりに危険すぎる効果を持つせいで世界から封印された魔法。
対象の精神に影響を及ぼす、その禁忌の魔法をフローネも使用するらしい。
だが、俺の目的はフローネに対抗するためじゃない!
レイナが教えてくれた……闇属性魔法には『催眠』があるということ……!
催眠。男なら一度は夢見たことある、あの催眠だ。
もちろん理想は愛のあるハーレムがいい。だけど、せっかくの異世界。ここで一つ違う趣向を加えてみたい気持ちがあるのも本当だ。
というわけで、さっそく調べるぞ~! 催眠、催眠!
#月@日
この長期休暇中の俺のスケジュールのほとんどはみんなとの遊び。自主学習。そして、アリスとの鍛錬だ。
というか、アリスが強すぎる。未だに彼女に勝てる気がしない。
しかし、そのままではいけないのだ。世の中にはフローネのようなアリスと同等、それ以上の強者がいることがわかった。
マシロ、カレン、レイナ、アリス……。今の俺には守るべき存在がたくさんいる。
そして俺が強くなければ、彼女らを守ることが出来ない。
俺が最も忌避するのが寝取られ。
それを防ぐためにも厳しい自己鍛錬に励むのは道理だろう。
面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだが、大切な身内を守れるぐらいには強くなっておきたい。
そんなある日、とある貴族が接触してきた。とはいっても、父上のついでにといった感じだったが。
フローネの件があってから裏社会の動きが活発になっているらしく、こうして父上のもとに訪れる貴族も少なくない。
裏を返せば、それだけ父上が悪徳領主として中に入り込めている証明になるのだが。
しかし、俺が気になったのはアリスの態度だ。
あの貴族を目にしたときだけ、ほんの一瞬とんでもない殺気が膨らんだ。
とっさに反応しなかった自分を褒めたいくらいの圧。
なにか因縁でもあったのだろうか。そういえば彼女の口から彼女自身の話を聞いた記憶が無い。
少し機会をうかがってから、アリスとお話ししよう。そうしよう。
#月¥日
アリスが『謝罪の手紙』を残して、屋敷から姿を消した。
さらば、俺の平和な日々。
◇というわけで、第三章はアリスがメインの回です!!
よろしくお願いします!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます