第7話
「また来てくれよ」
「…はい。ずっと、待っててくださいね」
「……?あぁ。ここでずっと待ってるよ」
ユウキは、何かを覚悟したような椿の顔と意味深な言葉に違和感を持ちながら、店の外まで椿を見送った。
「…私、あなたと出会えて幸せです」
「なんだ急に…俺の方こそ」
「ふふふ。では」
上品な笑みを浮かべて髪の毛をなびかす椿は、ユウキの目には何よりも綺麗に眩しく映った。
けれど、椿の事なら身長体重、スリーサイズから好きな食べ物や嫌いな食べ物まで知っているユウキでさえ、椿の思惑は見抜くことは出来なかった。
椿は、それからしばらく…具体的には半年ほどユウキの元へも遊郭にすら行かなかった。
すべては金を集めるため。
椿は、ユウキを身請けするために金を稼ぎに出ていたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます