第23話 アプデ終わってたわ
──
……そんなこんなで雑談も盛り上がり。二時間ほど時間は経過したんだ。
「ふー。結構喋ったね。ちょっと疲れてきたよ」
『おつかれ』
『終わる流れかな?』
『もっと喋ってくれ』
『そういや、ルイもレイちゃんの恋バナ配信出るんだね。意外だわ』
「ルイも配信出るんだね……あ、そうそう。来週のレイの恋バナ配信、俺も出ます。多分レイのチャンネルでやるのかな? だから暇な人は見に来てくれると助かるよ」
丁度いいコメントを拾った俺は、コラボの宣伝をしておいた。そしたらみんなは、結構喜んだ反応をしてくれたみたいで……。
『おっ』
『コラボやったー!!』
『ルイが恋バナすんの?』
『ルイは俺らの仲間じゃなかったのかよ!』
『ルイってモテそうだもんなぁ……」
ちょっと勘違いしてる人もいるみたいなので、俺は訂正を加えておく。
「ああいや、俺の恋バナはしないぞ? 視聴者から恋愛相談を募集して、それに対して俺らがヤイヤイ言うだけって、レイからは聞いてるからな」
『草』
『ヤイヤイってなんだよ』
『解決はしないのか……』
『ルイの恋バナも聞かせてくれよー』
『マジで悩んでる人は、レイちゃんに送らないだろうからな……』
それは言えてる。あいつが恋愛相談を受けてるどころか、彼氏がいたという情報すら耳にしたことが無いからな。まぁ単に俺が、アイツの情報を知らないだけかもしれないが……。
「まぁ……レイやリリィはともかく、俺は本当に恋愛したことないからさ。まともなアドバイスとかは期待しないでくれよ?」
『ほんとにぃ?』
『嘘だぞ。絶対ルイはモテてるぞ』
『イケメンなのに!?』
『もしや鈍感系か?』
『今ならまだ間に合うから、白状するんだ!』
「白状するも何も、本当なんだから仕方ないだろ……まぁラブコメ漫画やラノベは、結構読んできた方だとは思うけどな」
『本当にこっち側なのか……!?』
『仲間なのか!?』
『信じていいんだな!?』
「信じるも何も、俺はお前らとそんなに変わらないと思ってるぞ……みんなご存知の通り、俺はゲームとラーメンが好きなただの高校生だからな」
『ただの高校生(魔法学校首席)』
『俺らに魔法は使えないんだよなぁ』
『俺らにも魔眼は宿っていた……?』
「まぁその辺は深く考えないでくれ……」
そう口にしている最中……俺はひとつのコメントに目が止まったんだ。
『なぁルイ、そろそろアプデ終わったんじゃないか?』
「…………あっ。マジで忘れてた……そうだよ!! 俺はアプデのために雑談してたんだ!! ホントは雑談配信の予定じゃ無かったんだよ!!」
『草』
『やっと思い出してて草』
『俺もすっかり忘れてたわ』
『終わったか確認してくれ』
「ああ、すぐに確認するよ……」
俺はまたアーペを開く……どうやらアプデは終わっていたらしく、いつものタイトル画面が表示されたんだ。
「うん、ちゃんとアプデ完了してるみたい。えっとそれで……どうする?」
『やろう』
『やってよ』
『やらないの?』
『腕前見せてくれ』
どうやらみんな期待してくれてるらしい。そろそろ配信を終えるつもりでいたのだが、これに応えない訳にはいかないだろう。でもまぁ普通に明日も早いので……。
「じゃあ……一回だけな? 一回だけやって、今日は終わりにしよう」
『いいね』
『やったああああ!!!』
『おけおけ』
『きたあああああああああああ』
そして俺はアーペのロビー画面で、マッチの設定をしていった。
「流石にランクマッチは怖いから……カジュアル(ポイント変動のないモードのこと)に行こうか。人数はデュオ(二人チーム)でいいか……」
『ほう?』
『何でデュオ?』
「だって俺下手だからさ。被害に合う仲間は少ない方がいいかなって思って……」
『草』
『ネガティブ過ぎないか?』
『らしくないぞ、ルイ』
『レイちゃんをボコった時を思い出せ』
「いやぁ……どうもFPSゲームだけは苦手なんだよね、俺は……」
言いつつ準備完了のボタンをクリックして、マッチを探す……まぁ多分すぐにやられて終わるだろうが、呆気なく終わるのも面白いかもな……なーんて考えていたのだが。そんな考えは、数十秒後にぶっ壊されるのだった。
「よし、マッチしたぞ。さて味方は何のキャラを使うのか……ん?」
俺が言い終わる前にコメント欄がザワつく。間違いない、これは有名人とマッチした時に起こる流れだッ……!! そう直感した俺は鼓動が早くなる……やべぇ、誰が来たんだ……!? 俺は下に表示されているプレイヤーネームを確認した────
『あ』
『お』
『ええ!?』
『マジ!!!??』
『マジかよ!!!!??』
『本物!!??』
『きたああああああwwwww』
『来夢ちゃん!?』
「『蓮見来夢|Raimu|スカサン』…………って。う、うそぉぉ……!?」
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