第12話 小学生 5

私は同級生よりも先生が好きだった。

人のプライベートなんぞ興味が無かったのに

先生のことは気になって仕方がなかった。


おうちはどこなの?

「〇〇駅だよ」

電車で来てるの?

「そうだよ」

何人家族?

「夫と息子がいるよ」


でも年齢は聞いたことがない。

その頃から私にとって年齢や誕生日というのは

生きられた年数という認識だったから。

私も将来、先生みたいな綺麗な灰色の髪になるかな?先生みたいな素敵な女性になりたいな。

初めて人への憧れを知った。

言葉数は少ないが、この人は理解者だと私の本能で感じ取った。


4年生になった頃は、Kちゃんの他にHちゃんを含む3人で遊ぶようになったし、何気に赤いお屋根の幼稚園から一緒だったK君と遊ぶようにもなっていた。

微々たるものだが交友関係が広がった。


ちなみにK君の母親はうちとは比べ物にならないくらいめちゃくちゃ厳しかったのを覚えてる。

朝の6時に起床し縄跳び100回した後に朝食、

放課後は多種多様なペットの世話をした後

縄跳び100回して5時に入浴、5時半に夕飯。

宿題もスパルタ教育である。

そんなK君の学校生活は、良く言えばムードメーカー、悪く言えばアホだった。

母親が厳しいというところの気持ちも分かり

私が唯一気兼ねなく話せる男の子だった。


家の周りだけで遊んでいた私は小学校で友達と待ち合わせをして遊べるようにまでなった。


さて、そろそろ帰ろうかな。

そう思って校門を出た時、見覚えのある顔と目が合った。目が会った瞬間にその男は笑いながら陰部を出して見せてきた。


不愉快の感情すらない。完全な無。


Kちゃんのように叫んだり助けを求めたりするのが一般的なのだろうか?

でもその頃の私には既にそういう感情すら失っていた。ひたすら疑問しかない。それの何が楽しいの?


笑いながらすれ違って行った男は学童の時に

トイレに呼び寄せた奴と同じだった。


2枚目の写真がアップデートされ3枚目が焼き付かれた。

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