第10話 蟻の巣

 まず一人二人と復活して行くと、冒険者ギルドのラウンジを間借りしていたはずが、テーブルが献花台のようにされて、貢物が積まれて行って果物とか野菜とか山積みになって行った。


「ああっ、聖女様。いえ、大聖女様っ」


「ありがたや、ありがたや、霊験あらたかなる大聖女様」


 ルリナの場合は大聖女をカンスト済みなので、この呼び方も間違ってはいない。でも現在は侍大将。


 信心深い老婆が土下座や五体投地して祈りはじめ、周囲では聖歌が歌われ始めて、いつもの汗臭いギルドとは雰囲気が変わってしまった。


 どちらかというと抹香臭い。線香とか蝋燭とか点火されまくり。



 信仰心が深い冒険者や情報部の者も、跪いて祈り始めてしまい陥落。


「ほ、本物の聖女様だ」


「ルリナ君が大聖女だなんて……」


 職業の経歴を聞いている者ですら、受け止められずに泣いていた。


 冒険者の中にはありがたい聖女を見て泣いている者までいて、奇跡の瞬間に手を合わせて合掌し、一緒に聖歌を合唱し始める者までいた。


「だ、大聖女って本当にいたんだ……」


 普通にいるはずなのだが、大聖女レベル1でも神殿の奥に連れ込まれ、下界とは隔絶された生活をさせられるので、決して表には出て来ない。


 名称も「猊下」とか呼ばれて、顔隠してるベテラン聖女とか修道女に取り囲まれて、「現人神」として扱われる。


 相撲取りなら、人の身でありながら身体に綱を巻いて、神への奉納の土俵入りができるレベル。


 こんな市井に出現したりしないし、たった一日でレベル100超えまでカンストしたりしない。


 普通の人類なら人生を掛けてレベルを上げて、それでも精々レベル80から90が限度。



 五人十人と復活すると、目をギラギラさせていたはずの冒険者まで、余りの光景に泣いてしまい、膝から崩れ落ちて行った。


「あんなに小さな子が? きっと神の遣いだ……」


 殲滅竜と一緒に行動するとこうなるのだが、一般人には理解が及ばない。


「美しき眼(まなこ)広がり~、天の使いが舞い降りる~、見よ、その姿を~」


 最期まで街に残っていた牧師や修道女まで参加して来て、聖歌隊が集められて歌い始めた。


 もちろん早馬が雇われ「大聖女出現」の知らせが、城砦や王都の神殿にまで伝えられた。



「ありがとうございますっ、ありがとうございますっ」


 子供を復活させて貰った親が、縋り付いて来て感謝してくるが帰らない。


「は~い、復活が済んだ人はお帰りはあちら、銀貨払えない人はそのままでいいよ~」


 銀貨数枚でも貧民には払えず、ドングリ数個とか、銅貨や鉄貨で払って行ったが帰らなかった。


 ギルドの中が立錐の余地も無くなってきて、空気が澱んだり床が抜けそうになったが帰らなかった。


「神様って、本当にいたんだ……」


 鉄面皮、ターミネーター、表情筋が死んでる、などと言われ続けた情報部付の受付嬢も陥落。泣いてしまい仕事にならなくなった。



「ええいっ、下がれ下民共めっ、上級貴族たる我が家が優先されるっ!」


 いつものがいたが無視。それでも優しく声を掛ける牧師もいたが、王に却下された。


「魂も連れてきていない人は無理です、家に帰って魂を帯同している人を連れてきてください」


「たわけがっ、そのような物見分けが付くかっ? お前達が貴族家まで来いっ!」


 王家の暗部の者が、王を怒らせないよう、吹き矢で貴族家の者を射殺?した。


「うっ」


 以後は声も上げられない、ビクビク痙攣して動けない、目を開けたまま口をパクパクする以外、何もできない状態で放置された。



 冒険者たちが自主的に退場を則したり、神父か牧師も退場に力を入れ、少し収まって来た会場。


 でもギルドの前は大行列。



 そこに城砦の神殿か教会から来た連中がドカドカと乗り込んできて、デカイ声で恫喝し始めた。


「ここに死の穢れを振り撒く者がおると聞いて参ったっ! すぐさま中止しろっ!」


 伝言ゲームで間違って伝わったのか、神殿の運営に邪魔になる、金が請求できなくなる、程度の行動。


 それとも脳の障害で自分が考えた内容に書き換えたのか、大聖女など存在しない、いるとすれば神殿の奥、それ以外は偽物、と考える者と従者が殺到した。


「いえ、神殿長様、ここにいるのは本物の大聖女様でございます、多くの者を復活させ、未だ意気軒昂でいらっしゃいます」


 牧師が出て、怒り狂っている神殿長?を止めたが、怒りは収まらなかった。


「偽りの聖女が下らぬ芝居をして、生き返ってもおらぬ子を捏造しておると聞き及んでおるっ、直ちに中止せよっ!」


 ルリナは聞こえなかったのか聞いていないのか、荘厳で美しい光景の中にいたので気付かなかった。


 穢れた心を持つ、金と地位だけが欲しい神殿関係者は、即座に嘘だと見抜いて?弾圧しに来た。



「死者蘇生」


 ギルドの中で天使が舞い踊り、死者に新しい体がプリントアウトされて行った。


「ああっ? ああああああああああああああああっ!」


 神殿長?の前で、魂だけだった子供に「新しい体よ~」が与えられた。


 そんな光景を見たことも無い神殿長は、後ろ向きに倒れて腰を抜かし、馬鹿みたいな大きな声を上げて、口をパクパクさせていた。


「フッ」


「うっ」


 偉そうだった神殿長?は、王家の暗部の者が吹き矢で射殺?した。


 沢山いた従者も、冒険者や情報部や王国の暗部の者が強制撤去した。



 次には懐柔策なのか? 神殿の方から来た者が勧誘に来た。


「大聖女様に置かれましては、神殿の奥の院においで頂き、心安らかにお過ごし遊ばれて、下界の穢れた場所からは隔絶し、清潔な場所で生活して頂くこととなります(確定型)」


「お前達だけで独占しようって言うのかっ? 神殿に連れていかれたら寄付金とやらが金貨50枚になっちまうっ!」


「金の事しか考えてない亡者がっ、けえれっ!」


「うちの子も生き返らせとくれっ!」


「フッ」


「うっ」


 責任者らしき女にも、王国の暗部の者が吹き矢を吹き昏倒させた。


 神殿関係者も、冒険者や情報部や王国の暗部の者が強制撤去した。



 その間にもルリナは死者を復活させ続け、結局五十人ほど復活させた。


「残念ですが、復活の呪文はこれまでです。十階梯呪文を唱えられる回数を超えました、本日はこれまで」


 神殿にいる大聖女でも一日一人か二人が限度、それ以上使うと白魔法切れで倒れるのが普通。


 五十人生き返らせるのは異常。


「そんなっ?」


「いや、これまでして頂いて、これ以上望むのは酷というもの。宿でも取って明日を待とう」


 自然解散を待ったが、貢物を届けに来る人の列が収まらず、献花台には載らなくなって、次のが用意されたが載り切らなかった。


 ローソクとかも大量に乗っていたが、火が燃え移りそうになって撤去されたり、ギルドの高い所に移動させられて火事を防いだ。


「ありがとうございましたっ、息子が帰ってきましたっ、本当にあり……」


「いえ、そういうのはいいんで、退出をお願いします」


 また「ギルド内がパンパンだぜ」になったので追い出しを行うが出て行かない。



 死者蘇生は尽きたが、パーフェクトヒールは尽きていなかったので、片目や片足を失った者にも治療。


 ご本人もそんなことができると思っていなかったが、治療呪文が使えるようになっていたエルフょぅじょも交えて治療した。


 もう、目がギラギラしていた冒険者たちも、治療の列に並んでからは油が抜けたようになっていて、ルリナと連絡を保っていた情報部員も陥落。


 11歳ぐらいの何もできない女の子だと思っていたのが、いつの間にか大聖女をカンストしていて、死者まで復活させられる大者に。


 お次は侍大将と聞いていたが、何かの間違いだとか、少女の嘘だとばかり思っていた。


 まあ、王の前の出来事なので、おかしな事ばかりが起こる。



 屋敷


 買い取っていた貴族家も機能しだして、料理人に昼食の用意を頼んでおけば用意され、夕食も必要ならば用意されるようになっていた。


 外に出られないので昼でも食べに戻って来たのだが、ゾンビみたいなのがゾロゾロ着いて来てしまい、今でも門前で祈りを捧げていたり、何やら喚いていたり門番と揉めていた。


 全員瞳孔が開き切った様なヤバい目付きで、狂信者の目をしている。


 復活作業二日目の大聖女様も、目付きが大分おかしくなられ始めて、自分が大聖女で死者も復活させられる存在で、人々から尊ばれる存在なんだと自覚し始めていた。


「ああ、刻(とき)が見える……」


 どっかのララァさんみたいなセリフをホザき始め、目も焦点があってなくて、瞳孔開いちゃってる系の目に。


 この世ではなくあの世の方面に焦点が合っているので、やっぱりアッチ系の人みたいな目付きに。


『王よ、ルリナが壊れました』


