第15話祝勝会

 ギルドラウンジ


 王の武勇伝でも聞こうと盛り上がっている酒場。


 情報部付のギルドマスターやら騎士団配下の者、王国の暗部の者なんかも参加して、涙と涎と鼻水垂れ流して号泣。


 人類には到達できない願い「十二魔将討伐」の一人目が果たされた。


「駐屯地? いやあ、てっきり降参してくると思ってたけど、抵抗したからちょっとブレス出ちゃったんだ。射線逸らしてアイアンゴーレムとかストーンゴーレムに当たるようにしたんだけど、上半身溶けるだけかと思ったら爆発しちゃって、その下にいた魔族もテントも全部燃えちゃって、アハハ」


 酒が入っているので機嫌がいいが、笑顔とか笑い声で言っていい話ではない。


 全力放射でもなかったようで、しゃっくりでも出たかゲップが出た程度。


 爆発炎上した下では全員火だるまになって地獄絵図、炎熱耐性がある嫁二人ならともかく、魔族一般兵は恐慌状態で逃げ惑った。


「うん、リッチとかもいたけど全部撲殺して、火に強かったリビングメイルとか金属リザードも全部壊して来たよ」


 リッチは物理攻撃無効、それがこの世界での常識。


 どうやったのかは教えてくれなかったが、王からすると骨のアンデッドは全部叩いて砕く、母親や姉からはそう教わっている。


 敵の物理攻撃無効の障壁自体が、王なら勝手に相殺されて無効化される。



「他のザコはルリナちゃんと『野に咲く花』ちゃんに任せて経験値にして貰って、俺は駐屯地?の真ん中の方に行ったよ」


 直近にいた数百人は侍大将とか司教に石にされ沈黙させられ神経を焼き切られ、レジストとかディスペル出来なかったらそのまま硬化。


 大火傷して逃げだした連中も、蟻の巣から来た巨大蟻に軽量化?されてから巣に搬入、泣き叫んで許しを乞うても、魔族語は蟻に通じず生身の連中は抱卵器の刑。


 リッチとか不死の奴らもいたのに、レイスとか本体が無い奴も、石に命が与えられているガーゴイルとか、悪魔系統の物理攻撃無効も全員撲殺。


「え? 十二魔将? 今日も薬草採取に森に行ったら外で待っててね。こっちで色々壊したから死んで来るよう命じられたみたいで、決闘申し込まれたから受けて、あんまり強い人じゃなかったから剣ごと吹き飛ばして終わり。魔剣飛んじゃったから探したり薬草採取の方が手間だったよ」


