【117:設定は作りこむべきなのか?】
物語を書く上で、主人公をはじめとして、それを取り巻く主要キャラたちの設定作りは欠かせません。設定が楽しくなりすぎて、中々本編を書き始められないとか、そんなこともあるのかも。
でも、どこまで作りこむべきなのかって、そこが今も明確な答えに行きついていません。
本当に事細かく、80%くらいまで作り上げておくか。それとも20%程度にとどめておくか。
どちらかと言えば、私は後者の考え方をしています。各キャラクターには各自基本設定だけ用意して、あとは物語の中でキャラを動かしていくうちに、「ああしよう」「こうしよう」と、思いついた設定を自然な形で追加するようになりました。イメージとしては、予めキャラの伸びしろを用意しておくような感じです。
時にはそれまで使っていた設定を消去し、新たな設定に変更することもあります。もちろんそれまで書いた物語が破綻しないことに十分気を付けていますし、場合によっては関連する部分は全部修正することもあります。
ただし物語そのものの流れは変えません。気づく人は気づくし、気づかない人は気づかない程度のことにとどめています。それを超える場合は変更しません。
大雑把な設定にとどめるようにしたのは、十代の頃、ここで引っかかって、全然物語まで考える余裕がなくなってしまったからだろうと。何だか、魅力的なキャラを創造しようと考えすぎてしまって、物語を書くという本来の目的を忘れてしまいました。
設定を作りこむことが重要で、そこが最も楽しいようなお話も、プロの方から聞いた(正しくはインタビュー記事で見た)ことがあります。もう三十年近く前になりますけれど、当時のライトノベル系コンテストの審査員をされていた際のコメントだったかも知れませんが、「設定を作りこまない人が多い」ようなことを残念がっていました。
その方は現在もご活躍されている超売れっ子作家さんですけれど、きっとそのかたはすごい設定を作りこんだから、あの作品やこの作品を世に送り出せたのだろうと思います。
でも、全員が全員そんな才能があるわけではありませんし、プロを目指す以前に、まずは書きたいように楽しく書いてみることかなって。じゃないと自分自身で面白いとも感じませんし、ただの苦行になってしまいます。
私は『小説家になろう』の方でのみ、物語を公開していますけれど、最初はあまり設定を考えず、キャラを動かしていくうちに自然と追加されました。キャラ自身が、実はこんな設定があるんですよって、私に教えてくれた感じなのです。
プロデビューして、人様にお金を払って読んでいただく立場になれば、またこのあたりの考え方は変わることでしょう。
でも、趣味として楽しんで書いている間は、そんな難しいことを考えずに、好きなように書いてみればいいと思っています。
自分が好きで書いていること。その気持ちが一番大切なのですからね。
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