第31話天空の城

 王と邪神騎士の命令により、無理矢理にでも和平協定が結ばれ、元受付嬢のブリッツクリークも止んだ。


 尚、魔王は許されなかったので忠誠は受け付けて貰えず、何時でも悪魔の軍団が魔族始まりの島へ侵攻する。


 これも条約通り国境が開かれ、イギリスみたいな悪魔の島にも、キリスト生誕当時みたいに全員帰国させられ故郷で戸籍調査。


 大陸側にいた魔族が多すぎて帰国できずに難民状態、そして大陸には二度と帰れないので、ちょっと出掛けて帰ってくるつもりでも入国不可。


 食えない農家の三男四男とか、スラムやら貧民街の犯罪ばかり起こす「棄民」連中が帰って来たのでさあ大変。


 ダンケルクみたいに撤収する船も無くて、元受付嬢の軍が勝手に竜で空爆したり、第二次大戦で有名なカレーの街みたいに難民のテントだらけで、ゴミだらけ排泄物だらけで街全体に腐臭がして、テントも無しで露天で暮らしていたり、着替えも体を洗う事もできない難民だらけ。


 井戸も足りず泥水飲んでるので腸チフスにコレラに赤痢でバタバタ死んで行き、満州国が滅びて以降の日本人みたいな棄民が大量に死んだ。


 当然、魔国人に思い知らせるために、逃げて行く道中、足を引っかけて転んだら荷物を手放した物として奪って行き、若い女は行く先々でレイプされてレイプされてレイプされて、帰国した時には「よくぞ帰って来た、天晴」などと新聞の論調では褒めていたが、腹の中の子供は誰の子なのか分からないので全員堕胎掻爬。


 捕虜になって強制労働させられていた間は死んだ扱いで、嫁は弟と結婚させられていて、親からも「お前はもう死んでるんだから、これで何処かに姿を隠してくれ、そうしたら全員幸せになれる」と小銭を渡されて、残りの人生は山野か西成みたいな木賃宿で、適当に肉体労働して飲んで暮らすだけの生き物になって、命にカンナかけて出来るだけ早死にする方向へ。


 収容所で共産主義に染められて来たんだと言われ、帰還者の集会を開こうとしただけで、警察が乱入して来て暴力で解散させられた。


 満州?から命からがら生きて帰った連中も、住む所も行き先も無いので山を開拓して住むことにしたが、共産主義みたいに食べるのも飲むのも全員一緒で共用になっても、寒すぎて住めない場所なので開拓団は破綻。



 王都騎士団


「魔族どもが、続々と帰国して行きます。大陸側の拠点や基地も捨てて、支配していた都市や家も捨てて、全員……」


「そうか、そうか……」


 また乙女みたいに顔を覆って泣く騎士団長も、人類の悲願、魔族撃退を成し遂げたので、出世させて貰えるか、街中に銅像でも立てて貰える。


 団長本人は何もしていないが、無茶苦茶やらかした姉竜を表彰する訳にもいかず、同じく何カ国か滅ぼしてしまった王を叙爵する訳にもいかず、自分達よりも地位が高い邪神騎士を呼び出して表彰する訳にも行かない。


 実質この世の支配者なので、王家が挨拶に行ったり忠誠を誓うべき相手。


 今後、悪魔貴族とか邪神にまで出世すると、本当に支配者。


「本日、王城にて戦勝パーティーが行われます、その場で昇爵があるかと」


「うむ」


 実質邪神陣営に負けて、王が膝を屈して諸侯として仕えることになったのだが、以前は聖国が主で宗教的に屈服していたのが、今回から邪神に仕えることに変更。


 魔族は許して貰えなかったので、登場していないダークエルフとかの大勝利なのだが、おおらかな王と言うかその嫁の邪神騎士なのでキニシナイ。



 元々医学や魔法で子供が死ななくなり、半数は死んでいたのが全員生き残ったので、食っていけない奴は兵士に志願して「おまんま腹一杯食えるなら死んでも良い」になって、殺すために戦場送りにされて、土嚢みたいに死体を積み上げて、ほんの少しの土地を占領するために送り込まれ、棄民政策で大陸側に天国のような土地があるんだと騙されて開拓に行かされた馬鹿すぎる連中。


 戦前「南米に天国のような土地がある」「新しい満州国で五族協和」と騙されて移民して行った食えない農家の次男三男や、口減らしに写真だけ見せられて嫁入りして行った馬鹿な奴らは、国境地帯のすぐに襲撃を受けて焼かれて犯されて死ぬ場所に配置され、一草一木も生えない荒れ地を貰って、どれだけ苦労しても大して収穫できない高地で数十年苦労させられ、教会のシスター牧師は寄付金で食べられて帰国しなかったが、棄民で出された日本人は続々と帰国。


 戦後数十年経った日本はすっかり復興していて、自分達の苦労は何だったのかと思い知らされ、国を相手に訴訟を起こしても時効だとか当時はそうだったと言い逃れされて一切保証しない。



 元受付嬢の新王国


「我が総統閣下(マインフューラー)条約通り、魔国民は大陸側より撤収させられ、魔族始まりの島へと帰国しております。我が国の勝利です」


「うむ」


 元冒険者で、レベル99受付嬢にして貰って、暗黒騎士に転職した元受付嬢も、人類の悲願を達成して泣いていた。


 これでも一応王の嫁扱いなので、またレベル上げ作業に連れて行って貰えると、人を殺し過ぎてカルマは最低なので邪神騎士にでもなれる。


「本日1100より戦勝のパレードが行われ、そこで演説をして頂くことになります」


「草稿をこちらに」


 民衆が静かになるのを狙って、ヒトラーかカストロか枝野さんみたいに数時間大演説する元受付嬢。


 その前に四号戦車(巨大蟻)とか三号突撃砲(巨大ゴキ)とか巨大戦車マウス(巨大ネズミ)が閲兵して、やっぱり西側の将軍が見守る中でJS3(ヨシフスターリン3)戦車が通過して、西側世界の度肝を抜くことになるらしい。


 元受付嬢の軍隊も悪魔の島に迫っていて、海峡の間隔が20キロ程度しかないので「すわバトルオブブリテンか?」ぐらいのステータスだったが無理矢理終戦。



 魔国から帰国した捕虜の人間も「あんた捕虜だったのか? よくも恥ずかしげもなく帰って来れたなっ!」と役所の人間に言い渡されて、以後一切サービス拒否で放置されたり、魔族の協力者とか翻訳業務とか商売をしていた奴らも、宗教的指導者から処刑宣告。


 ルノーの社長兄弟みたいに、ナチスの協力者は獄中でぶっ殺されたか死刑で会社は国営化。


 魔族相手の売春婦とか魔族の愛人も、頭丸坊主にされた上で「遺伝子が汚れている」「卵巣の中身が魔族に染められている」と言う訳で処刑。


 更に帰国事業?が一段落するとテロリストが一斉に上陸を始めて、IRLみたいなのやヒズボラとかISISとかクルド解放戦線みたいなのが一杯入国して、毎週のように魔国内でドッカンドッカンテロを起こしていた。


 もちろん魔国からもテロリスト多数入国、認知疎外で人間の振りしてるのや、人間国に産まれても産まれた時から魔国に忠誠を誓っている連中が復讐の為に、毎週のようにドッカンドッカンテロを起こす。


 後の証言でも、イギリスの軍属が大量に泊まっているホテルに、続々と爆弾を運び込んでホテルごと吹き飛ばしてやったんだと、笑顔で手を叩いて手柄話を話すテロリストだらけで、人を殺したことなんか一瞬も後悔していない。


