第46話 大学生 2
【Popteen】
私は大学デビュー?だと思う。
このPopteenという雑誌を開いた時、魔法の書物かの如く眩い光を放っていた。
誰の固定ファンとかではない。そこにいる全員がイキイキとハツラツとしていて憧れた。
……自分もこうやって生きたい。
小さな火種は大きな炎に変わっていく。
私は思い立ったら即行動。
いても立ってもいられない性分である。
雑誌の、恐らく読者モデルでほんの1コマだけ
載っていた女の子の髪型が凄く可愛かった。
たぶん大多数の女の子はあまり真似をしないような大胆に派手な髪型である。
中学生の頃からお世話になっている美容院を
予約して内心ではスキップをして向かう。
「全頭スパイラルパーマをかけて色のベースはブロンドでお願いします!」
担当のお姉さんはおっとりしているが私のようにやり甲斐のある施術予約が入ると少し人が
変わったようにノリノリになる。
「せっかくだしパーマが活きるようにメッシュも入れようよ!ベースがブロンドだから私ホワイトアッシュの細めのメッシュ入れたい!」
「お好きにどうぞ!」
座りっぱなしで腰が砕けそうになったが、無事あの雑誌の女の子をも超える派手髪になった。
ウキウキで家に帰ったら早速母と出会った。
「うーわ。なんじゃそりゃ!あんたチビだから下の方でモジャモジャが歩いてるみたいで変」と言われた。
しかし、私はもう屈しない!!
「自分の好きにやってるだけだから」とブーメラン攻撃で返す。それで大抵は終わりだ。
接骨院でもドびっくりされたが、髪は結ぶし
髪色に関しては特に指摘されない。まぁナース服には合わないな。
私はゲームで貴重なアイテムをゲットしたような、好きに生きる事の楽しさを覚えた。
思えば高校生まで人に振り回されていることの方が多かった気がする。人に左右されず私は私の信念で生きてゆく!!
頭の中で情熱大陸のテーマ曲が流れる。
とりあえず学校には行くが勉強しに通っているわけではなく、高校とはまた違う感じのクラスメイトと遊ぶためのようなものだ。
この調子で通っても資格なんぞ取れやしない。
逆に実技授業に参加するなどおこがましいくらいに思っていた。唯一、面白かった授業といえば【高齢者疑似体験】だろうか。順調に生きるとこうなるのかぁと感じた反面、こういう状態で死ぬんだなぁと思った。その体験がなおさら私の中の情熱大陸のテーマ曲を煽った。
……こうなる前に全力で人生を楽しみたい!
もうすぐレポート提出期限だ。
開いただけの教科書を手に持ちテレビを観る。
「あんた、学校辞めたいんでしょ?」
母が核心をついてきた。
……「うん」
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