【106:結局、異世界転生・転移から脱却できていないのかな?】
スパッと切ったようなタイトルですけれど、それが私の印象です。ただし別にそうした作品を否定するつもりはありませんし、面白いものは面白いと、そのような考えを持っています。
それを踏まえた上で、今の率直な考えを述べたいと思います。
出始めの頃がどの辺りかはわかりませんが、初期の頃は単純な思考の異世界転生・転移だったのではと考えます。
そこから徐々に変化を遂げ、ひねった設定の作品が増えたのではないでしょうか? 私は主にアニメばかりで確認するだけなのですけれど、いわゆるコラボのようなイメージを持つのです。『異世界転生・転移×〇〇〇(〇の中にはその世界にない意外な能力とか、職業とか、『やってみた系』とか)』みたいな感じに。
それが異世界において斬新であったり、画期的であったり。
必ずしも武術・魔術に長けた最強勇者になるわけではありませんが、別の意味で最強になることが相変わらず多いのではないでしょうか? そこは譲れない設定なのかも知れませんし、やはり強くありたいという願望(むしろ欲望)の現れなのかも知れません。
異世界というのは何でもありですけれど、およそ情報量の少ない世界であると感じます。わかりやすく例えるなら、『情報量の少ない昭和時代』みたいなもの。あっ、この例えは逆に今の若い人たちにはわかりにくいかも知れませんね。
私のイメージは1970年代後半から1980年代になりますけど、あの頃って、まだまだ日本は未開の土地で、外国のことがあまり伝わってきませんでした。逆に日本のことも伝わっていなかったんじゃないかと。
外国から入って来たものであれば、人であれ、動物であれ、物であれ、物珍しいものは全てが大騒ぎ。
それらの現象は全て、まさに異世界から突然やってきたようなものでした。
そんな時代を経験しているからか、今の『異世界転生・転移』は同じようなイメージを持ってしまうのです。
作者さんによっては同世代に近いかもと思うことがあるので、ひょっとしたら子供の頃に経験した騒ぎっぷりが、心のどこかに残っているのかも知れません。
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