第2夜 仮病(けびょう)
「やあ、久しぶり」
「元気だった?」
「元気じゃないよ。ちょっと聞いてくれよ」
「どうしたの?」
「俺さ、昨日、
「え!今日はよく外に出られたね。もう大丈夫なの?」
「飼い主の目を盗んで、自分で窓をこじ開けて家から
「注射とか、痛いやつ、されちゃった?」
「いや、いろんな所触られたり
「どうしてバレちゃったの?」
「おれ、後ろの足を痛そうにして地面につけない、って
「ところで、何でそんなことしたの?」
「だってよ、最近は仕事が忙しいらしくて、飼い主にはちっとも相手にしてもらえないし、つまらなくてさ。俺としては、やっぱり
「君って、意外と寂しがり屋さんなんだね。まあ、僕でよければ、
「何だお前。
「それはどうも。話してみないと分からないもんだよね。きみもヤマネコに似ていて顔が怖そうだな、なんて内心では思っていたけれど、案外
「ふふ」
「ふふふ」
「今日の集会は僕たち2匹だけだったね」
「おう。まあ、たまにはいいんじゃないか。こんな夜も」
「ぼく、飼い主に添い寝をしてやらないといけないから、そろそろ帰る。じゃあまた、つぎの夜に」
「おう、またな。俺は晴れの夜にしか来ないからな。お前も本当の病気と動物病院には気をつけろよ」
「今の所、仮病なんてやる予定はないけど、もしやる時には左右のどちらの足にするのか、よく考えてからやるようにするよ。君の話、とても参考になったよ。ありがとう。あと、注射さえ無ければ、ぼくは動物病院の先生のこと、結構好きだよ」
「
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