 魔族に国ごと滅ぼされたとか、家族全員殺されたけど自分だけ生き残ったとか、ユーゴにいた日本人ハーフが逃走経路で友達全員殺されて行って、自分達を逃がす為に囮になった少年達が軍に処刑され、手をつないで歩いていた少女が手首だけ残して爆破されたとか、戦車に乗った兵士達に捕まった少女が輪姦されている所を見ても助けに行けなかったり、最後に残った幼馴染も反乱軍の洞窟で保護されたと思ったら、兵士と一緒に出掛けている間に襲撃されて幼馴染の姿はどこにもなく、父親に保護されて帰国しても「あいつらに思い知らせるために行くんだ」と日本人の友達に言い残して、死ぬためにユーゴに帰ったような地獄絵図。



 両方の土地で粛清の嵐が吹き荒れて、魔国内でもテロリストが逮捕処刑されて、いつも通り冤罪も多数。


 どちらの警察も上司が怒鳴って喚いて泣き叫んで、机バンバン叩いて無能呼ばわりするので、もう誰でも適当に捕まえて、三日間眠らせずに殴り続ければ勝手に自白するので、ソッチの手段でタイホしちゃうぞ。


 誤認逮捕なんかも沢山して、そのまま再審請求とかさせないよう処刑処刑、また街路樹ごとに死体がぶら下げられたままで、腐り落ちるまで片付けることも許されないで、街中でもすさまじい腐臭。


 テロ当時ロンドンに旅行していただけの学生が逮捕されて、祖母がクッキーでも焼くようにして爆弾を作ったんだとか、子供達が鉄球を入れた炊飯器みたいなのを楽しんで作ったとか、父親母親も当然犯行に加担したと言い掛かりをつけて拷問して無理矢理自白。


 数十年逮捕拘束して置いて証拠まで捏造しても、余りにもおかしいと再審請求されて、嘘が全部バレて無罪。


 IRLと協定を結んでテロが終結したら釈放されたものの、祖母は収監中に亡くなっていて、子供達は就学年齢が終わっていて、学生だった奴も高齢のおっさんという取り返しがつかない事態に。



 王の屋敷


「ああ、雨も上がって今日もいい天気だ」


「ええ、戦争も終わって、皆豊かになるでしょう」


 王もフレンドリーなレズの令嬢も、世間の事は何も知らない書生なので、外の世界では地獄の蓋が開いてしまった状態なのは知らない。


 屋敷の外ではいつものように、世界の支配者が交代したので申請者や権益を認めて貰えるように、巻紙やら色々持っているのが殺到していて、年末の佐川並みに怒号が飛び交っていて地獄絵図。


 まあ今後数百年殺し合って死体を土嚢のように積み上げて、殺し合って殺し合って殺し合って地獄の底が割れるか、天国まで届く死体の階段を積み上げるよりはマシな状況。


 レイズナー的に国境を越えられないようにする方が被害が少なく、残された人物は暴力によって死滅させられるが、難民になって惨めに病気で死ぬよりは多少マシ。


「本日の予定ですが「ルリナ様教」の教主様と会談があります」


「ええ~? 今日も冒険に行けないの?」


 ルリナは大聖女なので既にご神体扱いで、別に運営している教団まで発生。


 別に「カリヤケ・ト・ナフモス」ちゃん教なんかもあるが、亜人のエルフなので「成分が悪い」と言われて余り流行ってない。


 でもエルフの集落内では神聖化作業が始まっていて「女神の化身」「この世に下生して下さった女神」として扱われ、石像も完成して除幕式も終了。


 今までの教会や聖国は地下で不死の兵士実験ばっかり行っていて、大きい試験管の中でスラムの子供が「コロシテ…… コロシテ……」言っていて、「何の役にも立たないクズ共が、邪神様の生贄になれるのだ、感謝されても良いぐらいだ」とホザく大司教とか教皇か、邪神信仰とか悪魔信仰の奴らが生贄を捧げてたり、そんな奴らだけ出世する場所になっていたので全面廃止。


 カルト認定を受けて全部解散させられたが、よくある展開で「男の子はすぐに逆らって、ビキビキ鳴って巨大化して反乱を起こすので、大人しい女の子で実験」というサイクルに入っていたので悪即斬。


 共産主義社会のように、唯物論にして宗教一切禁止、という声もあったが、葬式仏教みたいなのも残しておかないといけないので、中国みたいにチベットやらイスラム圏、法輪功の弾圧は無かった。


 でも人が死ぬと檀家に向かって「まず300万持って来い(読経料、戒名料、飲み食い別料金)でないと地獄に落ちる、いや堕とす」とまで言い切る、頭腐っている生臭坊主は全員処刑。


 宗教法人は非課税、とかホザく金糸銀糸で着飾っていて、宝珠とか数珠でジャラ付いている寂しがり屋で、詐欺師の特権階級も全員処刑。


 ルリナ周辺に集まっているのは、いつもなら刑務所の中にいるか、犯罪奴隷になっている詐欺師集団がフルラインナップで集結しているので、改革派であろうがピューリタンだろうが、どのみち宗教は詐欺。


「宗教家からは、お土産(現金)を沢山いただいております、是非ご参加ください」


「ええ~?」


 この情報部の従業員とか家令にも執事にも現金とか鼻薬が入っているので、王の予定を変更してまでも「ルリナ様教」に参加させる。もちろんルリナ本人も強制参加。



 これからは第二次大戦以降のスキームとか新体制とか新ドクトリンの中で、信用創造によって存在しない金を使って建設などを増やして、バラック住まいの人間に自分が住む家を作らせて住ませ、自分で家賃を払って貰わなければならない。


 フィリピン的に、長年ゴミ拾いをして来たババアは既に体を壊していて、家賃も電気ガス代も払えない。その子供は就学年齢で父親は誰なのかも分からないので、稼げる人物がいない。


 中東的に武装組織に母親が攫われてレイプされて、這うようにして家に帰ると赤ちゃんは凍って死んでいたとか、自分が何をされているのか分からない子供まで犯され、知らない間に妊娠して出産させられたとか悲惨だが、今までの無政府状態でひたすら殺し合うように設定されている状態よりは大分マシ。


 邪神騎士はソリッドステートの脳に変更されているので、ソッチ系の知識とかも平面世界からウィスパードされるので余裕。


 ガリバー旅行記の中で、喋る馬のような生物に対して、人間がどれだけ愚かな生物なのか説明するのに「自分で自分に借金をして橋や道路を作っている」と書かれているように、政府が市民に借金して橋や道路やダムなんかを作って行かなければならない。


 そんなもん通用する訳が無いだろうと思われるが、現実に通行しやすくなって、関所で税金を取らないので経済がハッテンして、税収が増えたりもする。


 アフリカの山賊が出てすぐ殺されるような土地の向こうでは、宝石のようなコーヒー豆が栽培されていて、現地通貨で1キロ4ギル程度のゴミみたいな価格で取引されているが、ヨーロッパに持ち込まれると金やウランより高く取引されて「フェアトレードって何ですか?」と言われる象徴のような価格差が多少減る。


 大体信用創造で借金は膨大になって、周辺国や列強の食い物にされて、独立国タイでもあらゆる物や国土を割譲させられ、李氏朝鮮では鉄道敷設権であろうが鉱山採掘権であろうが港湾使用権でも、あらゆるものを列強に差し押さえられて身動きできなくなった所を、日本に「併合してください」という一団の要請と、アンジュングンみたいな売国奴のお陰で、併合反対の伊藤博文を射殺されて併合決定。


 連合艦隊二個分と言われる債務を、全部日本が肩代わりしたのに「日本に金を奪われた」と言う、立場認識が一切できない連中に日本が金を奪われた。


 戦後もドルが尽きないよう貸付してやり、借りれるように保証までしてやって、IMF危機の間もドルが無くならないよう最後まで調整してやったのに「IMF危機の間も真っ先に朝鮮の金を日本が奪って行った」と平気で嘘が言える連中に金を盗まれ続けた。



