第29話闇の炎

 これまでにも小さい事件過ぎて書かれていないが、相変わらず各都市周辺にいる盗賊団全滅から誘拐された市民の救出クエストも受けていた王。


 阿片工場の爆破焼却、取引業者や下っ端の売人がいれば全滅。奴隷取引所があればエルフの子供兵が突入して全員射殺。同胞や獣人を開放。


 テロリストとは取引しない、ゼロトレランスで全員射殺がセオリー。


 企業舎弟でフロント企業に貴族家の三男四男がいようとも全員射殺、構成員や組長なども全員射殺。


 麻薬取引現場があればバトルガンM-16(動詞)、120ミリの迫撃砲を撃ち込んで、大物が爆散してから散兵や負傷者が出てくれば射殺と、あらゆる悪人どもを絵物語通り、情報部がオススメする通り、悪即斬してきた王の一行。


 情報部の受付嬢を首輪も付けずに解放してしまったので、今ではレベル99の力を遺憾なく発揮して、暗黒騎士になってダイエットしながら魔族領にブリッツクリークし続けている。


 今回も令嬢の一人が邪神騎士になってしまい、悪の力にカクセイ。


 実家を全員暗黒の炎で燃やし尽くして、次は夜会で馬鹿にされたり、貴族学園でも虐め尽くされたお礼参りに来た。


 でも本当は発達過ぎて無能すぎて、普通の人間までキレさせ、オドオドビクビクしていた令嬢の方が悪い。


 虐める方も発達で「ママに自己の万能性を見せる」為にゲラゲラ笑って大声で敵を三階から突き落としても平気。それが刑事事件とか殺人未遂になるとは思ってもいない。


 それでも「ざまあ」する権利はあって、王もバックにいて、ご本人邪神騎士で魔王よりも偉い人なので誰も処罰できない。



 夜会会場


 どこかの公爵だか侯爵が客を集め、パーティー券でも裁いたのか沢山の来客が来ている。


 断罪イベントか陥れるイベントがあって、婚約者を偽聖女とかに奪われて陥れられたり、国外追放されたり地下牢にぶち込まれたり、道術で健康な体と入れ替えられたり、スカーレットの霊が憑いてエリスの聖杯したり、ヒロインが物を盗んだと陥れるはずが、論破された後は次々にダンスを申し込まれ、総白髪になるまでホールで踊らされる程度で済んだら命も助かったが、燃やされるので助からない。


 そこに冒険者仕様の王と姉竜、侍大将仕様のルリナ、忍者頭領仕様のエルフょぅじょ、賢者仕様のエルフ等、相変わらず露出狂仕様の令嬢と、フレンドリーだけどほぼガチレズの令嬢がやって来た。


 それも龍に乗って空飛んで来て、下級悪魔も一杯引き連れて、夜でも明るい夜会会場を見付けて上から降下。


 全員TPOとか一切考えていない、夜会に出席するには無作法な装束。


 下級悪魔と龍はステルス仕様なので、認識阻害もあって一般人程度には判別できていない。



「招待状はお持ちでしょうか? 御芳名を頂戴できましたら幸いです」


 執事の一人が顔を顰めて、明かに呼んでない連中が来たので門前払いしようとした。


「え~と、殲滅竜で分かるかな? クライメルクとこちらは姉さん。この娘が今度邪神騎士になったんだけど、こちらの来客に話があるそうなんだ」


 特に会話は必要なく、燃やして行くだけだが、一応面会の許可を取ろうとした。


「はっ?」


 今話題の、近くの城砦を占拠している殲滅竜の姉弟が来てしまい、一般人の執事などではもう対応できない。


 ゴジラかガメラ案件で、騎士団総出動とか王国の衛兵に兵士全員第四出場して「国民を逃がす」作業が開始される。


 対抗して戦うのは不可能。


『控えよ、下郎』


 また特殊な話法で話すと、関係ない執事もドゲザスタイル。周囲の人間も巻き込まれて土下座。



「アルテマー子爵家のサリアリア嬢、邪神騎士として御入来ですっ!」


 土下座から立てない執事に代わり、フレンドリーな令嬢が入場の知らせをしてやる。


 家と名前を知られると、馬鹿が寄ってきて蔑んで嘲笑おうとするが「邪神騎士が来たよ」とか、なまはげが入って来て「悪いこはいねが~?」と言ってやったので、露出狂仕様の腹出し背中見せフトモモ丸出しの衣装でも、マーベルコミックのヴァンピレラみたいに堂々と入場。


 同世代の公爵令嬢とか取り巻きにも、デビュタントパーティー以来散々笑われて虐め抜かれたので「ざまあ」する。


 顔が歪んでからは来ていないが、お目当ての令嬢と取り巻きを邪眼で見付けた。


 両目共なのでユーフェミア様に「例えば、日本人を全員殺せ」とか言ってもギアスが効いてしまうぐらいには強力。


「なんですの? あの格好、淑女としての恥を知りませんの。それに周りの汚い連中は何ですの? オホホホホホ」


 取り巻きのクズは未だに偉そうにして、王や侍大将を嘲笑おうとしていたが、公爵令嬢本人は「邪神騎士」の装束と言うか、背中から黒い羽根生やして頭の上に黒い光輪乗せてる奴が、どんな奴なのか知っているので青くなった。


 周囲は普通の人類で令嬢レベル10程度なので、王とその姉が「シュパアアアアアッ!」となっているのは検知できない。


 でも警護の騎士とかは検知できたのか、腰が抜けて戦えない。



『来てやったぞ、久しぶりだな。控えろ、下郎共』


 いつも通り、周囲の全員ドゲザスタイルに移行。


 階級的には公爵令嬢の方が子爵令嬢よりも地位が上なのだが、平面世界的には邪神騎士の方が上。


「じゃ…… 邪神、騎士?」


「誰が面を上げろと言ったっ?」


 公爵令嬢の後ろ頭を踏んで、土下座スタイルから顔面踏み付け形態に移行。


 これが男連中なら「我々の業界ではご褒美です」とか「後ろ頭踏みつけ、黄金水飲尿プレイは別料金です」となったが、公爵令嬢には生まれてから一番の屈辱になった。


「くっ、殺せっ」


 令嬢もつられてくっ殺状態になったが、まだ心までは屈していない。


「今殺してやる、散々嘲笑って蔑んだ代償、少々高くついたな。ダークネスファイア、この者達を地獄へ」


 公爵令嬢にはまだ点火してやらない、まずは取り巻きの馬鹿者達から。


「いやああああああああああああああっ!」


「おいおい「レディーたるもの、感情を表には表さず、常におしとやかであれ」じゃ無かったのか?」


 踊り狂って泣き叫び、涙と涎と鼻水垂れ流しで、小便も大便も垂れ流して床の上で転げ回って叫びまくっている奴らに、過去に自分が言われたことを聞かせてやるがもう聞いてない。


 と言うか令嬢達の叫び声がデカすぎて、周囲の多少の声など聞こえない。燃える体が痛すぎて言語など認識できない。


「あはははははははははははははっ!」


 周囲の来客が逃げ惑う中で、邪神騎士の足の下で踏みつけられている令嬢だけが震えていた。


 次は自分の番。地味で大人しそうでオドオドしていた娘を、周囲の取り巻きと一緒に嘲笑うんじゃなかったと今更後悔していた。


 最近のトレンドでは殺されてからタイムリープして、過去に戻って脂肪確定ルートを回避するとか、その時に転生前の日本の記憶とか取り戻すのだが、コイツには天命も何も与えられていないので死ぬだけ。


「た、たすけてぇっ!」


 流石の学園の女王様でも人間が焦げる匂いで心が折れた。偉そうにしていた取り巻き達も、死の絶叫を上げて燃え盛っている。


 服の流行遅れとか地味な服装だとか、眼鏡地味子さんだとか嘲笑って、仲間の一人が調子に乗って衣服に飲み物をかけに行ったり、足を引っかけて倒したり、取り囲んで馬鹿にしたり、貴族学校に来なくなるまで虐めまくったりするような真似をするんじゃなかったと、小便漏らしながら祈るように頼み込んだ。


「あら、最近の流行は小便漏らしながら祈るのがトレンド? 残念、邪神騎士には祈ったりしない、それ神様とか神聖騎士にすることだろ? 馬鹿じゃないのか?」


「あうううう」


 すると周囲で泣き叫んでいた馬鹿が、令嬢にしがみついて救いを求めて来た。と言うか道ずれにしようと抱き着いて来たような気もする。


「あああっ、ああああああああああああっ!」


 小便まみれの足で蹴り倒して引きはがそうとしたが着火、腕や腹回りから火が出て、それも服が燃えているのではなく、皮膚や人体が燃えているので消せない。


「仲が良い事だなあ、そんなに慕われて羨ましいぐらいだ、仲良く燃えて地獄に落ちろ」


「イヤアアッ! アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」


 目が見えている間の最後の認識で、中庭の噴水目指して一直線に走る。


 ダンスホールのど真ん中を、火に包まれた令嬢達が我先にと水場を目指して突っ走る。


 カーペットなどは燃えなかったが、行き先を邪魔しようとした者は抱き着かれて着火した。


「うわあああああああああああっ!」


 他の嘲笑っていた者にも抱き着いて着火、次々に燃えている人物が増えて行って、ゾンビやグールに噛まれたみたいにどんどん増えて行く。


「あははははははははははははっ!」


 馬鹿踊りして蓑踊りして、馬鹿がマヌケに抱き着いて次々に着火して行き、会場から出られない連中が炎に包まれて行く阿鼻叫喚の地獄絵図。


 火が着いて外に出られるようになった奴らが、噴水に到着してドボンドボン飛び込むが、魔法の火なので水では消えない。



 街路


 この国の王を乗せた馬車が、夜会に行幸する予定で行進していた。


 騎馬の騎士やら王家の者も載せた馬車やチャリオッツが数十両。随伴の歩兵も走って付いて来て、盗賊団とかいつもの邪神信仰の黒いフード被った暗殺者程度では壊滅させられない数。


 夜会も宴たけなわの頃に入場して「サプラ~~イズ」で王様の御行幸して、ラインハルト様がいるような夜会会場に駆けつけるが、既に滅びた家の当主が杖に爆弾し込んでテロでも起こしてるので入れない。


「お止まりくださいっ、夜会会場に邪神騎士出現っ、来客を次々に燃やして魔法の火で焼いている模様っ、王家の皆様におかれましては、すぐさま王城にご帰還をっ!」


 忠臣の騎士が一行に知らせるが、行進の列を乱したので後ほど処罰を受ける。


「ひいいいいっ! 竜が来るううううっ!」


 でも王様が怖気付いてしまい、竜が王都に来てしまったんだとか、その姉に命を狙われているとか、聖国が滅ぼされてからは「次はお前の番だ」的な怪文書が来て怖がっていたのに、邪神騎士まで来てしまって屈従する前から始末されると知って、悲鳴を上げて恐怖し始めてしまった。


 つい先日聖国まで滅ぼされて、貴族街にケモミミ獣人とかエルフが入ってしまったので、自分達も同じ処理をされるんだとか、しまっちゃうおじさんにしまわれてしまうんだとか、有らぬことを言い出して発狂している。


「しまわれちゃうんだ、暗い所にしまわれちゃうんだ」


 ぼのぼののトラウマ回でも見たのか、ニコニコ動画のしまっちゃうおじさん特集のMADでも見たのか、頭を抱えてガタガタ震えて、豚みたいに泣き叫んで死ぬ準備をオーケーするだけの生き物になった。



 夜会会場


 ついでに、この屋敷の地下にエルフが数人監禁されていて、獣人なども閉じ込められているのを察知したエルフ達が、いつものように行動した。


『突入っ!』


『ヤーーーーッ!』


 まだ燃え切っていない会場で、エルフの少女幼女全員が突入開始。


 楽団が演奏していて、メインホールではダンスが行われている中を、都市迷彩服にフリッツヘルメット被り、ボディーアーマー付けて狭い場所でも振り回せるプルパップのライフル持ったエルフが、低い姿勢のまま駆け巡った。


「止まれっ!」


 護衛の衛兵とか騎士が立ち上がったが即射殺、地下で閉じ込められている同胞を監禁している奴らなので同情の余地も情状酌量の余地なし、抵抗すれば全員射殺する。


 逃走経路や奴隷解放の経路を確保する兵が、魔法動作する重機関銃を設置して、軽機関銃やアサルトライフルを持った数人が警護。


 エルフの子供兵は地下牢に突入して行って、まず牢番を射殺、中でお楽しみだった来客とかも射殺、親からエルフの美女?を相続していた奴も射殺、童貞の会計士以外は全員「根切り」。


『爆破するっ、牢から離れろっ!』


 地下で爆発音がドンドン鳴って、ギャラクター基地か桃太郎侍が斬り込んだ屋敷の御家人みたいに、大量の兵が駆け付けてくるのも設置した重機関銃で射殺。


 肉の体を持っていない精霊を投擲して自爆させ、どこかの特攻野郎レベルで連鎖爆発。


 練度が低い兵士や、戦術や交戦規定やドクトリンが違うエルフの子供兵には対抗できず、普通の騎士なども全滅。


『走れっ! 走れっ! 走れっ!』


 どうせ邪神騎士が全員燃やすので、地下で待っていれば良いのに、状況が変わらないうちにキッドナップを解放して牢屋から走って逃げさせる。


 狭い牢屋で鎖につながれてレイプされ続けた者や、足を変な風に開かされて股関節がおかしくなっている者は走れない。エルフの子供兵に怒りが蓄積されて行く。


『伏せろっ、精霊投擲っ!』


 精霊の方も怒っていて、閉じ込められていたエルフや獣人を助けるための肉の体を持たないので、助けが来るのを待っていたり、外に出て助けを呼んでも公爵の屋敷になど乱入できなかった連中。


『砕けろっ、人間共っ!』


 精霊が自爆して、こちらを向いていた人間の兵士や来客は、氷の破片を食らって失明。


 火炎に焼かれた者や土槍を食らって体を貫かれた者も出て、電撃で神経を焼き切られて半身不随にされたり、突破口を開こうとするエルフと屋敷の私兵が交戦状態。



 ホール中央


 健気にも震えながら邪神騎士に対抗しようとする警護役の騎士がいたが、そいつだけ燃えないように処置してやり、馬鹿が抱き着いてもしがみ付いても着火しないようにした。


 真面目で正しい人間でも、原罪があるので燃える。馬や牛、犬や猫は燃えないが、人間は燃える。


「こ、このような狼藉、許さんっ! 邪神騎士めっ」


 ガッタガタ震えながら、何とか口上を言った若い騎士だが、普通の鉄の剣では邪神騎士に傷一つ付けられない。


 邪眼で見ると、子供の頃から騎士に憧れ、実家の貴族家も騎士として出世して成り上がった家なので、小さい頃から棒きれふりふり、大して体も出来上がってないし、食い物が貧しいので筋肉も付かず、コネ入社の騎士団でも貴族家の三男四男なので下っ端も下っ端。


 真面目に勤めれば勤めるほど蔑まれて、適当に使われて何でも言うことを聞く馬鹿だと扱われて、サディストの上位貴族にパシリに使われて来た奴だと分かった。


「僕、そんな奴ら守る価値すらないのよ、家に帰りなさいな」


 同じ年か年下ぐらいの、成人年齢にやっとなれた少年を嘲笑ってやったが、真摯な行為には感心して、クズを守る必要はないんだと言ってやった。



「邪神騎士、神の行いに反する者っ」


 もう一匹、神様がどうこう言いだす馬鹿が増えたが、そちらは躊躇わずに切りかかって来た。


『消え失せろ』


 刀を指二本で止めて先に触れてやると、頭が悪いのか剣を振り回せば塩化や瘴気が消えると思ったのか、剣を手放すのが遅れて両腕から塩になったり、汚らしい魔物へと変化して行った。


