第7話(第117話) 「アリルイソチオシアネート!」
【ここまでのあらすじ】
物部
橘青年の過去の記憶を見終わった、郡山青年と弓削青年、
その翌日、都市探索協会へ行って、登録を完了した矢先である。
「
どうやら久しぶりに陰陽術士として、害獣駆除の依頼で、戦闘をすることになりそうだ。
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都市探索協会ノヴォリト研究所支部の建物から外に出ると、自動車ぐらいの大きさの
「ヤバいなコレ。日本は、木造住宅が多い。こんな市街地で火が放たれたら……。」
と、郡山青年が言うと、
「何寝言言ってんだ。平和呆けしている場合じゃないぞ。ここは、
と、弓削青年がツッコミを入れるが、橘青年が地元民の立場として、意見を述べる。
「いや、
解説しよう。
「だとすると、
すると、
「取り敢えず、鎮火だな。」
郡山青年は、その意見に頷くと同時に、表は白紙で、裏には、光と闇の相克する、陰陽紋が描かれた、護符を取り出し、詠唱を開始する。
「【
【毒・雷・音の陣】は、毒属性、
詠唱を終えると、【喪界】の
「久方ぶりに、血湧き肉躍る戦闘が
このネメシス・ダムド・ディアヴォロス大公は、かなり好戦的で、戦闘狂と言っても過言ではない。彼が憑依した郡山青年は通常、【蝙蝠山卿】という
【蝙蝠山卿】は、【コンテナ】の術理を使い、己の影から、固有の亜空間に収納していた、魔剣ガルバノス改め、魔劍ガルヴァノスを取り出す。【喪界】と【魔界】では、若干発音体系に違いがあるのだ。
魔劍ガルヴァノスは、【
その攻撃に、
「【
火属性は音属性に弱い。火は音で消せるのだ。【蝙蝠山卿】は、【毒・雷・音の陣】の音属性を帯びた、【
だが、音属性の基礎的な【術理】である、【
「【
これも、音属性の基礎的な【術理】であるが、こちらは、特に、
こうして、【蝙蝠山卿】の【
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そういうわけで、選手交代の時間だ。
「
だが、弓削青年は、その提案を却下する。
「確かに、
「ほう。ということは、何か対案があると言うことだね?」
橘青年が尋ねると、弓削青年は、ニヤリと笑って、【コンテナ】の術理を使い、己の影から、固有の亜空間に収納していた、【祟りの凶杖】を取り出した。
「ああ。この【祟りの凶杖】は、原子・分子規模で、化合物を生成可能なスグレモノでな。といっても、無から有を生み出すわけでは無く、化合物を召喚するという表現が適切かも知れないがな。」
「成程。水でも生み出して溺れさせるのか?それとも酸であの甲殻を溶かすのか?」
「いや。
【祟りの凶杖】から緑色の光が放たれ、
しかし、
「【喪界】では、陰陽術で、【
「いや、これで充分だ。【
橘青年がニヤリと獰猛な笑みを浮かべる。今度は俺の
――――――――――――――――――――――――――――――
【喪界】では、新たな時代の双璧とさえ見られていた、郡山青年と弓削青年だったが、この【魔界】では、まだ新兵に過ぎない。
しかし、橘青年は、この地の闘う領主であり、領主である前に、最強の地元民でもあったのだ。彼は
「要するに、素材が潰れなければ、【重力の
と尋ねる。それに応じた土属性の専門家である
「それなら、今度は我々の合体技を初披露するとしよう!」
と言って、二人は【魔界】版【重力の
「重力の
「重力の
すると、
「
橘青年の
「
すると、
――――――――――――――――――――――――――――――
結局、
「何だい、さっきの凄ぇ大技は?」
「まぁ、地元民の意地みたいなものさ。対処法は弓削君に教示された通りそのままを実行しただけだし。」
「いや、あの威力は、詠唱によるものだろう?」
「【重力の
「じゃあ、
「【
「今回みたいに、
「いや、ここは、ヒタカミ国タチヴァナ郡ゐナゲ領だけど、タチヴァナ郡の隣に、ゑヴァラ郡があって、その中心である、ゑヴァラ区ヘヴィクヴォ領には、ゑヴァラ三角商店街がある。近くにヘヴィクヴォ遺跡というダンジョンみたいなものがあるから、いわば、迷宮都市として発展したんだが、そのゑヴァラ三角商店街に『稲妻草』を大量に卸しているんだ。」
「【
「大昔、アイヌ語話者が次元の裂け目から転移したらしい。ニヴフ語も少し混ざっているから、ニヴフ語話者も何人か巻き込まれたのだろう。彼らは極地クライオモシリに棲み、やがて、【
「【
「【
「ああ。それに
「【喪界】における、【蝦夷エルフ】に相当する存在だね。ヒタカミでは、極地クライオモシリのことを、『流鬼国』や、『夜叉国』と呼んだり、【
「要するに、【
「今では、ヒタカミでも、【
「これから行く、魔導科学都市国家ガルヴァニアとは、どんな国家なんだい?」
「言語は、
先程の戦いでは、橘青年は、そこまで考えて戦っていたのかと、一同は驚くのであった。
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