 小国は今まで魔国によって、中国の一帯一路政策みたいな貸付政策で、港湾も鉱山もあらゆるものを奪われて行って降伏併合。


 その苦労して手に入れた権益を、旧大日本帝国みたいに大陸側で取得して行った権益の全てを失って、何もかもを放棄して帰国させられた。


 現在元受付嬢の国が独り勝ちで、ケモミミ王国は奴隷寸前のスラムから女王になるという大勝利はしたが、魔国関連では権益権利を特に主張も取得もしていない。


 魔の森の北側から、度々侵入して「エルフ攫って来い」と上級貴族の貧乳好きのロリコンに命令されていた国は、農民兵を大半蟻の巣に連れ去られてしまい、国を維持するための労働力が不足するほどで、最後に王が出陣して王家ごと「キャイン」と言わされたので、現在知られている世界の大半は王の配下。


 正確には全員邪神騎士に忠誠を誓わされて屈従しているが、その上の邪神ともいえる王がいるので誰も逆らえない。



 でも現実は暗愚な宗教が支配していて、下級の平民は医療なんか知らなくて信用もしていないので、呪い師が信用されていて「地獄に落とす」が通用するので小銭まで回収される。


 漁業権でも何でも、揉め事は全部戦争で解決する最終手段は禁止されているが、何も解決できないディストピアで、テンプル騎士団みたいなのも弾圧されて宗教ほぼ禁止の、テロが毎週のように起こり続ける地獄みたいな世界が完成した。



「ルリナちゃんも『野に咲く花』ちゃんもレベル上がったねえ、カリスマが少し足りないけど、天使貴族か騎士になって見ようか?」


「は?」


『ヘ?』


 カリスマ値ぐらい調整できるのか、チートな嫁でも作成するように、何も考えずにポッチリ転職させた王。


『「あ?」』


 邪神騎士生誕の時とは逆で、周囲が明るくなって空の上では超新星爆発みたいな祝砲?


 空に虹が掛かって、天空からお迎え?の下級天使の文武一万柱とか、ペガサスが天使貴族の衣装持って降下して来て、空の上から聖歌が聞こえて来て、どっかからガランガラン鐘の音まで聞こえてくる。


 ルリナとエルフょぅじょの背中から光る羽が生えて来て、頭の上にも光る光輪。


 ガンダムウィングかセーラームーンスーパーぐらい羽背負ってしまい、新興宗教みたいに舞台の上では羽背負って、頭の上に輪っか乗せて銀紙巻くかアルミホイル巻いたような、大川隆法か池田大作先生みたいな詐欺師スタイルに変身した。


 エルフの里で神聖化作業が行われている通り「野に咲く花ちゃんマジ天使」になった。


 情報部では意図していないが、神聖騎士より上の職業、天使騎士になってしまい、やっぱり「ルリナちゃんマジ天使」に変更。


 両方とも邪神騎士より地位が上なので、今度こそ人類側の法(ロー)の側の勝利。


 オマケの特典として、天使貴族一人に付き、天空の城が一個もらえる。


 王のせいと言うか、王のお陰でもっかい世界が反転して、天使騎士天使貴族ユニットが発生したので法(ロー)の側が自動的に勝利。


 ダークエルフではなく、白エルフさん大勝利でゴザルの巻き。



 両陣営とも王の配下なので、支配体制に揺らぎはないが、最早二人共信仰の対象。


 王家からも魔国からもケモミミ王国からも、元受付嬢の平民の国民兵の帝国からもエルフさんの国からも、信仰されて女神二人体制で新国家が誕生する。


 今までの国と言う単位は県境程度に変更、シェンゲン条約?で既に国境は開かれているので、テロリストは移動自由で、資本の移動も自由なのだが、EUと同じで難民とか労働者の移動はできないので欠陥通貨で欠陥制度。



「ルリナ様、お初にお目にかかります、今後お仕えさせて頂きますペガサスに御座います、何なりとお命じ下さい」


「ファッ?」


『野に咲く花様、今後お仕えさせて頂きますペガサスに御座います、何なりとお命じ下さい』


『フェッ?』


 まだ幼い子供とか、実年齢25歳のエルフ程度に、天空の城とかペガサスの管理なんかできない。


 更に空から下級天使が一万柱降下して来て、二人いるので二倍、ついでに巨大な天空の城まで上空に来て屋敷に影を落とした。


「『宜しければ天空の城へと移住して、天下に覇を唱えて下さいませ』」


「『エ……?』」


 二人共イミワカンナイ状態で、ペガサスが持って来た天使騎士とか天使貴族の制服に、変身バンク使って瞬着。


 こっちは露出狂使用じゃなくて、世界を征服出来るような制服。


「じゃあ、ちょっと見学しに行ってみようか」


『「は、ハイ……」』



 王も冒険者的に、天空の城を探検する絵物語は読んだことがあるので興味津々。


 別に「竜の巣だっ」みたいな低気圧や台風の目に閉じ込められている場所ではないので、飛行石とか持ってなくても余裕で入城。


 情報部的には、このまま王が天空の城に移住してくれればミッションコンプリーツなのだが、空の上に閉じ込めておくとかムリ。


 今後、インドラの矢とかラピュータの雷に怯えて生活することになる、



 天空の城


「やあ、凄いなあ、俺もとうとう天空の城の探索ができるようになったんだ」


 竜の頃は、城に入る権利が無かったので、台風か低気圧だと思っていた、雲の中の世界なので入城不許可。


 今回は城の主が二人もいるので、どちらでも自由に探索できる。


「これ、ルリナちゃんの方かな? それとも『野に咲く花』ちゃんの島かな?」


 ラシャラ様が乗っている聖騎師学園の方か、ラピュタみたいなスーパーマンに出てくるロボがいる方か、両方とも少し違うので探索のやりがいを感じる王。


 でも魔物とか出て来ないし、乙女ゲーのモブみたいに科学の兵器に入手阻止されたりしない。


 本当の主人が案内しているので、ロボでも聖騎神でも何でも主人に従う。


「お、なんか走って来た」


 天空の城の番犬みたいなのが走って来て、主人以外の者が上陸してきたら排除されるが、本当の主人なので忠誠を誓われた。


「ルリナ様、ようこそお出で下さいました。わたくし共はこの場の番犬、何なりとお命じ下さい」


 こちらの島はルリナの持ち物のようで、フェンリルより強い犬に人間語で挨拶された。


 中心部に壮麗な宮殿があり、下級天使のメイドとかも多数、山の上にある竜の宮殿よりもデカイ。


「ここが…… 私の島」


 まあルリナ専用のシマなのだが、お兄ちゃんのお嫁さんになると、天空の城と宮殿まで貰えて、思わず涙する元平民で貧民。


 ケモミミ王国を貰った少女より価値がある、下級天使が守っている場所なので絶対に陥落しない城。


 彗星帝国の上側ぐらいハッテンしていて、例えヤマトが波動砲撃っても壊れない。


 レベル3村人の頃のように、まともな食事が出来るのは3日に一度とか言わないで、コソ~リ肉体改造されているので、もう空腹に悩むこともない。


 でも地上の城砦では、天空の城が二隻も出現して大パニック。



 王都騎士団


「閣下、城塞都市メルカバ上空に、天空の城が二隻も出現っ。地上の情報部も、まだ在住している民衆も逃げ惑っておりますっ」


「ああ~~~~っ」


 また乙女みたいに顔を覆って泣く騎士団長、また王の仕業に違いないが、もうSAN値が残っていない。


 簡単に滅ぼされる聖国とか王国よりマシな所として、食料もタダでもらえるので獣人や亜人も引っ越して来ていたが、流石に頭の上に天空の城が出現すると白目剥いて腰抜かした。


 王の方はルンタッタしながら探索していたが、下にいる住民は伝説の通りインドラの矢とかラピュータの雷が落ちてくるので逃げ惑っている。


 ルリナ様教の教主も逃げ出したので会見中止、王家の新王も「しまわれちゃうおじさん」になってしまい戦勝パ-ティーも中止。

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