第32話ディストピアまたたび

 大体、1984みたいな管理社会や、THX1138みたいに結婚したりセックスをすると「倒錯行為」として処罰される世界か、ガタカみたいに視力が悪いだけで弾かれるので車いすに乗ってる元スポーツ選手の遺伝子に背乗りして入れ替わったり、ブラジルみたいに犯人の名前タイプミスしただけでスワットに突入されて誤認逮捕されて、以後名誉回復されないディストピアが完成した。


 父親が鉄道自殺したはずなのに、息子の民主党幹部がシュポシュポしていたり、オモニオモニ(お母さん)と呼んでいる外国人女性で本当のお母さんがずっと違法献金して支えてくれていたり、北朝鮮本国に帰ると現地妻で本当の奥さんがいたり、北の訛りで演説できるぐらいハングルに精通していても、日本国籍を持っている民主党議員なんだと、あからさま過ぎる嘘で背乗りしていても通用するぐらいデタラメな世界でスパイ天国。



 フレンドリーでレズの令嬢が草稿を作った、脳みそお花畑みたいな条例により、戦争禁止され軍隊は強制解散。


「想像してご覧、戦争の無い世界を」みたいな、たった四人だけのグループ内で骨肉の争いをして、ジョンの暗殺者は多分ポール達が金出して送り込んだんだと言われ、その団体がヒッピー文化とか世界平和やエコを唱えてるような馬鹿丸出しの案件。


 いつもの「戦争になったら酒でも酌み交わして話し合えば分かり合える」的な、クソみたいなお公家集団の思考がまかり通ってしまった。


 今回は黒の騎士団みたいな世界的な軍隊も創設されず、自衛隊も無い世界。


 核禁止条例とか戦列艦何隻までとか巨大ストーンドーレム保有制限とかじゃなくて「解散」「解体」。


 でも宗教団体とか邪神信仰の奴らが武装蜂起したりすると、天空の城が急行して上から爆撃、インドラの矢が落ちて都市ごと消滅。


 ガリアン的に無気力な銀河中央で、マーダルみたいなのがカクメイ起こしちゃって、銀河中央の人類に怒りとか恐怖を植え付けると、巨大な艦隊がやって来て大戦争になるんだと言っても、イレーザーがすっ飛んできて惑星ごと消滅させられる方向に。



 戦争が無いからと言って、メルケル政権みたいに整備費用すら出さないので、ご自慢のレオパルド戦車まで剥ぎ取り整備で共食い整備になり、稼働戦車が全国で十台程度になりウクライナに提供できる戦車もほぼ残骸。


 作戦行動可能なタイフーン戦闘機は二機だけで、その片方が整備不良共食い整備で墜落、稼働戦闘機が一機だけというお笑い軍隊にまで転落。


 空軍の将軍が出て来て「十四機あるんだ(訓練機)」とか、泣いてインタビュー受ける羽目に。


 そいつらも責任取らされて、経費削減の為に首が飛んだとか何とか?


 金がないので完成したフリゲート艦も受け取り拒否、受け取ると士官の給料も将軍の給料も払えなくなる。


 まるでアメリカ様に逆らってしまい、ヒナトゥポ山噴火してスービック基地が廃棄されたフィリピン並みに、戦闘機航空機ゼロを目指す最貧国と互角の装備。



 王の屋敷


「旦那様、治安が悪化していると苦情が来ております、もう少し警察組織に権力を持たせますか?」


「いいね、悪い奴は全員逮捕するか、最前線送りにしちゃえ(冒険者的地獄巡り)」


 軍隊が権力無くしたら、当然のように警察国家になって膨大な権力は警察が握って、FBIみたいな独立組織が創設されて、フーバー長官が三方向からケネディ大統領射殺処刑できて、犯人は適当に共産主義者でっち上げて、当たらないイタリア製の銃が凶器なんだという笑い話、そいつも末期がんの奴に射殺させるぐらい絶大な権力を振るう結果に。


 拷問が推奨されて国民の権利ゼロ以下、各所で検挙率が高い拷問王が出世して、適当な犯人が誤認逮捕されて、戦後の日本ぐらい検挙率84パーセントとか、別に捜査が優秀なんじゃなくて、拷問が効率的で全員「自白?」させられて自滅して、真犯人は逮捕されない犯罪者天国に。


 アメリカみたいに麻薬漬けの奴らが路上にゴロンゴロン転がっていたり、刑務所が一杯なので千ドル以下の万引きは刑にならないで逮捕もされないとなって、スーパーマーケットでも万引きし放題、毎日列車強盗が起こっていて、アマゾンの配達の車が狙われて持ち逃げ自由で運転手で配達員射殺。黒人が暴動起こして大規模スーパーでも略奪し放題で、例えウォルマートでも閉店になるようなディストピア。



 カスとかゴミとかクズが大量だったので、両陣営で話し合い全員魔の森送りへ。


 クリミア半島みたいな場所や朝鮮半島みたいな場所に、食っていけない泥棒や恐喝しないと生きていけない阿片中毒の棄民が集められて、19時や21時のニュースでは競技会みたいな討伐者の戦場が中継されて、限定された戦場では毎日新鮮な死体が並んでいて、初期型M-16みたいによく壊れる動かないトイガンやら、先っぽが抜けて役に立たない槍を持たされて、コンビニ従業員にすら採用されない、発達やアスペヒキコモリニートが戦場で死ぬように仕向けられてる、バカがとにかく死にまくるセカイ。


 犯罪傾向が強すぎる中卒高卒高校ドロップアウト組は、戦場で血の花を咲かせて散華させられる。刑務所の住人も犯罪奴隷も等しく死を与えられる聖地。


 魔の森の奥地に入る場所で、巨大すぎる魔獣に襲われ食われまくって、手も足も出ない絶望的な戦場に槍一本で突入させられて、後ろに下がると督戦軍に殺される。


 若者の失業率が高いんじゃなくて、無能すぎて採用が不可能な奴は戦場で処分。


 統合失調症で幻覚や幻聴が聞こえてて、有りもしない物が見え続けて、自分への悪口が永遠に聞こえ続けてるのは現地で処分。


 ごく一部だけの成功者が、S級冒険者だとか英雄視される壊れた世界。



「犯罪者が街から消えて、大変好評でございます。以後も続けさせますか?」


「うん、犯罪者は全員魔の森送りで、森の仲間達もお腹すかせてるだろうし」


 犯罪者、ルールを守れない、理解できない者は全員魔の森の中で食料に。サイコパス過ぎて人間を人間だと思っていない、森の仲間達がお腹を空かせるほうが問題。


 夜の街でもカツアゲされないし、冒険者崩れに取り囲まれて女だけ連れ去られて、真面目な市民の男の方はボッコボコで、残りの人生は病院のベッドの上で泣くだけの人生とか送らせない。


 辻々に警官がいて全員即逮捕されて、問答無用で魔の森の奥地の最前線送り。


 銃後の世界では新車?が飛ぶように売れて、最新の魔道具なんかも売れまくり。


 戦後のアメリカみたいに景気が良すぎて、馬車に鍵なんか掛けて離れると「何してるんだい? 誰も盗んだりしないよ、HAHAHA」と笑われる天国が現出。


 最新型のアイフォン?の発売日には行列ができて、解禁日の24時にはウインドウズ95並みに店頭で爆発的な売れ行き。


 でも最前線では地獄の華が開いていて、モンハンみたいな大迫力画像が各御家庭に送られる。クズやゴミの死体の山が埋葬すらされずに土嚢のように積み上げられて、天国への階段が上へ上へと積み上がる。


 リスやウサギ程度のザコでも、人間の指持ってコリコリ食べられるぐらい食糧豊富。


 本物の神様が見たら大爆笑で、ゲエッラゲエッラ笑っていて、何時までも楽しむことができる馬鹿踊りが展開されて、知能が低すぎる犯罪者のクソバカマヌケが右往左往して、魔獣に放り投げられて虫の息、脳みそ吹っ飛ばされるか踏み潰されてまた大爆笑。



「警察組織を強化致しました。軍人崩れなども全員採用。逮捕率が100パーセントで(拷問)、一般市民は誰も笑顔で過ごせています」


「そうか、新体制も悪くないな」


 民間刑務所がある都市ぐらい、犯罪者は罰金払わなかっただけで即刑務所送り。


 半グレであろうが本グレであろうが、街中でもめ事を起こそうもんなら、情け容赦なく職質だけで逮捕されまくって、「フリイイイイズッ!」と言われても反抗したら即射殺。


 9ミリパラベラムとか10ミリ40S&Wの弾丸が、アホほど撃ち込まれて死体に加工される。


 黒人とかパレスチナ人なら、拳銃のオモチャ持っていただけで、パトカー装甲車到着次第射殺。


 やくざ者なんか戦場に送り込んでもクソの役に立たないので、後方で震えているか掛け声だけデカい奴だらけで一切仕事しない。運送費が掛かるので出来るだけ現地で射殺する方向へ。



「都市内の悪所を除去したり、サッキュバスに侵入されないよう対策をしました、事後承諾で申し訳ありません」


「いいっていいって、人狼とかヴァンパイア対策もしてやって」


 体売って行く以外に生きていく手段を持っていない馬鹿女も、バカ男とセットで戦場に送られ、後方の激安ピー屋で股開いて、やっぱり水木しげる戦場漫画みたいに「一人30秒だぞ~~」の掛け声が聞けて、朝鮮ピー屋から幽鬼みたいな女が飛び出して来たと思ったら、大きい方と小さい方と一緒に精子もビチビチビチ~と発射して、客が絶えないのですぐに部屋に戻るような地獄絵図。


 頭悪すぎて計算も不可能なので、どう見ても60歳ぐらいの元気過ぎるババアが車いすから立ち上がって「私は1932年からインドで売春させられたっ、この私が証拠だ~~っ!」と叫んでしまい、日本に賠償を求める席で言ってしまったもんだから失笑が起きて「それなら当時の宗主国イギリスに請求してください」となって、年齢詐称すらできない足し算引き算も不可能な軽度知的障害にやらせるもんじゃないとオチが付いた。


 最初の本が発行された時は「父親に売られて5年の年季が終わるまで働いて、家に帰るともう一回売られたので以後家に帰らなかった」と書かれていて、二回目の発行では「地域で慰安婦を出すことになったが、私は商家の娘の身代わりに出されて行った」三回目四回目も内容が違い、五回目の発行では「ヘリコプター部隊に連れて行かれ、クリスマス休暇も貰えずに働かされ、自動小銃を持ったMPに見張られて、ペニシリンで治療を受けながら働かされた」と書いて、「それ朝鮮戦争の米軍側南朝鮮の傀儡政権やんけ」と笑い者になっても、日本に賠償金を求め続けたお笑い案件。


 半地下の家族みたいに何もかも経歴すら全部嘘、親友に託された彼女なんかも「寂しかったの」だけで簡単にNTRして取り上げるぐらい信頼関係一切存在しない。



 そんなお笑い集団に裁判権が転がり込んで来た。


 地方の揉め事なんかは領主家に持ち込まれて、地元の有力者が絶対勝利だったのだが?


「う~ん、この馬鹿、全財産没収して追放で良いんじゃないかな?」


 地元のヤクザか実力者の地主が、漁業権やら利水権を全部持っていて、農民漁民程度のゴミクズがいくら泣き叫ぼうとも大勝利。


 もし逆らって権利主張などしたら、やくざ者が多数押し寄せてボッコボッコにされて、手足の骨全部折られて、親父か夫の目の前で嫁でも娘でも泣き叫んでいる所を輪姦されて、見せしめに地域住民に一部始終を見せられ、恥を知っている娘なら世を儚んで自殺するのが普通。


