第43話

 あなたのりよは完結した

 百億の多元宇宙をりよするりよであった

 せんめいたる『物理宇宙』の片隅で『もうひとりの自分』が『意識のポテンシャル障壁透過実験』を遂行したがために巨億の『自分』の人生をかくはんさせてしまった世界にちんにゆうしたあなたは『百億の世界の自分の人生』を順列的に再かくはんさせれば『百億の世界の自分の人生』が元通りになるとこうかくしてめいちようたる演算どおりの『かくはん』を遂行したところ『物理的』なる脳髄がけいれんするような感覚に猛襲されて『みずからの両親を殺害した犯人をてつけつせんとする自分』や『新潟県が日本から独立して内戦状態にある世界の自分』や『巨億の扉が巨億の世界に接続されている世界の自分』をへきとうとして『西暦一九八三年八月二三日生まれ』の『百億の自分の人生』を体験していったうえでえいごう不滅の奈落のようなつつやみしんえんへと墜落してゆき破滅的なる『死』を覚悟したもののもうろうとした意識のなかで『自我同一性データの意識構成を再起動します』というアナウンスが脳内にほうちやくして『百億の世界のかくはん』が成功したのだと認識したがために自我同一性データの意識構造を再構築したところきようさくした視界に最新型OSの起動画面が明滅してやがて夢幻泡影の世界が眼前にかいびやくしたかとおもうとはくだんの長岡こうてつコンビナートの中央電脳管理施設であって素粒子計算レベルで謄写された方戀の恋人とかいこうしたものの完璧に謄写されたはずの方戀の恋人は無尽蔵の数字の文字列となって『消滅』するところらしくてつ急をさとったがためにわたし『ツァラトゥストラ』のクラウドサーバーに一τ秒間隔で保存されていたはずの『もうひとりの自分』の体験ログを『人格フォルダのサブフォルダ』にダウンロードして二τ秒間に圧縮された体験ログを解凍して分析したところ『方戀の恋人が自殺した理由』や『方戀の恋人の方戀の恋人が天国から連絡してきた』経緯などせんめいとして唯一無二の方戀の恋人の自我同一性データが『天国』へ帰還せんとしていることをさとってきよくてんせきとしていると方戀の恋人はさやくように言葉をでんしていわく『いいわすれてたわわたしあなたのこときらいじゃなかった』とのことであった

 あなたは恋人とけつべつした

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