第90話 息子たちの育児 第3章 最終

「あけまして!おめでとーございます!」


園児が声を揃えて先生にご挨拶をする。

新年のお楽しみ行事は餅つき大会で、去年長男と参加した時はねじり鉢巻をして気合いが入ったのか相変わらずベロを出していた。

行事が被ると忙しい。

年子と2歳差のお母さんたちはクラスを行ったり来たりとバタバタする。

この行事は親子参加ではなく、クラス委員の方がお手伝いに来てくださる。

杵をかがげたポーズをカメラマンが撮る。

私は餅が大好きなので、次男の連れで行っているおかげでつきたて餅が食べられた。

喉に詰まらないように小さく千切られたお餅をひとかじりしてニッコリする次男。

完食はしなかった。(むしろヤッター!)

と、思ったのがいけなかったのか。

私はノロウィルスにかかった。

トイレは友達!シェアハウス!

ちなみに過去にも胃腸炎になっている。

ノロウィルスは感染力が強いと聞いていたので私が使ったタオルなどは袋に隔離しておいて洗濯をするなど出来ることはやった。

でもきっと無理だろうと思っていたが次男ですら伝染らなかった。

……あれ?私が1番抵抗力弱いのか?



次男はオムツこそとれないものの、だいぶしっかりと歩けるようになった。

遠目から見ていても、アスレチックには自分から登ろうなんて度胸はないし平地でみんなと追いかけっこもまともに出来ている。

ハサミなど道具を使う作業は手先の不器用さもあり補助が必要だが、粘土やクレパスを食ったりなどしない。

これはもしかしてもしかすると、来年は同伴通園が解除されるかもしれないぞ?

そうしたら火曜日と木曜日の療育センターの付き添い通園だけになる。

……家庭訪問で何を話されるかな。



長男が年少の時の家庭訪問はうちが最後の訪問で先生が同い年ということと長男はいたって元気な幼稚園児なので子供の話よりも気付いたら先生のお悩み相談を聞く側になっていた。

20分くらいのところ1時間もいて少々困ってしまったことを心臓病仲間のママ友に話したらうちもだったと言っていた。

……先生も大変だよね。


火曜日と木曜日以外の1番遅い時間で長男と次男それぞれ日程を組んでもらった家庭訪問。

まず、長男はたまにお調子者が出てしまうくらいで率先してクラスメイトを引っ張っていってくれるらしい。

……マラソン大会は別物なんだな。

お友達も多く年少クラスの時のお友達とも仲良く遊んでいるとのことで言うことなし。

次男に関しては理事長とも相談をしなくてはならないが、この調子なら来年からは単独通園が可能になりそうだ。

正直、一緒に通園しているので家庭で話すことが特にない。

逆にすみませんと謝られた理由は、私が先生の立場を理解しきちんと線引きしてくれているからとても助かると。

私が先生の立場だったら親が同伴してくるなんて何を見られて何を言われるか分からないから気持ちのいいものではない。だから先生が仕事をしやすいと思ってくれていて嬉しかった。

次男の担任になれて良かったですと、言ってくれて少し泣きそうになった。

お互いを労って、帰っていく先生。



月曜日と水曜日と金曜日。

お迎えの15時まで私は何をしよう。

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