 家には火が放たれて、手足圧し折られた奴が呪いの言葉を叫びながら焼け死ぬ所までが既定路線。


 裁判に持ち込もうとすると女房でも娘でも連れ去られて、結婚式でも初夜権など行使されて、新嫁が連れ去られてズタボロになるまで犯されて、家に返されたものの服は引き裂かれたまま、血と精子垂れ流してフラフラで歩いてる所を見られて、村でゲラゲラ笑われて指差され、今まで美人で気取っていたのが首吊って死ぬ所までがデフォルト。


 それも権利が反転してしまい、好き放題していた奴らが悪即斬。


 屋敷も使用人も全て失い、追放されて都落ちして最前線に送られる所に、今まで好き放題されていた被害者側が立ち上がり武装蜂起して、加害者の息子や孫曾孫まで泣き叫んで叩き殺される所をたっぷり鑑賞させ、ドタマカチ割られて広場で吊るされて、産まれて来たことを後悔するまで徹底的に潰された。



「え? 好き放題してた連中、孫曾孫まで住民に殺されちゃった? まあ仕方ないよね」


 絵物語通り自業自得と処理されてしまい、領主とか親分やチンピラ殺しても罪に問われないと知った住民が蜂起。悪人は全員殺されて行ったが、王も天使騎士も邪神騎士も関与しなかった。


 いつもなら国家騎士団がやって来るか、荒くれ者の冒険者が雇われて地域住民虐殺パーティーの開始だったのが、何故か来ない。


 これからは悪人チンピラ大処刑パーティーが開催されて、西部の掟で悪徳領主は広場に連れて行かれて高い所に吊るされるか、馬で引き摺られても紅葉卸になるまで加工、槍の先に先日までの実力者と取り巻きの家族が刺されて、ワッショイワッショイウッホウッホ大騒ぎして祭りに。


 このままでは市民がカクメイ起こしてしまって、バスチーユ監獄でアンドレもオスカル様も戦死してしまう。



 そこにやって来た元受付嬢、嫁気取りで王の「勇者パーティー」に参加したがり、レベル上げにも参加。


「ヘッヘッヘ、旦那。ウチと一緒で貴族制度廃止しましょうや。「世襲の公務員」なんかモメる元ですから、役人として採用して出世出来たらやっとこさ上級国民って事で、それ以外はボンクラの貴族の跡取りなんか一切使えない奴なんで、平民から一世代だけ優秀なの採用しましょう」


「へえ、貴族制廃止するだけで、国が豊かになるんだ」


 もう一人の邪神騎士候補が、レズの令嬢みたいに夢だけをホザき続けるだけじゃなくて、現実に公共機関を作って出世競争もさせて、公共工事なんかで世界を豊かに?した経験もあるので、王に御注進して更なるディストピアへ。


「今度、貴族制を廃止しようと思うんだ、公共の機関を作って、平民から優秀な人物を雇って出世競争もさせて、公共工事も増やして労働者には給料が入るように」


 その場に居合わせた魔国人間国の大臣は、いつも通り「いえああああああ~~~」みたいな低い声で悲鳴を上げて泣いた。


 どうせ科挙の試験みたいな腐った制度が採用され、プリンタで打ち出したような綺麗な字を書けるだけの奴が出世したり、愚にもつかない記憶力競争で「六韜五経に通じ諳んじぜざるは無し」とかホザく、インコみたいに文言覚えてさえいればヨシッ、という出来るだけ馬鹿でマヌケで記憶力だけが良い奴が出世する駄目制度が展開。


 出来るだけ知識層で結婚して、アホは結婚させないで座敷牢。知恵の身が濃縮されたような身分社会が形成されていたのが破綻。


 三時間睡眠できる奴らだけで形成される新しい身分制度、健康問題起こした瞬間に失脚する新制度が開始された。



 まあ、このまま戦争続けてもテロ起こしまくっても、まかり間違って少数民族絶滅させてしまうと、そんな不寛容(イントレランス)な人類は必要ないので、平面世界がひっくり返って恒星に落とされるか、サカサマのパテマ的に重力が反転して全員星外投棄の刑に処される。