『うん、最初だからね、仕方ないよ』


 エルフ語で話し合っている二人。人間の城砦で冒険者になる前から、魔物魔獣の里では毎度の事なのか、達観して見ている。


 ソッチの人物?は魔獣の里で大事にされていたり、冒険者として人里へなど出せないので、大聖獣として扱われているらしい。


 エルフょぅじょの方も、第八階梯ぐらいのパーフェクトヒールなんか使ったもんだから、ほぼ聖女様で信仰の対象になってしまっていた。


 それも神殿なら寄付金が金貨十枚ぐらい必要な治療でも、銀貨一枚が無ければ王がドングリでも請け負ったので、目が見えなかった汚いジジイババアが泣き叫んで喜んだり「帰って来た~、黄泉の国から猪(しし)の戦士が帰って来た~~」などと、急遽モリシゲのモノマネなんかする羽目になった。



「昼食のご用意ができました」


「うん、お昼にしようか」


 まだルリナの目付きがおかしかったが昼食。


 元から聖女になりたがったぐらいなので、すっかり大聖女ごっこ?に嵌ってしまい、王の配下でなければ今頃神殿に連れ込まれて、奥の院から一生外に出られなくされる所だった。


 奥の院には既にレベル10ぐらいのババア大聖女がいるので、新しい大聖女の方が性能が良いとなれば「ギリィッ!」案件で、刺客が送り込まれたりして大騒動になる所だったりもする。


 人間には特に容赦がない王なので、暗殺者なんか送ると大聖女でも両手足切り飛ばされたり撲殺されたりする。


 嫁一人救出するのに、90分スペシャルでは済まない大騒動になり、神殿ごと撃破されてブレスで大爆破されたり崩壊したりもする。


 逆に言うと王家の暗部の者が神殿の崩壊を防いだ。



 またエルフょぅじょとルリナの前に、豪勢な食事が運ばれて来た。


 今回は請求書とか支払いは無いが、仕入れや調理の手間を考えれば、いつも通り金貨が動く程度の贅沢。


『ああ、一日に何度もこのような贅沢な食事、やはり私は天に召されるのでは?』


 今回も大げさなのがいたが、コース料理やら大皿から配膳されたり、肉とか欲しいだけ取れる料理など見たことが無い二人。


 さらに平面世界側でも麦角アルカロイドなど流通させるつもりもないので、固っったいライ麦の黒パンでは無く白パンにジャム。


 ハイジでもペーターのお婆さんでも喜ぶ白パン。


 さらに落としても投げても割れない、ヤマザキ春のパン祭りで貰えるような、異様に頑丈な皿やコップも出回っている。



「お、お母さんにも食べさせてあげたい(弟は除く)」


「ああ、呼んであげたらいいと思うよ、結婚式の時に挨拶したぐらいだし、部屋の空きもあるし」


「エ?」


 ルリナは結婚式の時の恐怖から「お兄ちゃんのお嫁さんになったんだね」という自覚が余りない。


 4メートル級のゴキに挨拶されて失神したり、7メートル級のオーガ多数に笑顔?で挨拶されて失禁したり、色々と忙しかったので記憶が飛んでいる。


 王的に初心者冒険者は安宿、と決まっていたのでわざわざ滞在したが、ょぅじょへのセキニンを取ることになったので屋敷を買い取り、逃げ出した貴族に代わって居抜きで入居した。