「ああああああああっ!」


「何故こんな事をっ?」


 真面目な騎士が、まだ問答して改心させられるとでも思っていたのか、棒切れを振り下ろさないで言葉で確認しようとしていた。


「私を嘲笑った馬鹿共を燃やしに来ただけ。こいつは自分で魔物になった。邪神騎士に攻撃しただけで、不敬によってこうなるわ。おやすみなさい、もう子供は寝る時間よ」


 剣先に触れてやると、鉄製の剣など腐り果てて、サビサビのボロボロになって砕け散った。


 その剣を振り下ろさなかったのは正解で、邪神騎士や下級悪魔を攻撃していたら、塩の柱になるか汚らしい魔物に変えられて死んでいた。



「ずいぶん優しいじゃねえか、小僧は燃やさないのか?」


「ええ、こんなに震えるまで護衛対象を守ろうとして、みすぼらしい鉄の剣で歯向かって来たんですもの、答えてやらないのは不義理と言う物」


 姉竜に絡まれても平気で笑って答えた。以前ならビクビクオドオドして、視線さえ合わせられなかったのが、平気で睨んで来る。


 夜会の会場を地獄に変えた悪魔は、ゲラゲラ笑って燃えている馬鹿共を嘲笑って「ざまあ」した。



 地下階からの出入り口付近


「ヒイイイイイイイン、ドバアアアアアアアッ!」


 軟鉄の剣で一人ずつ始末している弟や、精霊投げて対抗しているエルフ達を見て、姉が最強ブレス(弱)を発射してしまった。


 どうにか前線を保って入り口を死守していた私兵達も焼き殺され、燃やされて踊り狂っていた令嬢達も蒸発させられ、折角ざまあしていたのに、その対象が消滅させられた。


 でも今度は姉竜の影の中に取り込まれて、永遠に苦しみ続ける。


 射程は5キロほどあるので、軸線は地下方向に向いていたが、下水道が水蒸気爆発して地上も焼き尽くし、ヘルシアオーブンかチェルノブイリ付近のキエフの街になって、貴族街の片側と商業部が吹き飛んでしまった。


 周囲に生きている人間は居なくなり、こちらに向かっていた王様も多分死んでいる。


「ゴゴゴゴゴゴゴゴ」


 王都は真っ赤な炎に彩られ、雲の下面にも反射して真っ赤っ赤。街中や貴族街でも火災旋風が巻き起こっている。


 神戸市内を神戸製鋼の煙突から映る炎が雲に反射するように、夕方より酷い炎の赤が王都を染め上げた。


「こうしたら早かったんじゃねえかよ」


 子供兵の賢者達が要救護者を障壁で守り、どうにか生かして外に出せたが、屋敷は崩壊したり蒸発して消えてしまったのに、平気な顔して出て来た姉竜。


「姉さんっ!」


 余りにも酷すぎる仕打ちに弟も怒ったが、姉の方は何が悪いのか理解していない。


 数千度のブレスを発射すると、高レベルで三次職の連中はレジストできても、救護対象の捕虜やキッドナップは燃え尽きてしまうと認識していない。


「ああ、こいつら弱すぎて燃えんのか、わりいわりい」


 凄まじい光を見たので、失明している者多数、余りのショックと圧力で心肺停止している者もいた。


『パーフェクトヒール』


 心肺蘇生など間に合わないのでパーフェクトヒール。捕らえられ地下牢で幽閉されるよりもひどい目に遭わされたエルフに獣人。


『どうせ犯され過ぎて気が狂ってるか、腹の中にも誰の子かも分からない子身籠らせられてる、死なせてやれ』


 監禁レイプ被害者を精神的にケアする薬品やら治療法など無いので、死なせてやった方が楽。


 生きている限り悪夢を見続けて、叫び声を上げて起きて、目が覚めても泣いているのが普通なので、死んだ方がマシ。


『でないと屋敷に連れて帰ったりしたら、救出されたお礼にベッドに火着けて全員自殺するぞ、コイツラ』


 魂の殺人とも言われるレイプなので救う手段が存在しない。穴や袋を使われてもダメージが低い売女(ばいた)や股がユル過ぎるパパ活女ではなく、純血などの思考を持っていたり貞操観念がある奴なら耐えられないので、浴びるように酒でも飲むか阿片でも与えてごまかすか、救いようがないので姉竜が殺そうとまでしている。


『どうする? 残りの人生苦しんで生きるか、里から追放されるか嘲笑われても生きるか? それより今ここで俺が殺してやる』


 大抵の奴が、救われても「コロシテ…… コロシテ……」なので、イケメン高身長高収入高身分の男である王がいても恐怖の対象。遺伝的に清潔感があっても、フェロモン出していて普通なら女に取り囲まれる奴でも、もう受け入れ不可。


 物凄い美人の生徒でも、男に告白されている最中に顔色が真っ青になって、防御用の女数人突っ切って手でも握られた日には、ゲロ撒き散らして泣き叫んで逃げ出すような女は、父親とか叔父や兄弟に毎日のようにレイプされているので、もう人生自体が取り返しがつかない。


『コロシテ……』


 そう言った連中は姉竜が首を落としてやって、二度と復活できないように魂まで砕き、転生したり生まれ変わったり女に産まれて来ないように処置して死なせてやった。



『お~し、貴族街回って、地下にエルフやら獣人居たら助け出すぞ。全員死にたいらしいから、貴族街全部燃やすか?』


『さ、サーイエッサー』


 今回は姉の意図を知った弟も反論しなかったので、地下にいるエルフや獣人やら、ロリコンやショタコンはノームとか妖精種、最近流行りのひげ生えてないロリドワーフ何かもいたら、ブレス吐いて燃やしてやった。



(ありがとう…… ありがとう……)


 苦痛だけの人生が終わって、姉竜に感謝しながら成仏して行くのが小数。でも恨みを持って人間国の王都を火の海にしてからあの世に行こうとしているのが多数だったので、王都の貴族街は大半が焼け落ちた。


 獣人なんかも人間程度の寿命しかないので回復は無理。ラフタリア狸さんみたいに鞭でシバかれまくっても、病気で追放されても同室の幼馴染が殺されて骨になっていても、その主人を殺さないとかふざけた演出をしたので視聴継続が無理。


 元から逃走防止に利き腕の手首を切られていたり、両足首を斬られていて魔封じの首輪が標準装備。逃がそうにも逃げられないのが普通だったので、救出は無駄と言うか救出を拒んで死にたがるのが標準の仕様だったので、パーフェクトヒールがあると言っても自由になった途端刃物掴んで自決するのも多かったので、大体の子供兵、エルフの兵士でも人間族を憎んだ。


 王宮の地下では王族しか知らない逃走経路が開かれ、地下水路を脱出して行く若い王族がいたが、マッチポンプはしないので王も助けたりしない。


「またこれかよっ、散々潰して来たのにいいっ!」


 教会の本部地下では、いつも通り巨大な試験管の中にスラムの子供とか獣人の子供が浮かんでいて、魔獣と合体させられて「不死の兵士実験」が行われていて、全員が「コロシテ…… コロシテ……」だったので、王もブレス吐いて瓶をぶち割って命を奪ってやった。


 実験していた奴も、地上階で指示出していた僧侶も司祭も司教もホモジジイも、教皇も司祭長も大司教もジャニさんみたいに児童にイタズラするのがダイスキな奴らも、苦しんで苦しんで苦しんでから死ぬようにしてやり、ダークネスファイヤの暗黒の炎を点火してやって踊り狂わせた。

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