17.幼女にも性欲はある

 雪でやることが無くなってからそろそろ2か月が経つけれど、まだまだ雪が融ける気配はない。

 このあたりはどうやら冬が長い北国か、標高の高い場所なのかもしれない。

 川から森に入ってここまでかなり登ったような気がするので後者が正解か、もしくは両方だろう。

 さすがに富士山の頂上付近ほどの標高はないだろうが、車で行ける5合目と同じくらいの標高はあるかもしれない。

 私がいた孤児院があった街も雪が降るところだったが、2カ月も融けないほどじゃなかった。

 スケベ爺さん(勝手に命名)の本を読んで技術を学ぶのは楽しいが、さすがに飽きた。

 私は別にどうしてもゴーレムが作りたいわけじゃないんだ。

 何か月もひたすら勉強して研鑽するような情熱は持ち合わせていない。

 あれから結局1個も魔法陣を覚えられていないことからも、そろそろ集中力が限界だと思う。

 少し息抜きが必要だ。

 私は短杖を作ったときに余った大樹の枝材を取り出し、変成陣の上に乗せた。

 変成陣を使えば木材を好きな形に加工するなんて簡単だ。

 細かい作業はペンタブで絵をかくのと同様に誰にでもできるわけではないが、練習次第である程度のレベルの物を作り出すことはできるようになる。

 私も包丁やまな板、食器などを作るうちにそれなりの加工技術が身に着いた。

 これから作る物は繊細な加工が必要な物ではあるが、形自体はシンプルで難しくない。

 今の私ならば十分に納得のいくモノが作り出せるだろう。


「肝心なのは長さと太さ、そして出っ張り」


 私はあまり慣れていないどころか全くの初心者なので太いものをいきなり使うのは危険だ。

 少し平均よりも細めのモノがいいだろう。

 長さもそれほど必要ないが、こちらは大は小を兼ねることができるので長くても問題ない。

 そして出っ張り。

 これも自分の身体に合わせたほうがいいのだろうが、それを含めて私はまだまっさらな状態だ。

 全体的にフラットな形状のモノにしたほうがいいだろう。

 あえて出っ張りを付けるとすれば先っちょの部分。

 抜くときに中を少しだけ擦るような形状にする。

 これも出っ張りすぎると初心者には辛いだろうから小さめにしておく。


「うん、卑猥な形だ」


 まあナニを作っているのだから当然だ。

 私は別段自分の中の生娘の証になんらこだわりはないので探求心に身体を預けることにしたのだ。

 ひろしは生前処女厨だったので自分の中で少し残念な気持ちもあるが、私はひろしではなくアリアなのだ。

 膜の有無に大して意味があるとは思えない。

 さっさと破ってしまったほうがきっと気持ちいいオ〇ニーライフが待っていると思うのだ。


「まあ最初だし、よく磨いておくか」


 コ〇ドームも無いことだし、ザラザラした木の張り型を入れるのはかなり痛いだろう。

 ひろしがネットで見ていた江戸時代の大人のおもちゃのようにツルツルに磨いて黒光りさせてやろう。

 私は米ぬかを布で包み、出来上がった張り型を一心不乱に磨いた。







「もう昼か……」


 アレを作ってから毎日のように夜更かしするようになってしまったので、最近では昼頃起きるのが普通になってしまった。

 誰に何を言われるでもない生活なので別に構わないだろうが、生活習慣が崩れているというのは感じる。

 気功術の訓練や筋トレもサボってしまう日が多くなったし、たるんでいるといえばそうなのだろう。

 しかしすべてはアレが悪いのだ。

 あの日最初に作ったモノをバージョン1とするなら、今ではもうバージョン5となっている。

 自分の気持ちいい部分を探求し、更には身体のほうを開発し、張り型をより良い形に最適化していった努力の結晶だ。

 いわば自分専用に作られた大人のおもちゃなのだ。

 気持ちいいに決まっている。

 それにこれは別にただの娯楽でやっているわけでもない。

 私の容姿は変態ロリコン商人の眼鏡にかなうくらいだからそこそこ整っている。

 そしてガチャというチートスキルや、将来的には魔道具職人としての腕も加わるかもしれない。

 権力者が囲っておく愛人や妾の類にはちょうどいい人材だ。

 スキルや職人としての腕が権力者に露見すれば、かならず私を手に入れようとちょっかいをかけてくることだろう。

 様々な手を使って篭絡しようとしてくるかもしれない。

 そして私が女である以上、篭絡の手段は強引なものになる可能性もある。

 一言で言えば快楽堕ちだ。

 女を堕とす専門業者みたいな奴がいて、そいつらのおチ〇ポで快楽を教え込まれてしまうことだろう。

 もうその男のチ〇ポ無しでは生きられない身体にされてしまうかもしれない。

 将来そんな権力者に快楽堕ちさせられないように自分で自分を堕としておかなければならないのだ。

 単純に考えて、人が浮気をしてしまうのは恋人や伴侶とのセッ〇スが浮気相手とのセッ〇スより気持ちよくないからだ。

 大事な人を裏切っているという罪悪感やいけないことをしているという背徳感もまた快感に一味加えているのかもしれないが、それも加味したうえで恋人や伴侶とのセッ〇スが一番気持ちよければそのうち浮気はやめることだろう。

 それと同じで、快楽堕ちさせようと権力者がどれだけセッ〇スの上手い人物をけしかけてこようと、それがオ〇ニーよりも気持ちよくなかったとしたら意味はないだろう。

 まあ私は死んでも男とセッ〇スする気はないのだが、相手も私の嗜好を調べておチン〇ンの生えた女の子を用意してくる可能性もある。

 女は痛みには強くても快楽には弱い。

 痛みに耐える訓練を受けたような諜報員ですら快楽の前には100%屈服してしまうというのは常識だ。

 これはひろしが薄い本から得た知識なので間違いないはずだ。

 そういった状況に陥った場合を想定して快楽に耐える訓練は必要だろう。

 そして訓練は、毎日の積み重ねが重要なのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る