第84話 息子たちの育児 第3章 5
カツオが休みの日曜日。
「子供と3人でどっか出かけてきて」と頼んだ。
つい先日、近所の自転車屋さんで電動ママチャリを買った。
幼稚園と療育センターの通院で私はまだろくにその自転車に乗っていない。
せっかく買ったのだから自転車でふらっと公園にでも行ってもらってその間に私は1人の時間を楽しむのだ。
と、言っても子供服の整理や換気扇の掃除をするので遊ぶわけではない。ではないのだが。
カツオは何を思ったのか、自転車で片道1時間半もかかる動物園に行きやがった。
2、3時間出かけてくれれば万々歳だったのに、逆に帰ってこないので連絡をしたら動物園にいると。片道1時間半で着いたよ、と。
帰ってきたとき、長男が泣いていたのでどうしたのか聞いてみると「ちんちんがいたいー」と言う。
自転車の後ろのシートに座っていた長男は自転車でぐっすり寝てしまったらしいが、シートが股ずれしてちんちんの皮が擦り傷になってしまっていた。
「近くの公園って言ったのになんであんな遠い動物園に自転車で行くわけ!?」
女とはいえ明らかに痛いのはわかる。
「行けると思ったから」と言う。
「あんた馬に3時間跨ってられんの!?」
「ちんちん擦れると思わないじゃんー」
「お前のと一緒にすんな!謝れ!」
絆創膏を貼るわけにも行かないので、おしっこがしみないようにワセリンで保護してあげる。
こうして私の貴重な休みは結局パァにされた。
明日からまた鬼スケジュールの始まりだ。
カツオを見送りさっさと家の鍵を閉める。
長男は引き続きちんちんが痛むらしく、そのうえ次男が夜中に殺人鼻血を出した。
……幼稚園はお休みだな。
長男も痛くて可哀想だし、次男は貧血でフラフラしているので登園させるのは危ない。そして私は寝不足とストレスで倒れそうだ。
……頼むから2人同時に昼寝してくれ。
次男は昼食前に寝た。
長男はおやつ頃の時間に寝た。
……わ、た、し、も、ね、た、い。
鼻血により洗濯物が増える。
晴れているからいいものの、天気が悪かったら本当に最悪だ。
布団を敷いて乾いたシーツを被せる。
夕飯は冷蔵庫にあるものでどうにか何かを作ればいいや。
もうなーんもしたくない。
さっさとお風呂に入って布団に入るぞ。
……あぁ、朝までぐっすり寝てみたい。
明日は療育センターの日か。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます