第73話 長男の入園式
ついにこの日を迎えた。
この2ヶ月間が濃厚すぎてふわふわしている。
私の対人へのプレッシャーから、地域の子供が多い公園や公民館には行けなかったため同じ年頃の子供に囲まれて遊ぶのは初めてになる。
でも社交性の高い長男ならヤンチャかもしれないけど意地悪なことはしないと思、う。
いざ!カメラを持って出陣!!!
泣ける...
もう卒園式のことを考えてしまう...
家にいる時は次男にばかり手がかかってしまって寂しい時もあったかもしれない...
短い間に何度も引越しをして落ち着かなかったかもしれない...(それは無さそうか)
一緒に病院に通うのも疲れたかもしれない...
(亀を見に行けるって喜んでたから無いか)
産まれた瞬間から今この瞬間までの思い出が、私死ぬんか?っていう走馬灯のように蘇る。
これから元気いっぱい楽しんでください!
入園式のあとは、お寿司もしゃぶしゃぶも1品料理も何でも一通り食べ放題できるちょっとした会席料理風のレストランに行った。
久しぶりに家族4人揃ってお祝いの外食だったので長男はとても楽しそうにしていた。
……良かった!
1年間の予定表をもらったので見てみると幼稚園では多くの行事があり、子供だけのものもあれば親子参加のものもある。
……幼稚園ってこんなに行事あったっけ。
私は幼稚園の行事はトラウマなのでお遊戯会以外は記憶から抹消したのかもしれない。
そして問題は、保護者会メンバーの選出。
翌日幼稚園に行き決まったクラスに集まり誰が保護者会メンバーになるか決まるまで帰れないという地獄の時間が待っている。
聞くところによると毎年決まるまで何時間もかかり、出来ない理由だなんだと罪のなすり付け合いのようになるらしい。
兄弟児が上にいるママさんたちの会話を盗み聞きして得た情報だ。
私は迷っていた。
来年、次男がここに入園できると仮定したとき
保護者会メンバーになっておいたほうが次男を連れて幼稚園に行く機会が増えるので、次男という存在を先生にも親御さんたちにも認識してもらいやすくなるのではないか、と。
ウィリアムズ症候群のことや心臓病のことを隠すつもりはさらさらないし、聞かれたらどんなものなのか答えるつもりだ。ひけらかすのではなく、いかに次男が幼稚園生活を安全に楽しく過ごせるかどうかが課題。【理解】してもらうのではなく【知って】さえもらえればいい。
それに発達遅延しているのはどこからどう見てもわかる。通常ならもう1人歩き出来てる時期にドヤ顔でハイハイしかしないのだから。
次男は可哀想なんかじゃない。
次男は自分の人生を楽しんでいる。
だから私も可哀想な母親ではない。
もし、メンバーを募った時に5分様子を見て誰も挙手しなかったら私が挙手をしよう。
その時に汗をかいていようが、ハンカチを握りしめていようが、口から心臓が出ても、なんならゲロ吐いても、私は手を、声を、上げる。
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