第8話 ダンジョン制覇
すると足音が聞こえてくる。
「ねぇ!この足音」
「うん、 モンスターの足音だと思う」
ミユキが真剣な口調でそう言葉を返してくる。
いきなり襲いかかられてきても大丈夫なようにいったん足を止め辺りを見渡して警戒する。
さっきまで戦っていたモンスターと同じようにゆっくりと警戒しながら近づいてくる
私たちの目の前に現れたモンスターはさっきのモンスターと同じように人型ではあったが見た目は違う。
「ゴブリン!」
横にいるミユキはそのモンスターを見るなりそう言った。
「ミユキこのモンスターのことについて何か知ってるの?」
「いやそういうわけじゃないんだけどファンタジーゲームとかでよくああいう姿のモンスターの種族をゴブリンって言ったりするんだ」
「この世界では何て言われてるかわかんないけどね」
そのゴブリンは私たちが会話していることなどお構いなしに襲い掛かってくる。
私たちはその攻撃を同時に避ける。
「どうやらこのモンスターは私達を前に通してくれる気はなさそうだね」
ミユキはそう言いながら武器を構える。
「しょうがないなるべく戦いは避けたいんだけどここは強行突破しかなさそうだね!」
そう言いながら私も武器を構える。
さっき攻撃に失敗したゴブリンが目で私を捉え勢いよく攻撃してくる。
私は剣でその攻撃を素早くガードする。
一旦距離を取って様子を見よう。
後ろに下がり周りがどうなっているのか一通り確認する。
後ろにかなりまだモンスターが隠れてるな。
そんなことを考えていると 横にいるモンスターが私に向かって爆弾を投げつけてきた。
その爆弾はぼんと勢いよく爆発する。
私は何とか爆発する前に距離をとることができた。
「モンスターがまさか武器を使って攻撃してくるなんて」
いや私がただモンスターは道具を使って攻撃してこないと思い込んでいただけなのかもしれない。
「ファンタジーゲームとかだとたまにゴブリンは普通のモンスターと違って知性を持ってるって設定のゴブリンもいるからね」
ミユキは息切れをしながら言う。
「とりあえず少しはモンスターの数減ったと思うんだけどそれでもやっぱりまだ数いるな」
「大丈夫だいぶ体力消耗してるみたいだけど?」
額から汗が流れてきている。
「大丈夫こんなモンスター私の炎で消し炭にしたげる」
ニヤリと笑みを浮かべて言う。
魔法の杖を構えなおしゴブリンがたくさんいるところへと突っ込んでいく。
私も剣を構えなおし次から次へと目の前にいるゴブリンを次から次へと倒していく。
「これで大体は倒したかな」
ミユキはそう言って一息つく。
念のため辺りを見渡して 本当にモンスターを全員倒し終わったか確認する。
見渡す限りモンスターは全員地面に倒れている。
「うん全部倒したと思うよまた動き始める気配もなさそうだし」
「それではこのモンスターの素材をさっさと剥ぎ取って前に進もうか」
「うん、そうだね」
私はそう言葉を返して地面に倒れているモンスターの素材を回収する。
「よしこれで全部か、それじゃあ前に進もう」
ミユキはそう言って私の返事を待たずに前に進んでいく。
「ちょっと待ってよミユキ!」
急いで後ろを追いかける。
「ちょっと待ってってば!」
追いついたところで歩くスピードを落として横に並ぶ。
「ああ、ごめんごめん 早くこの先に 行って次にどんなモンスターが出てくるのか見てみたくてさ」
嬉しそうに言う。
「どんなモンスターがいたところで強いだけじゃない」
「それはそうなんだけどさなんかゲームの世界に入り込めたような感覚でちょっと楽しいんだよね」
私はゲームそんなにやるほうじゃないからよくわかんないけどゲームをよくやる人からしたらそんな感覚なのかな?
「別に楽しむのはいいんだけどあんまり色々無茶しないでね特に戦いの時は」
念のため釘を刺しておく。
戦いをするのは別にいいんだけどミユキの場合戦いに夢中になりすぎて怪我をしてるのに無理やり戦っちゃうっていうこともありそうだから怖い。
しばらく足を進めていると目の前に大きな扉が見えてきた。
「大きな扉だ ここにボスモンスターがいるのかな!」
ミユキは目をキラキラさせながらワクワクした表情で言う。
「よしさっそく中に入ってみよう!」
そう言って一切躊躇することなく ドアノブに手をかけて中に入っていこうとする。
「ちょっと待ってちょっと待って中に凶暴なモンスターがいるかもしれないから気をつけて」
「そんなこと言われなくても分かってるよ大丈夫大丈夫そんなに心配しなくても」
その表情からは緊張感のようなものが一切伝わってこない。
笑顔だ。
ミユキは 大きな扉を開ける。
私も一緒に中に入る。
すると中には角を生やして牛を擬人化させたような大きなモンスターが中にいた。
〈すげー強そう!〉
〈ていうかすげーリアルすぎるだろ!〉
〈俺もこのゲームやってみたい〉
〈どこの店に売ってるのこのゲーム?〉
コメント欄はそんな驚きのコメントで溢れていた。
「2人で倒すよナナミ!」
「うん!」
お互いに武器を構えモンスターとの距離を詰める。
「おおおおぉぉーーー!!!」
わたしたちを威嚇するように叫び声をあげ手に持っていた斧のような形をした武器を振り下ろす。
私たちはその攻撃を後ろにジャンプして避ける。
この攻撃を食らったらひとたまりもなさそうだけど武器を上から下に振り下ろしてくるまでに少し時間があるからその間に攻撃ができるかもしれない!
「ミユキモンスターが武器を振り下ろしてくるまでに距離を詰めて攻撃するよ!」
「わかった!」
モンスターが再び手に持っている武器を振り上げて 私達に攻撃して来ようとする。
「今だ!」
すかさず距離を詰める。
「ファイヤーボール!」
私もモンスターの 体に向かって剣を振り下ろしてみたが、体が硬く ダメージが通った感じがまるでしない。
そのモンスターは私たちの方へと顔を向け 武器を持ち直し叫び声を上げながら武器を振り下ろす。
「おおおおぉぉーーー!!!」
今度はぎりぎりでその攻撃を避け距離をとる。
「さすがボスモンスターなだけあってそう簡単には倒させてくれないみたいだね!」
「でもダメージが通んないんじゃ倒しようがないよ!」
あんな硬い身体を攻撃し続けてモンスターが倒れるのを待っていたら逆に私達が倒されちゃうかもしれない。
「おそらくどっかに弱点みたいなのがあるはずその弱点を2人で 攻撃することができればきっと倒せる!」
私たちは再びモンスターとの距離を詰め弱点がないか探す。
モンスターの弱点はどこモンスターの弱点!
そんなことを考えてると モンスターは右足を上げ私は踏みつけにしようとしてくる。
私はその攻撃をなんとか避けてすかさずその脚を攻撃する。
「おおおおぉぉーーー!!!」
するとモンスターは今までで1番大きな叫び声を上げる。
「ミユキ!」
「うん!」
〈イケイケ2人でそんなモンスター 倒しちゃえ!〉
〈そこだ!〉
「ファイヤーボール!」
「おりゃー!」
2人でそのモンスターに攻撃を畳み掛けなんとか倒すことができた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます