第12話

 むちもうまいながら『たびびと』になることをけっきしたぼくだがぜんとはたなんだった。『たびびと』になるためには『だいがくのせかい』のだいがくにおける『たびびとかだいがくいん』をしゅうりょうしたうえでちょうなんかんの『たびびとしけん』にごうかくして『たびびと』の『しかく』をしゅとくしなければならなかった。いきようようとかようなる『たびびと』までのどうていをけっしんしたぼくはつつがなくかとりっくのようちえんをそつえんしてこうまいなるぎむきょういくせいどで『しょうがっこうのせかい』のしょうがっこうをそつぎょうし『ちゅうがっこうのせかい』のちゅうがっこうをそつぎょうした。せんじょうばんたいのどうきゅうせいのなかにはちゅうがっこうそつぎょうとどうじに『しゅうしょく』するものもあった。『こうじょうのせかい』『けんちくかのせかい』『いざかやのせかい』などの『せかい』を『せんたく』して『すみか』とする。かように『じがどういつせい』をかくりつしてここうをしのぐのである。ふとうふくつのぼくはげんこたる『しょうがくきんせいど』をきょうじゅして『こうこうのせかい』のなんかんこうこうににゅうがくし『だいがくのせかい』のへんさちななじゅうだいのだいがくににゅうがくした。さいしゅうてきに『たびびとかだいがくいん』をしゅうりょうして『たびびとしけん』にちょうせんしたぼくはにどかんぜつするこうとくてんをかくとくしながらもらくだいにじゅうはっさいじじさんどめのちょうせんでやくやく『たびびと』の『しかく』をかくとくした。かんなんしんくのけっく『たびびと』となったぼくは『やどやのせかい』をすみかとして――おおよそ『すみか』をもたない『たびびと』はとくれいそちで『やどや』を『すみか』としていた――せいれきにせんじゅうにねんどの『たびびとりょだん』にちゅっちょくされにじゅうきゅうさいのたんじょうびじじ『まぼろしのとうさんとかあさん』とかいこうするがためにも『たび』をらんしょうさせんとしていたところ『とびらのせかい』のいりぐちでのうずいがまひしたようでひゃくがいきゅうきょうがしんとうしていしきがこんだくしていった。

 ぼくの『ほんとうのたび』がはじまった。

 ひゃくおくのせかいをたびするたびが――。

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