離婚の結末
katsumi1979
第1話
「もう、別れよう離婚したい」
付き合って3年結婚して1年目の夫婦に
俺は嫁にそういった。世の中がなかなか外出がしにくくなった今日。仕事は互いにテレワーク。俺と妻も毎日顔を合わすことになった。
だが、それも俺は飽きた。毎日同じ顔、同じ飯、同じ寝床。何一つ刺激がなくなった。
「離婚するなら良いよ。でもその変わり1ヶ月間だけ私の我儘聞いてほしい」
嫁の提案に俺は受けることにした。
そして買い物から俺が帰ると妻がこういう言う。
「ハグして」
そういうと俺は妻をハグした。そっと優しくする。
外出するときは妻の方からこう言われた。
「手を繫いで」
俺は手を繋いで歩いた。妻の顔は嬉しそうだった。
そして夜の歩道橋の真ん中辺りで妻からまた提案される。
「キスして」
我儘は約束だから俺は優しく妻に口づけをする。
この行為を3週間ほぼ毎日続いた。俺は妻について考えた。
そして一ヶ月が経過してようとした頃だった。
「今日が最後の日だね。今まで私の我儘に付き合ってくれてありがとう。ちゃんとご飯食べるんだよ。忙しいからって食事おろそかにしちゃ駄目だよ」
俺は、なんてことを妻に言ったんだろう。つまらないからなんて酷い理由で別れようとした。
でも妻は俺のことをずっとこの一ヶ月間考えてくれた。
俺のために時間を作ってくれて、酷い事を本当に言った。
妻は俺を強く抱きしめこう告げた。
「今までありがとう。私の我儘全部聞いてくれてありがとう。自分を大切にこれから生きてね。でもこれは約束だったね。さようなら」
妻は涙を流して俺にそう言った。
「ごめん!俺嘘ついた。やり直してほしい。もう一度やり直して一生そばにいてほしい。もう離さない。どこにも行かないでくれ」
「良いよ。今の言葉聞いたよ一生そばにいてね」
俺は妻と抱きしめている時に出会ったときの感覚に戻った。もう俺は自分の勝手な感情で妻にあんなことは言わない。本当に申し訳ないことした。
今回の件について、妻はあれから何も口にすることは無かった。
ただ大切にしようと思った俺。
数年後、俺は父親になることができた。俺はもう迷わず生まれてくる子供のために
今日も妻を子供を大切にして生きています。
「あなたといて私は幸せです」
その言葉に俺は涙する。
ー完ー
離婚の結末 katsumi1979 @katsumi2003
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