第23話 中学生 最終
【母のおかげ】で合格した私立高校を蹴り
無事に公立高校に入学が決まった。
あとは卒業まで遊び倒すだけだ。
Kちゃん、Mちゃん、Yちゃん皆それぞれ別の高校への進学が決まった。
夜風にあたりながら自販機のボタンを押す。
Yちゃんは家族と折り合いが悪かった。
話を聞いていると世の中には色々な母親がいるものだと感じる。
Mちゃんの母親とは正反対だ。
それにYちゃんは容姿についてからかわれていたこともあったからか少々グレていた。
私も、少々グレていた。なので、2人で公園で語らいながら飲酒をすることがあった。
ザルの遺伝子を受け継いでいるのか酔っ払う感覚はなく、ジュース代わりだ。
そんな時、何人かの同級生がやって来た。
ガチグレ集団だ。
どうやら私たちが飲酒しているのが意外だったようですでに酔っているそのガチグレ集団と共に公園で過ごすことになった。
めちゃくちゃ騒ぎながら滑り台やブランコで遊んでいる飲酒中学生を眺めていると遠くから
サイレンの音が聞こえてきた。
静かに語らうはずが、御用となった。
内2人はサイレンが聞こえた瞬間にしっかり逃げていて感心した。これがガチ勢か。
御用になっていて言うのも何だが、私は警察マニアである。こんな性格でなければ警察官になりたかった。残念な形だがパトカーに乗れるとワクワクしていたが、覆面パトカーだった。
補導され警察署に迎えに来たのは父だった。
父は職員へ謝罪した後、私の頭をゲンコツで
ゴツンとしてきた。全く痛くない。
私が父に怒られた?のはこれが初めてである。
帰宅するともちろん母にも怒られた。のだが、
怒っているかと思いきや話はいつの間にか自分も昔こんなことでパトカーに乗ったことがあるだのなんだのと武勇伝を語っていた。
私の高校合格が取り消しになるかもしれないなんていう不安はなさそうだった。
警察マニアの私がパンダではなくただのセダンに乗ったことへの嫌味なのだろうか。
本当にこの人はよくわからない。
私にはルールだのマナーだの正義だのとよかくうるさいくせに自分の事となると話は別だ。
はいはいはい、と聞き流すのも面倒臭い。
「自慢することじゃないでしょう!」
祖母に怒られている。そうだそうだー!と、
心の中で煽る。
満開の桜を見上げ、落ちる花びらを目で追う。
高校へ上がったら好き勝手やろう。
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