第27話邪神騎士生誕

 城塞都市メルカバ


 ちょっと戻って受付嬢の反乱事変より数か月前、西の方の人間国を全部取り返して来たり、池の水全部抜く前の話。


 王が城砦の外に穀物のサイロ置いたり、教会にタップリ金渡して毎日炊き出しが行われていたので、周辺国で迫害されていた獣人亜人、エルフにダークエルフにケモミミの連中、ドワーフにノームなどが城砦外のスラムやら、城砦内の貧民街に居抜きで入って来ていた頃。


「やっ、なにすんのっ」


「野郎っ、ふざけんじゃねえぞっ、商売の邪魔しやがって」


「シマ荒らしやがって、もう勘弁ならねえっ!」


 どこかのケモミミの姉弟が、街のチンピラにタコ殴りにされ始めていた。


「おやおや、ケモミミを虐めちゃあいけないよ」


「あべしいいっ!」


「ぼぐじゅあああああっ!」


 偶然居合わせた王の一行が、順番に派手な服装してるチンピラの両手足切り飛ばして、星外投棄したりドタマかち割って半殺しにしてから、城外から大蟻を呼んで地下に連れて行かせる。


「あっ、蟻の巣だけは嫌だああああっ!」


 ケモミミがスリの子供だとか複数回泥棒を繰り返していて、中東なら手の先を切り落とされるような状況かも知れなかったが、相手が腐ったチンピラだったのでとりあえずケモミミの方を助けた。


「ん~~? どうしたのかなあ? 俺は冒険者だから、困りごとがあったらドングリ一個からでも引き受けるよ」


「た、たす、けて……」


 獣人だったので姉と王がシュパアアアッ!としているのを検知でき、そっちの方の「助けて」だったが、事情を聴くと殺されないのが分かったのか二人共大人しくなった。


 カクカクシカジカで説明を受けると、終戦後の五円雑炊的な米軍の残飯とかサープラス品の薄い粥を食っていると、中から煙草の吸殻かコンドームでも出て来たので苦情を言っていると、みかじめ料払っているチンピラを呼ばれて、即タコ殴りの刑に合っていたのを助けられたと聞かされた。


「エクスエリアヒール」


 姉弟以外にも、周辺にいた奴が聖女の呪文で救われルリナ様教の信者が増えて、格ゲーのコンティニュー画面みたいなケモミミ少女とショタの顔が元に戻った。


 こちらはエルフの逆で、1年2年程度のドッグイヤーで出産可能な身体に達している非合法ロリ。


 性行為同意年齢が遥か彼方の10年以上先なので、おさわりまんここですと通報されてしまう。


 西洋に転勤した日本人の子供が「お父さんと一緒にお風呂に入るのが楽しみです」と作文書いてしまうと、自宅か会社にスワットが派遣されて、お父さん逮捕前にスワットからボッコボコにされて、殴り殺されるか頭に銃口擦り付けられて、床に這いつくばらされて「フリイイイイイイズッ!」と射殺寸前にまで追い込まれるような事案発生。


 よくある卵を孵したりするイベント後や、獣人の子供奴隷を寝かしてやると、翌朝にはレベルが上がったので巨大化していて、折角のツルツルペッタンコのょぅじょが奇乳の化け物に代わっている大事故。


 盾の勇者のラフタリア狸さんとか、異世界物のょぅじょ奴隷が翌朝には取り返しがつかないほど巨大化していて、バスト1メートル越えの奇乳になっているように「折角ょうじょ奴隷買ったのに、何で大きくするんだよっ? その前にせめて一発だけでもヤっとけや」と言う、十八禁紙に移転しないでも済むよう、ロリじゃ無くしてからサービスカットの交尾シーンと雑に処理されてしまい、読者や視聴者の怒りを買う行為をされてしまう。


 折角のロリのエルフナインちゃんとか俺っ子のキャロルちゃんが、変身バンクになると乳もケツも巨大化してしまい、バインバインのアウフバッフェン波形になるように、エロイ変身シーンで子供を露出させるとロシアとかオーストラリアで即発禁処分を受けるので、そのための防御かも知れない。


 このケモミミも、エルフやら人化したドラゴン系統のょぅじょ合法ロリババアどころか、外見年齢12歳ぐらいでケツや乳はデカいくせに、実年齢2歳程度の声掛け事案した瞬間にタイホされる案件。


 どれだけ聖人君子の警官でも、例えガンジーでも助走付けて殴られるレベルの2歳児。


 そんな案件恐ろしすぎて、風俗店に行ったはずが18歳未満の少女への強姦罪で逮捕された東国原知事みたいに、本グレのヤクザのフロント企業以外は手出しした瞬間に逮捕される案件に介入してしまった王。


 また公安に逮捕されるか、ハニートラップに引っ掛かって刑務所に連れ込まれると、オーガやら大蟻が王の救出に出動してしまう。



「ふむふむ、もっと北にある聖国では、獣人やエルフが迫害されてて、奴隷として扱われていたり、集落まで襲われて奴隷狩りされたり追い出されていると?」


「はい……」


 王はケモミミ娘からドングリ一個で依頼を受け付けた。


 弟の方が宝物の大きいネジ釘とか持っていたり、他には干し肉とか持ってたようだが、取られる物は命ぐらいしか持っていない子供からは受け取らなかった。


 ギルドに正式に発注された依頼は大して受けないくせに、薬草採取とか銅貨一枚ドングリ一個の依頼は受ける。



 聖国城内


 またどうやって移動したのか分からないが、数十歩歩いて聖国に到着した王一行。


 この辺りは光の速さで移動したんだとか、蟹座のゴールドセイントは空間転移して廬山の老師の所に移動したんだと誤魔化して置かないと、アニメ版では聖闘士が沙織お嬢様所有のプライベートジェットに乗って移動している所をシルバーセイントに襲われたんだとか、辻褄が合わなかったり夢が無い話になることもある。


「へえ、これが聖国か、結構栄えてるじゃないか」


 でも外国なので言葉通じない。地下にいる蟻なら話通じるかもしれないが、上にいる人間は言語体系が違う。


『あらいやだ、エルフよ、キモい』


『亜人なんて気味が悪い、性奴隷を昼間に連れ回すなんて、紳士のやる事じゃない』


『化け物を綱や鎖につながないで歩かせるとか、どうかしてるぜ』


 話通じないが、大体言ってることは表情とか言い草で理解できる。無理矢理脳内のぞき込んでやると、心は読めるので分かってしまう事もある。


(ここじゃあエルフって、性奴隷でしかないんだ……)


 休暇を終えた野に咲く花にエルフ兵団一同もいるので、ご近所からの悪口とか、周囲全員が少女漫画的に白い目になって見られ、自分も白目になって紫の薔薇の人に助けを求めるシーン。


 妊娠した二人は退団して故郷に居座り、三、四人新入りが入っている。


 噂話をしているのは全員腐ったBBAかオッサンかジジイで、デッブデブのクソブサイクすぎる、性根も曲がって顔も歪んでいて、噂話ばかりして他人を蔑んでいるので、口が吊り上がったり曲がっている連中。


 異種族や異教徒を蔑んで見ている自分が「絶対正義」なので、杖持ってるジジイまで殴りかかって来る。



 ドイツでもギムナジウムに通えない下層階級を「あの人たち」と呼んでニヤニヤクスクス嘲笑っている。「本場でヴァイオリンの製造技術を、パンを本場で焼きたい」と思うと、毎月の給料は七万の最下層、生活すらままならない知的障碍者用の職業。


 官僚とかエリートも二等市民で下民を蔑むような目で見ていて、新型機エアバスA360がお披露目飛行で墜落した後のドキュメンタリーみたいに「パイロットは機体を墜落させずに済んだ訳だ」と、口吊り上げてヘラヘラ嘲笑ったプログラム責任者と同じ。


 失速しそうだからとレバーを押し下げて降下しようとすると、プログラムで「高度40メートル以下では墜落を避けるために上昇する」と操作の逆動作を行い見事に失速墜落。


 パワー全開にしても「フルスロットルにしてから40秒間はディレイされる」仕様から「パワーー、パワーー!」と叫んでいた40秒間は、一体どうやったのかフライトレコーダーからカットされ、墜落の責任はパイロットのせいにされて逮捕拘禁、プログラム責任者は何の責任も負わずに済んだ。


 ついでに操縦席に息子を入れたロシア人が墜落した時も、息子が変な事をしたわけでもなく、シートに座って操縦桿を握るとエルロンとラダー辺りの自動操縦が解除されただけ。


 そうすると機体側がコントロールを奪おうとしてエンジン全開。パイロットは操縦席から放り出されるまでアクロバット飛行され、二度と機体制御を取り戻すこともできず、地上に激突されてプログラムに殺された事例。