 コイツラ全員ジロンアモス君かナウシカちゃん程度の、人類の遺伝情報を伝達させて星を維持させる労力で、箱庭内で生かしておくための作業用人類。


 本当の人類とは遺伝子情報が5パーセントぐらい違う、異人種か頑丈な改造人間。


 どこかのカズマきゅんぐらい異世界転生させられて強制連行。駄女神と手と手を取り合って「貴方のような美しい人がいれば他に何もいらない、チートもチートアイテムもいらない」?と言って下生したのが、相互確証破壊を起こさない「本当の人類」で、遺伝子修正されていないのでロボット三原則で下級天使には殺せない。


 ついでにその子供と、母親になった人類も遺伝子修正されて「本当の人類」になっているので、上級天使でも殺せない。



 エルフの里


「我らが女神、野に咲く花が天使貴族へと戴冠したことを発表するっ!」


 演壇の上で長老とか古老ガチ泣き、もう実質世界の支配者で、テコンダー朴的に言うと池袋で暴走しても犯罪として捕らわれない、不逮捕特権を持っている上級国民で勲章持ちで、日本国の文系の支配者。


 一市民など何人轢き殺そうが一切罪に問われない、駐車場で人を轢いても逮捕されることもないアナウンサーの女並みの、犬でも轢いた程度の扱いがされる上級国民が爆誕した。


 王の卵を産んだ娘達の所に訪れた時も、示威行動なのか天空の城に乗って訪れたように、自分が世界の支配者であるとの喧伝も行って、黒い顔して訪れたエルフょぅじょ。


 もう一人、ルリナと言うブッサイクな邪魔者がいるが、そいつも天空の城持ちなので敵。



『長老様、これで我らエルフが実質世界の支配者、もうどこからも侮られることなど有りません』


『うん、うん……』


 実質世界の支配者のょぅじょが、自分を様付で呼んでくれているので、特に否定もせずょぅじょに膝を屈してへりくだることもせず、下の者からの尊敬を一身に集め、支配者の上司として君臨した。


『まず北にある人間国、乗っ取ってしまって獣人国のように我らで支配してしまいましょう』


『おお、それは』


 黒い表情で囁く野に咲く花。ソッチの国は王が出掛けて行って「キャイン」と言わせてあるので、命じればその通りにする。王様でも三回回って「ワン」と鳴けと言えばそうする。


 今まで五月蠅く言っていた若い者も(300歳)、王にケモミミ王国の宰相として連れ去られ、忙しくしているのでもう帰って来ない。


『天空の城、まず両親や祖母親戚で占拠してあります、世界へと覇を唱えるには必要な場所。あれがあれば未知の世界へと進出して、そこも占拠することも可能です』


『なんと……』


 平面世界の逆方向、巨人がいる場所や黒エルフとかも住んでいる場所へも進出、世界樹がある場所への帰還も可能。


 中央世界の軌道エレベータの麓にある「エルフの聖地」まで支配できる。


 現地では世界樹の毒に耐性があるエルフしか住めないが、その毒で世界樹の葉っぱ吸ってガンギマリになってるのしかいないので、もし移住すると全員ヒッピー文化に転向して「愛」とかホザきだす。


 ナディアに出てくるレッドノア並みで、画像や音声を世界に放送できる設備があれば、本当に世界を支配できる。



 我が世の春を謳歌していた長老や古老一同だったが、王以外の訪問も受けた。


『あ~、何時もウチの息子がお世話になってます~~』


 全長40メートルを超える、王の母竜が来てしまった。


 姉竜と同じく、話一切通じないバケモノで、人の話聞かないし言葉は通じても話は通じない相手。気に食わない者がいれば腹パン入れられて星にされるかブレスで全部蒸発。


 元は女神だったのが、父竜にNTRされて王の母親になったんだとか言われる、天界でも超が付く問題児。


 別にお世話してないで、こちらが世話になっているが、オバハン構文で世話になっている事になったが、長老も古老も裸足で逃げ出した。


 蟻の巣の入り口を守っている警備の蟻も、地下階に逃げ出した。


 ついでに姉竜も、挨拶代わりにぶん殴られる母親から逃げ出した。



 所謂「憎い嫁が産んだ可愛い孫」と言う訳で卵を見に来たのだが、逢いに来る言い訳ができたので、可愛いムチュコタン成分も補充しに来た。


 冒険に、着いてこないでお母さん。という奴だが「来んな!」と言う親離れしたい長男と、子離れ不可能な母親がべったり纏わり付いて来て、長男を舐めるように可愛がるので、夫婦で寝ていようとどうしようと部屋に侵入して来て、寒がっていないか?布団を掛けなおして、何なら二枚重ねて被せて行くぐらい親馬鹿で子煩悩?


 毎回嫌がられて追い返されるのだが、「嫁」に言いたいことがあって苦言を呈しに来た。


 全部言い掛かりで、可愛い可愛いムチュコタンを取られた嫌がらせに嫌味を言いに来たのだが、幼馴染でも女友達でも彼女候補でも連れてきたらいつもの事なので、息子には何をしに来たのかバレている。


 とりあえず人化してみて40メートルもある身長差を解除。「嫁」に絡んでいく。


 拳王様ぐらいムッキムキで、カンガルー先輩ぐらい筋肉の上を血管通ってる。オーラによるものか、人化した後でも身長5~10メートルに見えている。


 イギリスで見つかった腹筋が32個に割れてる犬みたいに、遺伝子異常でキンニクの塊みたいなカダラして、口と鼻から蒸気も吐いてる。


 女子レスリングヘビー級金メダリストの土性さんぐらいで、アンダーバストの時点で1メートル越え。腕のキンニクもパンパンで脇が閉まらない。



『あのねえ、政治的に嫁入りしただけなんだろうけど、まず母親の所に挨拶に来るのが普通じゃないの? ホントこれだから若い者には何も任せられない』


 まずは軽いジャブで嫁いびり、息子が気に入って嫁を選んだとか一切考えない。ムチュコタンラビューなのは自分だけが得られる特権で、姉竜もワンターンキル姉さんぐらいのブラコンだが、自分は別なんだと思い込んでいる。


 息子から徹底的に避けられていて「どうせ嫁イビリするからウチの母親の所には挨拶に行かなくていい」とまで宣言されているとは思っていない。


『サーイエッサー!』


『お?』


 反抗しない「嫁」達なので一応認めてやる。もし口答えしたり、腐った口からクソ吐いた日には、腹パン入れてやって星にしてやろうと思っていたので、行き先が無くなったパンチは姉竜が食らった。


『ぐほうっ!』


 何故殴られたかは分からないが、これが母竜の日常的行動。姉弟でもめ事が起きても、ムチュコタンは何も悪くなくて、まず姉竜がぶん殴られる。


 母竜もヤンキー系のババアで、特攻服着て背中の大看板やら腰のあたりに赤糸で短歌が刺繍してある、襟足が長いキッツイ性格のヤンキー座りしているレディースがオトモダチ。


 名前も「陀居亜門怒」「亜苦亜魔凛」みたいなのがデフォルト、卵たちもソッチ系のDQNネームが付けられる。


 週末には三段シートでツッパリテールのバイクで暴走して、リーゼントライト?仕様のバイクでローリングして、ゴッドファーザーのテーマが鳴るヤンキーホーンか、直管の排気音で鉄腕アトムのテーマを奏でられる奴が嫁候補としてふさわしいと考えている。


 卵産んだ嫁二人は、軍人系列なので何かをやり遂げる「グリッド」と言われる能力は持っていたが、気合と根性が入っていないので人生のレールからはみ出せないハンパ物?で、リスカ跡じゃなくて根性焼き入れさせて、行儀付けてやろうかと思った。


 尚、アメリカ海軍士官が天井から店に泥棒に入って、上から落ちてきたらもう登れないで滑落を繰り返して逮捕される、な~~んてことは絶対に起こらないし、銀行員とか警察官と同じで犯罪者は採用されないので、「バトルシップ」に出て来る弟の士官が将軍の娘と付き合うなんて「事故」は物理的に起こらない。