 従業員も逃げだしたのだが、胆力がある者が再雇用されたり、情報部の人間が「多数」雇用された。



『野に咲く花ちゃんも、お父さんやお母さん、お爺さんお婆さんを呼べるなら呼んでいいよ』


『エ?』


 こちらも人間の城砦にエルフの両親を呼ぶ、と言う構想が無いので驚いた。


 自分は決死の覚悟で人間の里へ救助を求めに行ったのだが、途中でホモゴブリンに捕まり、王に救助されて「銅貨一枚の依頼」で一瞬で解決した。


 親を呼んでもいいと言われたが、本当に呼べるのか? 親も潜入捜査というか潜入工作に呼んでもいいのか? ちょっと邪魔な感じがしないでもなかったが、長老に相談してみる。


(長老様、聞こえますでしょうか? 王より両親や祖父母への滞在が許可されました。個体名ルリナも許可されていますので、通常の親兄弟への滞在許可です)


 両親は一度結婚式のときに面接して、顔が割れているので別人との交代は不可。


 さらに王は人族の心が読めるようなので、別人の祖母や祖父との交代も不可。


 向こうでは入れ替えて送り込んでくる気満々だったが、その辺りの事情を知らせると断念した。


 結局、短期の滞在を目的に、住まいの参観日が行われることになった。



「お兄ちゃん、昼からどうしよう?」


 ルリナ的には昼からも大聖女ごっこ?を継続したかったが、白魔法切れでできない。


「まあ、昼寝して戻らなかったら。レベル上げにでも行こうか」


『私も司教職をカンストしてみたいです』


 昼からの装備は侍大将のフル装備だったので、屋敷から出て行く時も大聖女として見付からないで済んだ。


 同じメンバーで同じような背丈だったが、大聖女が鎧兜に身を包んで、大小二本差しで歩いているとは思われなかった、かも知れない。


 ギルドの方でも大聖女の信者が出待ちしていたので、受付や掲示板には寄らず、また王の直感で移動した。



 魔の森


 どこかの馬鹿が蟻の巣の尖塔を魔法でも使って爆破したらしく、大型の兵隊蟻に飼われていた大型スパイダーに大型マンティスが出動。


 その冒険者?は、数の暴力と巨大さで一瞬に死滅させられたのだが、怒りが収まらないので人間の里に向かって侵攻中。


 蟻らしく穴攻(けつこう)。人間の里まで穴掘って、近隣の巣にもフェロモン出して誘因。


 他の巣の一部である穴を使わせて貰って、一直線に王がいる城砦に向かっていた。


『人間の集団が巣を壊した。被害甚大。人間を殺せ。人間を殺せ。人間を殺せ』


『人間を殺せ。人間を殺せ』


『人間を殺せ』


 もし、都市直下に巣を作っている大型蟻に、伝言やフェロモンが伝われば、地上世界が全滅させられるまで殺し尽くされる。


 まず先手として、羽蟻や飛ぶ虫が見付けた、人間の逃走経路の先にあった、人間の居住地が狙われる。


 また城塞都市メルカバ。



「今日はここかな? 誰かが蟻の巣を爆破した。でも人間の冒険者だけじゃない、蟻の巣を壊せば殺されるのは冒険者でも知ってる? じゃあ犯人は誰だ?」


 風都探偵になったのか、じっちゃんの名に掛けてなのか、真実はいつも一つなのか、今回は探偵風になって捜査開始。


 過去視も使い、一体どこの馬鹿が巣を破壊したのか調べ始める。


「冒険者は四人、でも操られていた。じゃあ誰に?」


「エ?」


 侍大将であろうが大聖女であろうが過去視なんかできない。


 既にルリナの理解の範疇を超えて、事件?は進展したりハッテンしたりして行く。



『王様ではありませんか? こちらは爆破現場、危ないですのでキープアウトとなっております』


