離婚の結末

katsumi

第1話

「もう、別れよう離婚したい」

付き合って3年結婚して1年目の夫婦に

俺は嫁にそういった。世の中がなかなか外出がしにくくなった今日。仕事は互いにテレワーク。俺と妻も毎日顔を合わすことになった。

だが、それも俺は飽きた。毎日同じ顔、同じ飯、同じ寝床。何一つ刺激がなくなった。


「離婚するなら良いよ。でもその変わり1ヶ月間だけ私の我儘聞いてほしい」


嫁の提案に俺は受けることにした。


そして買い物から俺が帰ると妻がこういう言う。

「ハグして」

そういうと俺は妻をハグした。そっと優しくする。

外出するときは妻の方からこう言われた。

「手を繫いで」

俺は手を繋いで歩いた。妻の顔は嬉しそうだった。

そして夜の歩道橋の真ん中辺りで妻からまた提案される。

「キスして」

我儘は約束だから俺は優しく妻に口づけをする。

この行為を3週間ほぼ毎日続いた。俺は妻について考えた。

そして一ヶ月が経過してようとした頃だった。



「今日が最後の日だね。今まで私の我儘に付き合ってくれてありがとう。ちゃんとご飯食べるんだよ。忙しいからって食事おろそかにしちゃ駄目だよ」


俺は、なんてことを妻に言ったんだろう。つまらないからなんて酷い理由で別れようとした。

でも妻は俺のことをずっとこの一ヶ月間考えてくれた。

俺のために時間を作ってくれて、酷い事を本当に言った。

妻は俺を強く抱きしめこう告げた。

「今までありがとう。私の我儘全部聞いてくれてありがとう。自分を大切にこれから生きてね。でもこれは約束だったね。さようなら」

妻は涙を流して俺にそう言った。


「ごめん!俺嘘ついた。やり直してほしい。もう一度やり直して一生そばにいてほしい。もう離さない。どこにも行かないでくれ」


「良いよ。今の言葉聞いたよ一生そばにいてね」


俺は妻と抱きしめている時に出会ったときの感覚に戻った。もう俺は自分の勝手な感情で妻にあんなことは言わない。本当に申し訳ないことした。

今回の件について、妻はあれから何も口にすることは無かった。

ただ大切にしようと思った俺。


数年後、俺は父親になることができた。俺はもう迷わず生まれてくる子供のために

今日も妻を子供を大切にして生きています。

「あなたといて私は幸せです」

その言葉に俺は涙する。


ー完ー


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

離婚の結末 katsumi @katsumi2003

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