第2節

放課後、私は掃除をしていた。

掃除なんてしてもしなくてもバレないとサボる青木と、叱る班のメンバー達。そんないつもの風景をよそ目に、黙々とモップをかけていた。


“いつも”の風景。

特別なものになることもなく掃除の時間は過ぎていく。”いつも”のように掃除を終え、”いつも”のように帰り支度をする。

「○、帰ろーぜ」”いつも”のように青木に呼ばれ、私は「いいよ」と返す。この何気ない日々が幸せって言うのかな、なんて考えながら教室を出る。








「あれ?今青木くん、Øの事、◯って呼んで」

「覚えてない〜!てか、ゆの前髪切ったっしょ!かわいい」

「かなにも言われたんだよね〜、ありがと」





私の知らないところで、特別な日々がいつも通りに過ぎていく。

私が見ている”いつも”は、私が意図的に作り出しているものなのだ。

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