全ては達也さんの為に
千羽美幸サイド 姉との喧嘩
達也さんから文芸部の同じ部員にならないか、とお誘いが来た。
私は胸をドキドキさせながら文章を読み返す。
そしてまたほうっと息を吐いた。
ヤバいぐらいに心臓がドキドキする。
これは本当に嬉しい。
「.....達也さんの許嫁にしてもらったら幸せで死んじゃうかもね。私」
12畳ある自室でベッドにゴロゴロ転がりながら胸を膨らませる私。
どんな告白よりも嬉しいし。
しかもどんな事よりも嬉しい。
とっても胸が熱くなる。
顔も滅茶苦茶に熱い感じだ。
「.....私は.....絶対に負けない。お姉様に」
そんな事を呟きながら。
自室の横にある部屋。
お姉さまの過ごして居る部屋を睨む。
それから再度横になる。
そしてまたゴロゴロしながら文章を読む。
「私も卑猥な事で攻めよう。.....私だって負けては居られない」
思いながら私は決意しつつ起き上がる。
それからベッドの端に腰掛けていると.....ノック音がした。
そして、起きてる?、と声がする。
ドアを開けるとそこに美里お姉様が立っていた。
私は警戒しながら、何の御用でしょうかお姉様、と言う。
すると、達也に部活に誘われた?貴方も、と聞く。
「.....はい。愛しの達也さんに」
「.....ふーん.....愛しの、ね」
「.....何でしょうか。私は達也さんが好きなので」
「.....何でもないけど。.....でも陥落させるのは私だから。譲れない」
「その部分は例えお姉様と言えど譲れません。私が勝ちます」
「ダメよ。私が勝つんだから」
そう言いながら私達は互いの顔を確認する。
それから、所で何の用ですか?お姉様、と聞く。
するとお姉様は、敵の状態を見に来ただけ、と言ってくる。
何処までもお姉様だ。
標的にしたら必ず捕縛する鷹の様な。
「.....そうですか。.....別に何もしてはいませんが?」
「.....そうかしら。.....なら良いけど」
「.....そもそもお姉様も自重して下さい。.....達也さんとイチャイチャし過ぎです」
「私は達也の為なら処女もあげるつもりだから」
「.....しょ!?」
真っ赤になる私。
すると、あらあら。ウブね、と声がした。
私は少しだけカチンとくる。
そして、私だって処○膜を差し上げる覚悟です、と言ってみる。
「.....そう。.....でも私は達也のお○んちんを独占するから」
「.....」
ガチの本気だ。
私は思いながらウットリするお姉様を見る。
このままではマジにセッ○スも辞さない可能性がある。
私は考えながら、お姉様はフ○ラチオも出来るんですか?あれは射精にテクニックが要るらしいですが、と聞く。
すると、そんなもの。扱うのは初めてになるけど.....気持ちよく出来るわ、と言う。
「.....変態ですね。お姉様は」
「貴方もでしょ。.....何にせよ私は達也を貰う」
「.....お姉様には婿さんが居ますよね。その人とお幸せになってみては?」
「.....冗談。.....中島とはそこまでの付き合いじゃないから」
「そうですか。.....何れにせよ私が勝ちますので」
「.....ふーん。まだ言うんだね」
何なら達也さんに勝負を掛けていきますので。
これからエッチな事で振り向いてくれるまで、と赤くなりながら言う。
ふーん。出来るのかな?貴方に。私なら学校でセック○も厭わないしね、と切り出してくる。
最低だな、と思う。
「.....校舎は神聖な場所です。.....そんな事をしたら通報します」
「.....やってみたら良いじゃない。私の権力で押し潰してやるから」
「.....」
「.....」
これじゃ収集がつかないな、と思った。
私は考えつつ踵を返す。
それからドアを閉めようとした。
するとお姉様は、でも貴方にそんな根性が生まれるなんてね、と言ってくる。
「.....はい?」
「.....イジメを受けていた時期とは違うわね」
「.....達也さんの前では出さないで下さいね。それ」
「分かってるわ。流石にそれとこれの区別はつくから」
「.....」
私はイジメを受けていた。
それも中学での留学先の.....ホームステイの同級生に。
懐かしい記憶だが。
達也さんに知られる訳にはいかない。
あの人なら私をイジメた外国にでも喧嘩を売りそうだから。
「.....そんな顔しない。.....私は言わないわ。.....貴方がそんな酷い目に遭った事はね」
「.....お姉様は直ぐ口外しそうだから怖いです」
「エロに優った記憶喪失になってもそんな馬鹿にはならないから」
「.....」
私の情報は.....過去の情報は。
抹殺された。
だから今だけを生きるだけだ。
全ては達也さんの為に。
生きるだけだ。
「.....お姉様。私は絶対に負けません」
「.....私だって負けるつもりはないから」
「.....」
「.....」
そして私達は別れた。
それから私は決意する。
何を決意したかと言えば。
飛び級する事を、だ。
達也さんと同じクラスになる事を決意した。
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