 巨大蟻の指揮者らしき者が、恐れ多くも近寄って来て、王に言上した。


 日本で探偵物が成立しない理由、まず殺人やテロの現場には立ち入れない。


 金田一さんみたいに呼ばれることすらない。


 規制線が張られていて、警察関係者以外立ち入り禁止。


『いや、ちょっと調査中でね、犯人は人間の冒険者らしいけど操られていた。どうやら魔族らしいね?』


『エ?』


 巨大蟻でも過去視なんかできないので、誰が何を意図してやったのかは理解できない。


 冒険者が魔法使ってぶっ飛ばしたなら、多数で湧いて出てぶっ殺すまで。


 ついでにその仲間を血祭りにあげて、教訓として思い知らせておく。


 城塞都市の人間の大半を地下に連れ去り、エイリアンの卵を産む場所みたいに、手足を切った人間を並べて抱卵器にしてやる。


 出来るだけ若くて体力がある奴から連れ去られるので、年寄りや子供だけの世界が出来上がるか、ガタイがある子供まで連れ去られるので、以後都市は崩壊する。


 人間側でも犯人探しが行われるが、大半が妄想とか幻覚。


 神からの啓示でもあれば別だが、大抵そいつらも妄想の類。



『まあ大体の構図はこうだ。魔族が人間を操って蟻の巣を爆破させる、当然報復に向かうからその都市は破滅させられる。でも蟻には地上世界なんか必要無いから、魔族が侵攻して人間の都市を手に入れる。こんな所かな?』


『何と? 我々の行動まで魔族の侵攻に関わっていると?』


『大体の絵図はそうだろうねえ』


 迷探偵?がいたので、城砦最大の危機は停止させられた。


 また王都の騎士団長とか、情報部のギルドマスターや受付嬢が青い顔せずに済んだ。


「大型の蟻の巣のスタンピートだあああああああっ!」


 とか叫ばないで済んだ。



 普通の冒険者の小僧が何を言っても無駄で、長官射殺事件でも別の犯人が逮捕済みなら、真犯人が名乗り出て「オウム真理教への捜査を広げさせるためにやった」と言っても、裁判が結審していて懲役刑も決まっているので、警察のメンツもあるので真犯人は永遠に逮捕されない。


 でも巣を水害から救ったこともある、王の言葉なので受け入れられた。


『では、我らの巣を破壊した魔族とは一体?』


『ウン、こっちの方にいるよ』


 魔国駐屯地、魔の森支部の方向が指定された。


『テメエラッ! ヤったのは魔族どもだっ! 皆殺しだあああああああっ!』


『先行した奴ら呼び戻すまでもねえっ! 俺らでカチ込むぞっ!』


『おおっ!』


『うおおおおおっ!』


 血の気が多い蟻の巣の精鋭が出動する前に、王の冒険者パーティーが先行して出動。



 魔国駐屯地


『は~い、魔族の皆さ~ん? 蟻の巣を爆破しましたね? 降伏しますか? それとも……』


『何もんだっ? 人間? 殺せっ!』


 不感症というか、王のオーラが見えなかった連中は、銀色の鈍器の剣で撲殺された。


『ぼぐじゅああああああっ!』


 盗賊団と同じくゴミみたいな連中なので、殲滅竜の経験値にはならなかったが、ルリナとエルフょぅじょの経験値にはなった。


 桃太郎侍が「許さん」と言った後か、高倉健さんが殴り込んだ敵の組みたいに「死んで貰うぜっ」で全員斬られ、と言うか撲殺されたか刀で切られたか魔法で焼かれて処された。


 魔国軍の幹部は王のオーラに気付いて「殺さないで、殺さないで」を連呼したが、今回の不始末を冒険者ギルドで洗いざらい吐かされる事になって連行。


 ルリナはレベル20になった、エルフょぅじょは司教をカンストした。

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