第80話 息子たちの育児 第3章 1

……過労死しそう、、、。



まだ薄暗い時間に起きて自分の身支度をする。

カツオを見送る。

洗濯機をまわす。

朝食とお弁当を3人分作る。

洗濯物を干す。

子供を起こす。

起きない。

たたき起こす。

しぶしぶ起きてくる。

朝食を食べさせる。

身支度をさせる。

ふざけはじめる。

支度を催促する。

掃除機をかける。

忘れ物がないかチェックする。

長男は大抵何かを忘れている。

ヨボヨボ、間違えたヨチヨチがいるので早めに家を出る。

ゴミ捨て場に寄りゴミを捨てる。

いつもギリギリの到着だ。


ここまではいたってよくある家庭図。


「おはようございます!お願いします!」

次男を靴から上履きに履き替えさせて自分も踵のある走れるスリッパに履き替える。


絶対に履き違えていけないのは、

【私は先生ではない】ということ。


あくまで見守るに徹する。

決して前に出ない。

幼児用イスが妙にしっくりくるのは癪だが次男の斜め後ろに座る。

道具などを使うときだけ補助する。

「どうして次男くんはママも来てるの?」と、色んな子に聞かれる。

「病気があって成長が遅いから怪我をしないように一緒にいるんだよ」と、答える。

私は先生ではないので他の子供の世話はしないし、遊びに加わることもない。

でも全く関わらずにいられるかと聞かれたらそこは非常に線引きが難しい。

クラスに1人はよく居るお世話好きな女の子が次男の面倒をよくみてくれる。

なのでその女の子のお母さんと顔を合わせた時はいつも次男のお世話をしてくれてるんです、と感謝を伝える。

逆に言えば私に聞けば子供の幼稚園でどのような様子か知ることが出来る。

でもそこは先生の仕事。

連絡ノートで普段の様子は共有されているのであまり出しゃばったことは言わない。



先生、園児、親、全方向に気を遣わなくてはならない立場であるため精神的にしんどい。

そんな時、年中クラスの長男を見つけるとめちゃくちゃ安心する。

「あ!長男くんのママだ!」

次男を中心として長男と私は幼稚園児全員から認識されていて通園する度にわちゃわちゃする時間がある。

自分の中でそれはそれで良しとしている。

スタミナとパワー溢れる子供に囲まれて過ごすと自分の養分が吸われている気がする。

……先生って凄いな、、、。


次男はほぼ1歳児に近いので3歳児から教育をする幼稚園の先生からすると非常に可愛いらしく

気付くと色んな先生に抱っこされている。


お弁当は自分の分も作り一緒に食べる。

次男はとにかく、食が細い。

プチトマト程の大きさのおにぎりを3つとおかずを何個かとフルーツを入れるのだが完食したことは1度もない。

このお弁当箱から大きいものに買い替える日はくるのだろうか。

長男はお弁当を残したことがない。

足りないのかな?と思い確認するが丁度いいらしい。フルーツが好きなのでお弁当箱とは別に

詰めてあげている。


お迎え(帰宅)の時間まであと3時間。

午後からはスタミナ勝負だ。

日焼けしたくないなんて生温いこと言ってられない。日焼け上等、と言いたいところだがUVカットパーカーでなるべく焼けないようにする。

次男は空間認知能力が乏しいのでアスレチックで遊べない。立体感や距離感がわからないので丸太に乗せるだけで怖くて泣くのだ。

なので基本、平地。

追いかけっこや隠れんぼのルールも分かっていないような気が...する...けどまぁいっか。


こうしてやっと帰りの会の時間になる。

「せんせーさよーなら!」

お迎えの準備をして待つ子供たちが声を揃えて元気に挨拶をする中、ゲッソリする私。

サクッと帰れるかというとそうならない。

長男だ。

コヤツがお迎えを待つ友達と遊んでいて一向に帰ろうとしてくれない。

……頼む、帰らせてくれーーー。

心の中で懇願するも叶わない。

やっと帰れる頃には夕飯の献立も思いつかないくらいに疲れている。

「お夕飯、何食べたい?」

レシピで言ってくれると助かるのだが、食材で言われることが多いのでそこからさらに相談して献立を決める。

長男は魚派なので、お魚料理のときはなるべくお手伝いをしてもらう。

1匹丸々買って家で捌きながら図鑑に載っている内蔵などの実物を見せると目をキラキラさせながら説明してくれる。


おもちゃで一通り遊び夕飯を食べてお風呂に入って歯磨きをして布団を敷いて洗濯物を畳んで仕舞ってそろそろ寝なさいーと言うと逆にはしゃぎ始めていい加減にしろーと怒りしばらくするとやっと静かな時間が訪れる。

明日は療育センターの日。


ファイトーいっぱあーつ!!!


バタンキュー、、、

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