 全人類種の悲願が片手間で、普通の人間から見ると絶望的な強者でも「あんまり強い人じゃない」扱い。


 話し合った時間も大して無く、剣を交えた記憶も無く瞬殺。


 情報部の者だけが素面でメモして記録を残そうとしたが、大した話ではないと素通りされた。



「それと王都から大僧正ってのが来てねえ、またルリナちゃんと「野に咲く花』ちゃん連れて行こうとしたから、つい撲殺しちゃった」


 まるで撲殺天使ドクロちゃんが、桜くんを軽く撲殺したみたいな言い方をする王だが、普通知られると大事件で、大僧正なんか始末すると大罪人。


「でも悪魔が来て魂回収に来たから奴は悪魔崇拝者。大僧正やら神殿の上級者って、悪魔に魂売り渡して出世した奴みたいだよ」


 これも大事件で、神殿にいる大僧正が悪魔崇拝者だと知れると、神殿ごと調査されて、下の者が次々に芋づる式で捕まる事件なのだが、王なので平気。


 情報部に知られて取引材料にされて、それでも検察とか騎士団とか固い所とは取引できず、踏み込まれて各種書類持ち出されて脂肪。


 カドカワやカッパ寿司みたいにトップが逮捕される。


 やはり地下で河童の子供が寿司を握らされていて、給料はキュウリ一本で働かされ、泣きながら握っているのでしょっぱいという噂が肯定された。



 他の関係者も、痛い腹を探られたり、叩けば埃が出てくる体なので、悪魔との関係を知られて失脚させられたり、今までの好き放題がバレて死ぬのだが、それはまた別のお話。


 王都の神殿で沢山の首が飛んで、神殿内が多少清潔になるが、伏魔殿の悪魔達の座所なので大して変わりはしない。


 宗教を利用して出世しようと心掛けただけで、共産党の奴らと同じで醜い出世欲には何の変化もない。


 ついでに児童虐待で信者の男児を性的虐待する、ホモジジイにホモ神父が大量に告発される。


「あ? これ悪魔が来た時に「殺さないで」とか言って、置いて行った討伐証明」


 悪魔の討伐とかヴェルメイさんの排除とかも、人類が出来る事ではないので壮挙なのだが、王にとっては大した金額ではないので、平気で見せびらかして巨大な魔石なんかも放置。


 もし持ち逃げしてしまえば、一生遊んで暮らせる物品だが平気で出した。


 情報部員も冒険者も持ち逃げしようとしたが、ギルド関係者でラウンジの経営権を持っている人物が持ち逃げしようとして「押収品」とか「証拠品」と言ったが、他の人物全員に密告されてタイホ。


 色々言い訳はあったが、持ち逃げして売り払おうとした金額が凄すぎたので処刑。


 周囲にも平然と不幸を撒き散らし始めていた王。


 その翌日にも不幸?になった少女幼女が多数配達されて来た。



 翌日


 王は飲み過ぎたが、特に二日酔いにもならず、ぐっすり昼まで寝て起きた。


 貯金が少し減ったかも知れないがキニシナイ、討伐の褒賞の方が桁違いに高い。


 嫁の二名は子供として早めに退出していて、いつも通り早朝からギルド近郊に出来た臨時礼拝所で復活作業をした。


 銀貨数枚からドングリ一個で受け付け。


 夜明けから神殿の修道女多数が来て、迎えに来るので出勤する。


 今日も二人を拘束しに来た貴族共や神殿関係者が「平民如きが」「お前達は神殿長様の言う通り動けばよいのだ」「引っ立て~~~いっ!」を繰り返したのでルリナとエルフょぅじょの経験値に。


 情報部に拘束されて監禁されて拷問されて酷い目に遭わされたが、特にこちらとは関係がない。


 今日の奴も悪魔崇拝者らしく、拘束後に悪魔との関与を聞かれると、ダイアモンドアイの怪人みたいな声を出して、前世魔神の正体見たりされて変身。


 悪魔と合体して何かやらかそうとしたが、ルリナの所に来た時点でスッパリ斬られて、次元の彼方に落とされて死んだ。


 来た時は「我こそは魔界の侯爵」などとホザいていたが、下級悪魔の自称でこの世界から階級を授かった訳ではない。


 もし悪魔貴族で侯爵だったりすると、邪神寸前なので王に匹敵する強さ。


 偽証で雑魚だったので王を起こすほどのパワーも無く、低級悪魔だったので簡単に斬られた。



 それでも、人類が低級悪魔でも討伐したりすると、凄い功績で実績なので王家から勲章とか褒章が出るのだが、呼んだりすると王が一緒に王都に来てしまうので却下。


 低級悪魔と言えど、アストロボディだか何だか、物理攻撃無効で次元の彼方に半分引っ込んでる奴なので、通常攻撃も魔法も効かない。


 特に自覚も無く刀術(スキル)使っていて、次元刀で全部仏陀義理してしまう怖~いお方になっているので何でも斬れる。



 やっと王が起きて来て、遅めの朝飯と言うか昼食を取る時に、ルリナに情報部から接触があった。


「る、ルリナ君? 悪魔族を討伐したそうだが……?」


「は? あれ悪魔なんですか?」


「そうだ……」


「妙に弱いのが「悪魔侯爵」とか言い出したり、人間の人質取ったので斬りましたが?」


 ルリナの方も、知らずに悪魔でも平然と斬っている。


 ほぼ人類最強になっているのだが、特に自覚は無い。


 経験値で確認できそうなものだが、侍大将なので相手がザコ過ぎてレベルが上がったりもしない。


 神殿関係者なので、斬ると問題なのだが悪魔崇拝者なのでオッケー。


 ビショップと聞いて、エルフのクソ娘と同じなので、問答無用で斬ってから話聞いた。


 手首切り落として人質救出をして、同時に頭輪切りにして首飛ばしてから、首だけになったのに話聞いた。



「なんか「永遠の呪いが~~」とか言ってましたけど、弱すぎたんで掛かりもしないで、そのままどっかに落ちて行きました」


 逆に下級悪魔の方が、永遠の地獄で異次元に葬られて、二度と帰って来れない場所に行かされた。


 意識だけはある、何も見えない死ねない永続系の地獄。


「ええと? 周りの人が汚染されるレベルの瘴気だったとか?」


 汚染されると、魔物や魔獣や下級悪魔にされるレベルの魔導災害。


「はあ、修道女が危なかったので、私やらエルフのクソ娘でどうにかしました」


 ターンアンデッド系の魔法とか、聖なる息吹とかで解除。もう二人共異常耐性が強すぎて、悪魔の呪いですら効かない。


 叙爵物の功績なのだが、一切自覚がない。



 悪魔族の侵略計画も神殿を通じてあった様なのだが? 無意識のうちに大僧正とか司教も排除されて、今日にも王都で大捜査が行われて壊滅させられる。


 王が特に動かないでも、戦争などを煽って邪神復活を目指す、悪魔族の野望とかもナゴナゴに砕かれた。


 ついでに吸血鬼族とか、アンデッドの先兵やら魔人を使っていた野望とかも、知らないうちに排除されていた城砦。


 次々に破滅させられて行く奴らを見て、十二魔将も悪魔族も周囲の魔人も殺されたので王都からも撤収。



 屋敷内


 昼頃になり、早朝から出発させられた一団が王都から到着した。


 ょぅじょとか少女ぐらいの一団が、ありとあらゆる野望とか願望とか蔓延防止(まんぼう)とか乗せて到着した。


 一話に出て来た貴族令嬢とか、ツンデレビキニアーマー作戦失敗した貴族令嬢も、親のコネで無理矢理参入して来て、そっちはメイド作業ができないので「側仕え」として、貴族令嬢のまま参加。


 笑顔でイイ顔して面接した奴も、裏で虐めやって排除されたのも、却下されたにもかかわらずどうやったのか再参入。


 貴族階級で親のコネ効かせて、王の嫁に参入させるために、大金使ってでも入居。


 全員「ケツ振って全裸で夜這いしてでも、王の子種貰って来いっ(意訳)」と発破かけられている。



 本当に合格した、牛乳瓶の底みたいな眼鏡かけてるのも参加して、やっぱり馬車の中で虐められた。


 馬車の中で弄られまくって、イビリまくられて首絞められ、後ろ頭踏まれて床舐めさせられたような平民も少々。


「只今より王と面会して貰う、くれぐれも無礼の無いように」


「はい」


 門が開けられ、車寄せまで侵入するはずだったが、王が出迎えて止めた。


「ああ、君と君と君、それと君と君、もう帰っていいよ。弱い者虐めする馬鹿はメイドにもいらない」


「は?」


「え?」


「そんな馬鹿な?」


 馬車の中で、平民弄りしたり馬鹿にして、床まで舐めさせたのは即解雇。


 牛乳瓶の底みたいな眼鏡かけてる弱者女性を、散々笑い倒して弄って馬鹿にしたのも解雇。


「そんな事仰らずに、同居してから決めましょう。ね? ねっ?」


 強い者には弱く出て、媚びへつらって醜い笑顔。


「二度とウチの敷居またぐな、気持ち悪い、次来たら殺すぞ」


「ヒィッ」


 本気の殺気を当ててやると、鈍い人類でも察知できたのか、殺気に気付いて心臓止まって下がった。


 イジメしながら小突いて首絞めて、呼吸困難になる所を見て大爆笑したり、呼吸止めて落とした貴族令嬢は解雇。


 王には心を読めるのを知らなかったのが、まず退散させられた。



 結局十人ほどの貴族令嬢が残り、最初に出て来た偉そうな令嬢は馬脚を現さず、虐めを止める立場だったので合格。


「貴方、今どこに置いて行かれたか知ってる?」


 偉そうで実際に野心や野望で満ち溢れている令嬢は、ダサイ服を着せられている芋っぽい牛乳瓶の底ちゃん?で眼鏡地味子で鈍臭子に声掛けして、野心がないなら命があるうちに消えるよう言い渡そうとした。


「王、殲滅竜の妻になるよう、言い渡されて来ました……」


 現状は知っているようだが「生贄」に成るよう言い渡され、ここに捨てられた令嬢。


 大切な兄弟姉妹などは守られ、お邪魔で能無しの子は放逐された。


 何をするにもオドオドビクビク、姉や兄や親にも折檻され続けたので、周囲の全てが恐怖の対象。


「恐ろしいならやめておきなさい、誰もがあなたを蹴落とそうとして、汚い手段で陥れようとして来るわ、命がある間に帰りなさい」


「もう帰る所はありません、死ぬよりもっと恐ろしい目に会わされます」


「ああ、そういう事」


 事情を察した令嬢だが、目の前の相手は「戦う前に自分を放棄している」相手なのでアウトオブ眼中チームに入れた。



 そこに巡回してきた王に目を付けられたのか、牛乳瓶の底みたいな眼鏡でも見られたのか、近寄って来て視力を治そうとしてきた。


「やあ、眼窩後壁まで折られて曲げられて、誰かに殴られたのかな? ついでに視力も治してあげるよ」


 兄にぶん殴られて蹴られ、顔面骨折までさせられ顔がくぼみ、何時も下を向いて生きて来たので、頭を下げた状態で顔面が形成され、顔の下半分がひん曲がっているのも骨格から矯正された。


「そうそう、頭は下げないで背筋伸ばしてその調子で、他も治しておいたよ」


「は? はい……」


「俺が好きな絵物語でもね、「レベルを上げればどうにかなる」ってセリフがあってね、経験値上げてレベル上げたらどうにかなる。これから側仕えじゃなくて、パーティーメンバーとしてレベル上げに連れて行ってあげるよ」


 王に手鏡など渡されたので覗き込むと、視力も直っていて、顔が凹んで曲がっているのまで治っていた。


「これが、私……」


 少女漫画特有の「眼鏡を外せば美人」に加工されたり治されたりした女を見て、さらに一人だけパーティー加入を認められ、レベル上げに連れて行って貰える。


 周囲の貴族令嬢全員がこうした。


「「「「「「「「「ギリィッ!」」」」」」」」」


 自分達には一瞥も与えず、ほぼ無視して通過したにもかかわらず、この女にだけ温情を与えて、視力や怪我まで治して行った。


 結構な虐待を受け続け、肋骨とか骨折したまま癒着した所も治して行ったが、そこまでは知られていない。


 それに対しての全員で「ギリイッ!」。


 いつもなら周囲全員に白い目で見られて、指を「グワシ」しながら自分も白い眼剥いてマヤって「紫の薔薇の人」とかに心の中で報告する所だが、最近の少女漫画は白い目が流行らないのか「ギリィッ!」。



「貴方、今、全員を敵に回しましたわよ」


「えっ? どうしてですか?」


 芋臭い、全員から蔑まれていて、面接中や馬車の道中でもいびられ虐められて到着したのに、一瞬で逆転して美人になり、王から直接治療を受けて肩を叩かれるなど、あってはならない行為が積み重ねられたので、周囲全員から嫉妬の炎が燃え上がった。


「王の目に叶って治療まで受けられて、顔が歪んで度がキツイ眼鏡まで掛けていたのが、誰もが目にした途端求婚されるぐらいになったんですもの、貴方、今晩中に殺されるわ。心しておきなさい、まあ、今夜は皆で王の寝所へ夜這いを掛けるでしょうが、使用人には狙われるわね」


「そ、そんな……」


 相変わらず鈍臭子だが、顔だけ少女漫画の美形側キャラに書き換わったので死刑。


 各貴族令嬢に部屋が宛がわれると、「あの者を今すぐに亡き者にっ!」と言いつけられた使用人が苦労する。



「ああ、君と君、今晩中にあの子を亡き者にしようとしたね? もう出て行け」


 元の性根は腐っていたのが、王に心を読まれて追い出された。


「そ、そのような事、考えてもおりませんわ」


「わたくしも、何のことやら?」


「家の者に命じて毒でも飲まそうとしたり、ドアノブ握っただけで指が腐り落ちるような毒でも塗らせようとした。それでも足りないか?」


 殺されてから犠牲者を出した後で「犯人はお前だっ!」をやる趣味は無かったようで、事件発生前に犯人?が除去された。


 現実に首を掴まれて竜の力で締め上げられ、見る見る顔の色が紫色に変色して行く。


「ぐへえっ!」


「ガアアッ!」


 約二名が失神させられ地面にへばりつかされ、その後放置されたので家の者が駆け寄って救助開始。


 気道は戻ったが人工呼吸や心臓マッサージの知識もないので、揺さぶって大声で呼ぶだけ。


 脳に致命的なダメージは残らなかったが、障害は残って嫁の貰い手も無くなり、婚約解除や国外追放の断罪シーンまであって人生が終了した。


 以後は地下牢とか屋根裏部屋で監禁され、外に出られない不遇系の生活が始まる。



「なるほど、他の家に圧力をかけて「辞退」させた奴が普通で、ここに来た奴らは全員、殺すか圧力掛けて来た奴なのか? 命があるうちに帰れ」


「ヒイッ!」


 鈍臭子を殺そうと思っていた数人が殺されないうちに帰ったが、帰る場所など無い子と、偉そうだがフレンドリーな令嬢、ツンデレビキニアーマー作戦失敗した令嬢が残った。


「君はここで自由にしていいからね、もう虐められないようにしてあげるよ」


 まだルリナという最大の敵とか、エルフょぅじょみたいに言葉通じないのがいる。


 見るからにオドオドビクビクしているので、男からは保護されても、女からは「ギリィッ!」案件。


 のび太くんみたいなのや、チー牛シュポシュポ鉄ヲタやカードゲーマーみたいな臭いのが、男に蛇蝎の如く嫌われてボッコボコにされるのと同じく、同性の女からはとても嫌われる奴。


 その後、付いて来た家の者も大半帰され、どうしても付き人として仕えると言った者も、毒など持っていないか情報部で身体検査されてから入場を許された。



 平民で貧しいのは、昨日のうちにルリナみたいに風呂に入らされたり、一か月も洗っていないような髪を洗わされて入場。


 古着では問題があったので、メイド服とか童貞を殺す衣装を着せられたり、裸エプロン等は個人の資格で随意に。


 全裸で夜這いや夜伽するのは推奨されている。


「あ、あの? 私達はこちらにいても宜しいでしょうか?」


 大量に帰され、貴族令嬢でも二人ほど絞め殺されかけたので、平民は震えあがって立ち去ることも許されず、その場で震えていた。


「ああ、ゴメンゴメン、頭がおかしいのが君たちを虐めたり、床舐めさせたみたいだから即帰らせたよ。あいつらにも呪いでも掛けて、幸運値をマイナスにしておくから、せいぜい「ざまあ」でもしておくと良い」


「は? はあ……」


 平民で奴隷だったり、使用人だったり、小作人程度の中から選ばれた美人。


 性格も人格も壊れておらず、兄弟はスラムで殺し合いしているが、清潔な人物だったので恨まれもせずに、慎重だったので誘拐もされず犯されずに、給金に釣られてルリナと同じく自分から来た連中。


 ょぅじょと呼ぶには年食ってるのとか、怖いぐらいにガリガリに痩せているのもいて、どれも栄養が行き渡っていないので背が低すぎて、胸なんか一切膨らまないペッタンコ。


 王の好みはもう少しパッツンパッツンで、ケツもデカい方が好きなのだが、今後栄養を行き渡らせて大きくする。


 少々デブい事になるのも出るが、精々篠崎愛サイズ。


 デッブデブになるには白色細胞が足りず、ルリナ年齢になるまで脂肪が一切溜まらない生活をしているともう太れない。


「これからひもじい思いはさせないよ、好きなだけ食べると良い。でもシチューからかな?」


「エ?」


 ルリナやエルフょぅじょが固形物を食べて胃痙攣を起こしたり、ほんの少し贅沢な物を食べたからと言って、涙で前が見えないほど泣いたので、多少学習した王。


 それでも「ご飯が食べさせて貰える」だけで、すすり泣く者までいた。

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