 落伍者でも知的障害でも海軍士官になれると思わせる演出でも、泥棒が刑務所から出て来て即警察官や銀行員に採用されるなんて嘘は通用しない。



『起立~~~~っ!』


 もう二人とも立っていて気を付けしているが、やっぱりf1fujiグランプリのトヨタ応援席か、f1鈴鹿グランプリのホンダ応援席の鬼軍曹みたいに、起立を言い渡して直立不動にした。


 愛と青春の旅立ちの鬼軍曹か、フルメタルジャケットの鬼軍曹的に「嫁」二人を舐め回すように観察して回り、服装の乱れが無いか、生意気に化粧などしていないか厳重チェック。


 言い掛かりをつけて虐めるのが目的なので、何か行動を間違ったり、卵を抱くのに不適切な服装をしているとぶん殴られる。


『そこっ、卵から手を離すなっ、お前の命より大事な卵だぞっ!』


『ハイッ!』


 嫁側の母親が下から支えているが、手を離したので怒られる。クッション入りの卵袋が作成されて、赤ちゃん紐的な物で厳重に吊り下げられている。


 長老古老的にも自分達の命綱で、もし割ったり中身を腐らせたりすると、理不尽過ぎる死が集落に訪れる。


 でも姉竜の方も、弟君を取ったクソエルフは許さないし、母竜もムチュコタンを取った憎い嫁は許さない。


 何処かの姑みたいに、階段から嫁を突き落として流産させたり、何処かのコトメみたいに車の距離でコンビニまで連れて行って、スマホと財布は車の中に置かせて自分だけ車で帰って、徒歩で帰らせ流産寸前まで追い込むようなことを画策していたりする。


 嫁の方から「本当の事をバラされたくなかったら、夫の前からは姿を消して、二度と会わないと念書を書かせる」「お嫁さんが川のほとりに立って、飛び降り自殺しようとしていたら、近所で助けて鬼ババアの周囲でビラ配って、その土地には住めなくなるまで追放する」ぐらいの騒動にハッテンする。



『もう、折角エルフの里から貰ったお嫁さんなのに、嫁いびりしないでっ!』


『うっ』


 折角ムチュコタンラビューしていたのに、そのムチュコタンから苦言を呈されて、ちょっと小さくなった母竜。


 いつもなら隠れてやらかして、ムチュコタンにはバレないようにやるのだが、息子の前で立場を思い知らせてやって、絶対服従なのを覚え込ませるためにやったので即バレ。


 親戚一同集まった所で寿司取っても「嫁」にだけ巻きずし食わせて嫁いびりしたり、「嫁」だけ土間に座らせて残り物を食わせるような真似をしたので追い返される。


 卵から孵った「孫」は自分が教育して育てる気でいるが、二度と会わせて貰えないし抱かせて貰えないのは知らない祖母。



 相手はエルフなので美形度だけでは自分に勝るとも劣らないのだが、ルリナとかいうブッサイクなのは認めていない。


 もう何匹か、邪神騎士とか言う貧乳ツルペタのとか、同じく「ツルーペターチビー」で眼鏡地味子の芝居好きとか、軍師でレズの令嬢なんかも認めていない。



「帰って」


「エッ……?」


 自分では息子の為に嫁に苦言を呈しているつもりなのだが、明らかに嫁いびりしているので息子から「ハウス」と言われ、帰還命令が出て絶望している母竜。


「もう孫には会わせないし、卵も抱かせてやらない。今までどれだけ邪魔して来たか覚えてないのかよ? 二度とくんな」


「ヒイイッ」


 自分がどれだけの悪行を重ねて来たかは覚えていない。幼馴染の竜とかいても、メスだったら追放。あらゆる嫌がらせをしてメスを近寄らせなかったか一切覚えていないので、息子がホモに転向するほど女は近寄らせなかったので、息子からは「母親を近寄らせない」処理をされた。


 自棄になった母竜が、魔の森の最前線まで行って、やけ酒飲んでブレス吐きまくって殲滅して、クズと一緒に恐ろしい魔獣とかもぶっ殺して来る案件が発生した。

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