第3話
相変わらず膝の上に抱っこされて朝食を食べたんだけど、体は3歳児でも前世と合わせれば30近くになる訳で…
「母様、さすがに恥ずかしいです」
遠回しに1人で食べれるアピールしてみましたが
「あらあら〜子供はいくつになっても親の前では子供のままよ?」
うん、その言い分はわかるけども!60歳の親の膝で40歳のオッサンが抱っこされてご飯食べてたら…と考えるとさすがに気持ち悪い。
まぁ3歳の今だけは我慢してササッと朝食を食べ終え中庭にある東屋へと移動してきた。
もちろん抱っこされて…
この東屋の周りは大小色とりどりの花々が咲き乱れとても手入れされてるのが伺える。また東屋にも薔薇の蔦が絡みつき幾つも咲いた薄いピンクの花からはよい香りが風に運ばれてくる。
そんな中、母様はメイドが淹れてくれた紅茶を優雅に口に運びひと口喉を潤す。その所作に見惚れていると、
「リト、ごめんなさい」
突然に母様から謝罪をされた。
「えっと、何について謝ってるの?」
前世ではひどい虐待を受けた訳でもない。母様も病気や事故で早くに亡くなったのならば父親と2人で生活してきたことも責める事ではないとわかっている。
あらら?亡くなった母様と会えたって事は実は転生じゃなくて、ここは天国?
など考えてみたが訳わからない。
「リトは大人になって原因不明の病気にかかって亡くなったわよね?それはね、ママが原因なのよ」
「?」
母様が原因と言われて首を傾げる。
いやいや、病気になった時には母様はこの世に居なかったし?え?遺伝的な何かとかそんな感じ?
「うーん、簡単に説明するとママとパパが運命的な出逢いをしてやる事やってリトが産まれたのよね」
はい、運命的な出逢いの話はともかくやる事やってって親の口から聞くと引きます…引くのと同時に気まずさと恥ずかしさが混ざり合って変な感じです…
そんな心情を知らずに母様はまた一口紅茶を飲み話を続ける
「ママの血を多く引き継いだのねぇ〜リトったらとっても可愛くって」
遠くを見つめ思い出したかのように「ウフフ」って笑ってトリップしちゃったょ。
「母様、話を先に進めて下さい…」
「あらやだ、今のリトもめちゃくちゃ可愛いわよ」
僕の母様は天然なのか、ポンコツなのか…
「今失礼な事考えたわね?まぁいいわ、話の続きだったわね。リトが産まれてしばらくしてママの実家で問題が起こってちょっと地球を離れなくちゃならなくなったのよね、あの時はすぐに戻れると思ったのだけど思いの外時間がかかっちゃってねぇー、気になって写し身の鏡でリトを覗いたんだけどリトの神気が膨れ上がってて身体がついてこない状態になってたわけなのよ」
「ゴン!」
テーブルにおでこをぶつける。この人は何を言っているのだろうか?地球を離れる?ロケットにでも乗ってスペース的などこかに行ったのだろうか?神気?意味不明。えっと僕の理解力が足らない?
「うふふふ、簡潔明瞭に言うとママは地球とは違うこの世界の女神アウリーゼ。休暇中に旅行に出かけた先の地球で運命的な出逢いをしたリトのパパはナンタラカンタラノ命って長い名前だったわね。いつも
きっとナンタラカンタラノ命って何かの日本の神様だよなぁー
「母様つまり?」
「リトは私、女神アウリーゼと日本の神ミコトさんの2人の子供で、私の神気を多く引き継いだので地球仕様の身体では耐えられず魂が器から離れたのよね。でももう大丈夫よ!魂を地球から引き寄せ宿してこっちの世界用に身体をつくり変えたから!」
ふんす!と息巻く母様。
メイドのエミリーが母様の空いたカップに紅茶のお代わりを注ぎスッと一歩引いたところで僕に言う。
「坊っちゃまは久方ぶりに神界に御生まれに
なられたお世継ぎ様になります」
そんな事より分かった事がある。
どんなに世界が広くても
転生してもなお
同じ母親から2度も産まれたのは
僕だけだね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます