第49話 開幕②


「第二問です。実はアイスクリームの賞味期限は? 一番、製造から十年。二番、そもそも賞味期限なんてない。さー答えはどっち?」


 先ほどと同じ手法で会場の多数決を取った。するとわずかばかりに一番の答えの方が多かった。よって沙夜の選択する番号は一番だった。果たして答えは。


「不正解です。残念。実はアイスクリームには賞味期限がないんです。つまり、しっかり保存さえできていれば今日、買ったアイスクリームを五十年後に食べても問題はないんです。ただし、いくら現代の冷凍技術が優れているといっても、数年で風味は落ちてしまいますので注意して下さい。生ものでも冷凍ものでも、あまり日を置かずに食べるのが一番美味しく食べる秘訣です。ということで残念でした」


 二問目を外してしまい、沙夜は跪く。


 頑張って、と会場から励ましの声が上がる。


「続いて第三問です。車に乗りながら食事が手軽に買えることで人気のドライブスルー。実はドライブスルーに立ち寄れるのは車だけではないんです。次のうち、ドライブスルーに入っても問題ないのは次のうちどっち? 一番、馬。二番、徒歩」


 考える時間を与えられ、最終的なジャッジは会場の人たちにより、多数決が取られた。


「答えは一番です!」


 沙夜は自信満々で答えた。


「正解は……一番です。おめでとうございます。驚くことに馬は道路交通法では軽車両扱いなんです。そのため、馬でドライブスルーに寄ったとしても法律上は何の問題もないのです。但し、マナー的なものでは色々問題ですので注意して下さいね」


『さー、これで五問中二問正解です。後一問で最初の刺客を突破することが出来ます。運命の四問目はどのような問題が飛び出してくるのか』


 と、ナレーター。


「第四問。公衆トイレなどでよく見るトイレットペーパーの三角折りの意味は何でしょう? 一番、後から使う人に紙を引き出しやすいように。二番、清掃しましたという印」


 会場からの答えは二手に分かれた。沙夜は悩んだ。


「答えは二番です」


 少し、自信がなさそうに沙夜は言った。


 ふぅ、とハルカは大きなため息を吐いた。それも演出なのである。


「正解です。おめでとうございます。解説は答えの通りです。という訳で冬月沙夜さん。見事に第一の試練を突破されました」


 会場からは安堵の空気が伝わった。


「でもこれで終わった訳じゃない。次の試練は何?」と、沙夜は強気の一言。


「まぁ、そう急かさないでよ。ちなみに今のゲームに負けていたらどうなったか気にならない?」


「……考えたくないわ。私は前に進むだけだから」


「なるほど。良い心がけだわ。では次の刺客が待っています。幸運を祈ります」


 舞台は闇に包まれた。第二の刺客の準備が瞬時に行われる。


「ここは……?」


 舞台が明るくなった時、背景も大きく変わる。そして、僕の出番だ。

 学生服姿の僕は舞台に飛び出す。


「あなたが第二の刺客ね?」


「第二の刺客? ちょっと待ってよ。君は誰? 僕はマジシャンのショーの手伝いをしたらここに飛ばされたんだ」と僕。


 え? と、二人は膠着する。


『おやおや。少年は第二の刺客ではなく、冬月沙夜と同じようにこの世界に飛ばされた被害者であった。果たして彼の存在はどのようにもたらすのか』とナレーター。


「あなたの名前は?」


「太陽。『太陽』書いてひろあき。君は?」


「沙夜」


「そうか。沙夜。ここは一体どこ?」


「それは私にも分からない。でも一つだけ言えることは試練を七つクリアしないと元の世界に帰れないということね」


「試練……?」と、僕は首を傾げる。


「ご名答」


 と、そこに少し高い位置から声がする。

 スポットが当てられ、黒マントの男が飛び降りて鮮やかに着地した。

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