 その機体もエアバス製で、パイロットを嘲笑うプログラム責任者に、搭乗員以下旅客も全員殺された。


 名古屋空港で滑走失敗して「ゴーアラウンドモード」に入れず、空港で一回転して墜落したのも同じエアバス社。正解は一回通常飛行モードに入らないとゴーアラウンドモードには絶対に入れない。



「酷い所ですねえ」


 ルリナ程度のブサイク系の普通人?の町人でも酷い場所だと認識できて、上級国民様ご用達の聖国。当事者のエルフ達にはもっと酷いと認識できた。


 もし子供が石投げてきたら宇宙の彼方に投げてやるのだが、武装している冒険者なのでかかって来ないだけ。


 そこを獣人の一団が通過しようとして、全員首枷手枷装備。ロープで繋がれていて、それも犯罪奴隷とか債務奴隷ではなく、獣人だから奴隷。


『さっさと歩けっ、ケダモノ共がっ』


 何処かの少数民族の集落が奴隷商人の傭兵団に襲われ、獣人の尊厳やらプライドだとか伝統とか言った奴は全員処刑。


 何もわからない子供と、女だけは孕み袋として捕らえられ、獣人なのですぐに子供産んで成長するので労働力か、若い子供でも性奴隷。


 ケモミミショタホモ属性の寵童小姓好きのオッサン大喜びで、飛ぶように売れているらしい。


「あ……」


 王の表情から、いつもの貼り付いたような笑顔が消えた。


『テメエッ、なにもんだっ? ぱぐしゃあああっ!』


『あべしいいっ!』


 とりあえず獣人やら亜人を引率していた奴隷業者の奴らを地面の染みに変えてやり、第一宇宙速度を超えさせる時の凄まじい音を出してやって、獣人一同の手枷首枷を撤去。


 やって来た衛兵とか番屋の一同も手足切り落としてやり、ルリナやエルフの一同も加わった。


 令嬢とか農民市民の娘は参加しなかったので、まだ手を付けていない人間の農民市民の娘は「不要」扱い。



『やあ、蟻さん、今都市の上に来てるんだ。とりあえず、抵抗する人間全員地下に連れて行ってくれる?』


 王が持っている魔道具は、スマホみたいに相手先指定できるものではなく、蟻の巣との通信だけを目的にしたトランシーバー的な近距離通信具らしい。


『畏まりました』


 ここ聖国では「人間は敵」と書かれたようで、大蟻に守って貰えなかった。


 先日、王国内では魔族が全員連れ去られてたが、ここでは人間が全部地下に行く。やっぱり池の水全部抜く。


 別に城外から出てやる必要もないので、広場のど真ん中に穴開けてやって大蟻さん大出場。


 いつもの3メートル級と違い、種族が違うのか5メートル級。黒いのと違い赤黒い感じで艶もある。


『スタンピートだあああっ!』


 鐘がガランガラン鳴り始めて、火事や災害を知らせる鐘もジャンジャン鳴らされ、致命的なイベントが開始されたのが町中に通達されたが、出動した騎士団やら衛兵、冒険者の数々も絶望的すぎる戦闘の中で討ち取られ始め、順次地下に連れ去られて行った。



『突入っ!』


 エルフの鉄の軍団が奴隷業者の建物に爆破エントリーして、地下で売られている獣人を救出。


 エルフの女やケモミミ少年ショタまで売られていたので回収。どこかの骸骨騎士とチヨメちゃん以上に回収して、奴隷販売業者全員射殺するか、安全な状態なら手足切り飛ばして蟻の巣へ搬入。


 白りん手榴弾扱いの精霊投げ込んで、失明するぐらいの強烈な光で目潰しして、ヘンリエッタさん並みに連射して射殺。


 企業舎弟の中に、貴族の三男四男がいようとも、とにかく射殺。


 もう忍者頭領になったエルフまでいるので、全員音もなくいつ殺されたのか分からない状態で殺せるのだが、示威行動なのかテロリストは全員射殺がセオリー。



 貴族街の門


『許可の無い者はここから一歩も入らせんっ!』


 脳筋の兵士が何やら叫んでいるが、市民が逃げ惑って大蟻の誘拐から逃げて門前で泣き叫んでいるのに、大門は閉じられたままで大橋も上げられたまま。


 皇居に入場を許可するような「緑の人」は存在しない。


『開けておくれっ、こっちは子供がいるんだよっ!』


 子連れなのか、オバハンが泣き喚いているが撤去して前進。


『門を開け~っ!』


 汚らしいオッサンが何やら喚いているが無視。


「おい、獣人差別して奴隷にしてる、お前らの王様ってのはここにいるのか?」


『何を言っておるのかっ? 此処は誰も通さ…… ぼぐじゅあああああっ!』


 亜人獣人は「もりのなかまたち」なので、差別したり奴隷にしている奴らは悪即斬。


 もう桃太郎侍が「許さん」と言った後か、高倉健さんが「ポン刀がいるんだ」と言って長門裕之さんがどこかから日本刀調達して来て、兄弟(きょうでえ)と「どうして付いて来た?」「野暮言ってんじゃねえよ」と殴り込んだ後のような感じ。


 斬り込んで大殺陣(おおだて)の開始で「死んで貰うぜ」。


 衛兵の中には脳筋じゃなくて、進撃のハンネスさんぐらい善人で市民を守る兵士もいるのだが、エレンとミカサ抱えて逃げだしているか、ブチ切れているので見分けが付かないで悪即斬。


 物凄い善人だけは頭の中身読んで見分けるが、そんな奴滅多にいないので手足切り飛ばしては蟻の兵士が連れ去って行く。


 まず王やルリナが城門飛び越えて石化麻痺爆破。


「イヤアアアアッ!」


 亜人嫌いで噂好き、差別ダイスキなオッサンオバハンまでオマケで吹き飛ばされ、橋の上から落ちて堀の中へ。


 大蟻の連中も城門や堀越えて、楽々入城して行く地獄絵図。


 衛兵がどれだけ抵抗しようとも、5メートル級の蟻は阻止できず、此処も数の暴力で圧倒。


 見た瞬間に死ぬ6メートル級の、エクスキューショナーとかエクスタミネータと呼ばれるマンティスには抵抗こそが無駄。


 同じく5メートル級の蜘蛛の糸に巻き取られて地下に連れ去られるのも多数、ほのぼの農家のザブトンみたいな、蟻の巣の敵絶対殺すマンも出動。


 全員首とか手足掃われて、その場で刃に捕まれてニッチャニッチャ食べ始められる。



 平民街と貴族街を隔てている城門も橋もバンバン破られ、貴族街に逃げ出そうとしていた市民も後ろ向きに逃れようとして、やっぱり明石駅の大橋みたいに両側から押されて子供が圧死して行き、韓国の圧死事件みたいに立ったまま呼吸困難で死んで行く事例に。


『助けてええええっ』


『いやああああっ!』


 ついに決戦兵器である超巨大ムカデや超巨大カブトムシまで出現、搭乗者で巣の頭脳体であるリッチも出現。


「災いの時は来たれり、ヘルグラビティゾーン」


 十階梯の重力魔法まで放たれ、城壁も貧民街も倒壊して行き、市民がいる街中も巨大すぎるムカデが侵攻して行って、ゴジラガメラの世界へ。


『近衛隊っ! 突貫~~~っ!』


 騎士団とか近衛兵が血管切れそうな声出して、決死の突撃を掛けたりするが、30メートル級のムカデやカブトムシに敵うはずもなく爆裂魔法食らって散華。


 貴族街への侵入を許してしまい、ウォールシーナ突破されたので、未成年の姫とか王子は地下通路から逃がされたが、王と王妃や成人している王太子は逃げることは許されないので、燃え上る王城の中で「死んで貰うぜ」。


 ここに聖国の王と王妃と王太子が、揃って蟻の巣に連れ去られて抱卵器にされてしまう、初の事例が発生して聖国が滅びた。



 教会の中心地があるバチカン市国みたいな奴で、破門をちらつかせるとカノッサの屈辱を行えるぐらいの権力はあった。


 でも教会の中にいる権力欲の塊と、嘘で相手を陥れる鬼みたいな連中も伏魔殿の悪魔も、邪神復活の野望を持ってるような悪魔崇拝者も纏めて処分された。


 善人なんかいなかったというか「神様なんていなかったね」とガラスの向こうで血だらけのヒロインが実験されたり焼死するような場所だったので、余りの酷さに王も処理した。


 教会の地下に行くと案の定、巨大な試験管の中で魔獣と合体させられているケモミミ少年とかスラムの子供も発見して「……シテ、コロシテ……」だったので、叫び声でも上げながら全部ぶち割って、実験している側の人間やら錬金術師見たら全員残酷に処刑。


「またこれかああっ! 前に親父と一緒にぶっ壊したのにいいっ!」


 姉も弟も竜化して本気出して討伐開始、90分スペシャルぐらいでは終わらない、本気でブレス放出してやって教会の本堂が瓦礫と消し炭に。


 綺麗な顔して懺悔に来た客にも丁寧に対応してくれる神父もいたが、やっぱりホモジジイ。エルフやケモミミの少年を連れ込んでは、ジャニさんみたいに「you来ちゃいなよ(動詞)」を繰り返していたので悪即斬。



 王城


 最初にドングリ一個で依頼したケモミミ少女が呼ばれ、シータの飛行石とかナディアのブルーウォーターなんか一個も持っていなかったが、王のアイテムボックスから「獣人国正党継承者の記章」が贈呈され、どこかの馬鹿が盗んで王を名乗ったりしないよう、伝国の玉璽みたいなのを体内に埋め込んでやって正当王家の宣言をさせた。


「ん~~、いいからいいから、君がお姫様で弟君が王子様で良いから」


「そんな……」


 ケモミミ少女もイミワカンナイので、目が点になったまま口をパクパクするだけ。


 ついでに、守ってやったエルフの里から、300年ほど生きている若い者?で学者が取っ捕まって無理矢理宰相に任命。


『ここに…… 亜人獣人王国の建国を宣言する』


 言わされているエルフの宰相でもイミワカンナイ。でも王のゴリ押しで獣人王国が建国された。


 いつもは長老に食って掛かって行く、サヨクか共同通信の記者みたいに「それを失敗と言うんです」な奴でも、現実に理解が及ばないので目が点のまま。


 ここらでやっとこさ王の表情に、いつもの張り付いた笑顔が戻り、ツヤツヤのテカテカに。


 人類は「もりのなかまたち」ではないので、人を人とも思っていないサイコパス。


 身分の違いが変更され、奴隷だった獣人亜人エルフにドワーフにホビットにケモミミ一同が貴族街に移転。


 優秀で肉体能力も高くて、繁殖力も強い獣人が貴族、繁殖力は弱いが寿命は長すぎるエルフも貴族。


 貴族街の善人の従業員はそのまま採用されたようだが、亜人獣人の下に魔法が使える人間がいて二等市民。最下層が魔法も使えない人類がいて三等市民。その下に普通の生活すらできない奴隷人類がいてゴミクズ、身長170以下なのか「人権が無い」。


 いつものようにマフィアとかヤクザ的な必要悪?の連中も綺麗に街から消され、みかじめ料を請求してくるのが出始めると悪即斬。


 路地裏で阿片食って倒れているのや、酒飲んで管巻いているのも撤去されて全員地下に搬入。


「うん、大分きれいになったね」


 街中や貧民街でもめ事を起こしたり大喧嘩をおっぱじめると、衛兵は来ないが蟻は来て地下に搬入される社会が建設された。


 ルリナか他の聖女に浄化系の呪文唱えさせて、全員塩の柱にしてやった方が早かったが、あの場合七割ぐらいのクズが全員塩の柱にされて、国家を維持する人員すらなくなって、アフリカから黒人奴隷でも連れて来ないといけなくなるので、抵抗した二割から三割の人員を削減する程度で済ませてやった。


 逃げ惑う市民の中から、走り過ぎたり恐怖から心臓止まったりして死んだ連中も多かったが「誤差」なのでキニシナイ。



 王国騎士団


「北の隣国である、聖国が滅びました……」


「はあああああああっ?」


 流石の騎士団長も「お前、頭湧いてんのか?」と思ったが、実行可能な人物に心当たりがあったので、いつものように顔を覆ってしまい、クソデカため息を上げた。


「ああ~~~~~っ!」


「王が獣人の少女から、聖国では獣人亜人が差別され迫害され、奴隷として扱われていると聞いたようで、なんでもドングリ一個で依頼を受け、現在聖国跡では亜人獣人が貴族街におり、魔法が使える人間が二等市民として扱われ、それ以下は奴隷として亜人からの懲罰的に焼き印を押されております」


 新入社員?のバカがやらかしやがったので今から緊急会議。


 今までは王国にも差別が行き渡っていて、禁止条項も存在しなかったが、すぐに法的に可決されて差別禁止。


 奴隷として売られていた獣人亜人は即解放されて、販売業者にもエルフの里やら獣人の里を襲って奴隷にするのは禁止され、王国ごと滅ぼされないよう街の番屋で扱う案件ではなく、騎士団が出動して奴隷を解放する。


