第83話 息子たちの育児 第3章 4

いっその事、掃除機を買い替えようか。

もう今日は夕飯の買い物以外どこも行かん!

クッキーも作らん!(小麦粉がないから)


プンプンしながら乾いた洗濯物を畳む。


息子たちは何処吹く風。

プラレールとトミカとぬいぐるみとフィギュアで街を作り上げ、その横では重くなったオムツによりズボンがずり落ちて半ケツの次男がつかまり立ちをして楽しそうにDVDを観ている。

次男は心臓病の薬で利尿剤を飲んでいるので、めちゃくちゃおしっこをする。

ずり落ちたオムツを替えられていることに気付いていないくらい顔とテレビがくっつきそうである。見えていると思うのだが、どんなにテレビから遠ざけても近づいていってしまう。

……磁石か!


買い物に行くから片付けてと素直に頼んで片付けるようなやつらではない。

しかし、私は知っている。

うちの息子たちは単純だということを!


「よーい、...どんっ!!」


唐突に始まるお片付けレース。

私が先攻して猛烈に片付ける始めると、これは競争だと認識した長男が慌てて片付け始める。次男は何かをココに入れるということを認識し宇宙語を話しながらポイポイ放り込む。

誰がどうなったら勝ちなのかなど全くない。

雰囲気を制した者が覇者である!

そう!つまりは私だ!


「はい!ママの勝ちぃ~!」


ただの子供であろうと自分の子供であろうと容赦はしない。勝ちは勝ちなのだ!

ガハハハ!ガハ!ガハハハハ!!


……さ、買い物行こ。


今日はカツオも夕飯に間に合うかな?

確か明日は休みだったから発泡酒でも買っておいてあげるか。

バスの運転手はもちろん毎朝出勤時にアルコール検査をするので、次の日が仕事の場合しっかりと時間をあけないと検査に引っかかって出勤停止になってしまう。

そのためうちでは休みの前の日のみお酒を飲むということにしていた。

理解できないといったら失礼かもしれないが、カツオは職場の人達から可愛がられていた。

骨折して入院したときも神奈川県からわざわざ埼玉県までお見舞いに来てくれた。

(本当は私の地元の風俗店に行ってみたかっただけと判明)

次男と通っている療育センターのバスルートに、いつも人が並んでいるお肉屋さんがあって気になっていた。カツオに帰り道に寄れないのかと話をしたら会社の先輩がそのお店の常連さんで名物のメンチカツをお土産にくれた。

ウォーターサーバーを使いたいと話した時は、サーバー代はかからず好きな地域のお水が選べるものを紹介してくれた。

私は鹿児島県の垂水市という所の温泉水を定期配送してもらう事にした。


労働組合があり、そこに所属している人達からも可愛がられていて会社のバーベキューに参加することになっている。

私は行きたくないから子供と3人で行ってきて、と言いかけたのだがカツオが子供の面倒など見られるはずがないし危機管理能力も私より乏しい。そうなるとキャンプ場で大人が必ず子供たちについていないと何が起こるかわからない。

そっちの恐怖の方が大きかったので致し方なく家族参加することになっている。



イライラしたり疲れたりすると私の偏食が爆発する。

本日の夕飯は唐揚げ爆盛りに決め大量に鶏肉を買い込み、洗わないでいい袋の千切りキャベツを買う。(私はキャベツ嫌いなので食べない)

そんな時でも唐揚げ様はちゃんと美味しく食べたいので2度揚げして冷めても美味しいように、お弁当に入れられるようにする。

唐揚げは尊い。

揚げて揚げて揚げまくりつつ、つまみ食い。

なんて最高なんだ。

「油が跳ねて危ないから近づいちゃダメ!」と

子供に言いつつ、つまみ食い。

長男に見つかる。

仕方ないので試食形式で爪楊枝を刺してあげたら今度は次男に見つかった。

赤ちゃん用の椅子に座らせ試食させる。

……これは試食のレベルを超えている。


カツオの帰りは試食会に間に合うだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る