 ケモミミショタロリ単純所持禁止の、国家滅亡を防ぐ案件に格上げされた。


 人間の債務奴隷や犯罪奴隷は売られていたが、亜人獣人の奴隷を扱うと国ごとぶっ殺されるので禁止になった。


 後日、ケモミミ少女の物語と言うかサクセスストーリーは絵物語に描かれ、わらしべ長者的な物語になり、ドングリ一個を提出すると国を貰う話になった。



 王の屋敷


「君たち、もう家に帰ってもいいよ」


「え? おら達、帰るとこなんてねえべさ」


 聖都を落とす時に同行していたにも関わらず、人間相手なので活動せず見送っていたので、口減らしに提出されていた田舎娘には屋敷からの退去勧告が出された。


 商家の娘や街娘も人間は殺せなかったので、まだ手出しされてない娘には退去通告。


 でもルリナと、人間を恨んでいる令嬢の一人は殺しまくった。


「今回はよくやってくれたね、もう暗黒騎士もカンストした頃かな? なんだ、君なら邪神騎士になれるじゃないか」


 王の嫁なので天命を受けている事になり、同族である人間殺しまくったので悪行やカルマも最悪。カリスマもレベル上げによって足りたので、気が弱く何もできなかった令嬢は、邪神騎士へと転職させられた。


「はい、ポチっとな」


「あっ?」


 その時、屋敷の底に地獄の蓋が開いた。


 城砦の空は真っ暗になり、地獄の番犬や魔獣たちの叫び声が聞こえ、令嬢の肉体の中に巨大すぎる魔獣の魂が次々に入り込み、どっかの奈落さんぐらいにはパンパンに入って、背中からは黒く光る羽が生えて、頭上にも黒く光る光輪が出現、光彩の色が血の色に代わり、何かの紋章が金色で表示され邪眼になった。


(呪われよ、穢れよ、地獄の汚濁をその身に纏うのだ)


 どこかから「力が欲しいか?」系統の呼びかけが聞こえたが、令嬢にとってはどうでもいい事なので無視した。


「へえ、目の色も変わって、ぐっとセクシーになったよ」


 目の前で悪魔の化身で、魔王よりも上の存在が誕生したのに、小泉進次郎みたいなことを言っている王。


 この世界でも邪神騎士ユニットが一体出現するだけで、人間世界や獣人亜人の法(ロー)の陣営に勝利する。


 そのためには魔王直々に挨拶に来て、邪神騎士に膝を屈して忠誠を誓い、諸侯として仕えると明言しないと、反抗したとみなされて殺される。


 地平線まで続くような悪魔の軍団に包囲されて、邪神の敵として魔国ごと蹂躙され、略奪レイプの限りを尽くされる。



 この光景を見ても、王の姉ぐらいならどうにかなったが、ルリナ以下エルフの鉄の軍団でも、他の令嬢でも村娘でも腰を抜かしてひっくり返り、おしっこ漏らして驚嘆した。


 何しろ目の前で悪魔の化身が出現して、王みたいに「シュパアアアアッ!」とオーラを発し始めたから。


「旦那様、これより実家に帰って「挨拶」を死に帰り、全員皆殺しにして参りたいと思います。ご容赦頂けますでしょうか?」


 ちょっとラブラブな秋波と言うかヤンデレ、病んだ目で愛する殿方で、自分をここまでレベルアップさせてくれた恩人に感謝。


「うん、いいよ。俺も行っていいかな? 絵物語の中でも「不遇系」とか「ざまあ系」は好きなんだ」


「はい、御見苦しい所をお見せしますがご容赦ください」


 何かまともな口調で正しい事を言っているように聞こえるが、内容の方は狂いまくっているので、ルリナも他の令嬢も人語が分かるエルフもガクブル。


 聖女風の法衣なんか着込んでコスプレ、王に説法をするはずだった令嬢も二の句が継げない。



 これから自分を虐待し続けた正妻から生まれた兄も、正妻で第一夫人の義母も、命令通り自分を虐げ続けて蔑み続けて来た、従業員全員をぶっ殺しに行くと言った邪神騎士で悪魔の化身。


 令嬢にも優しくしてくれた厨房の料理人と、庭師のお爺さんだけは生き残るが、魔法も碌に使えない娘をゴミとして扱って来た実の父親までぶっ殺される。


 現在の娘は暗黒系の呪文を全部使える。どっかのレベル99の悪役令嬢並みに、ブラックホール系の魔法でも使える。


 同じ系統が使える魔王ですらレジストできないレベルで使える。ジョブの種類での修正値は、賢者よりもキツく効く。


 ここから、不遇系の令嬢が「ざまあ」街道を驀進する、おはなしのはじまりはじまり。

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