取り立て

 獲得したスキルをスキルポイントに変換して取り立てます。


 掃除スキルLV3……スキルポイント60に変換。取り立てました。


 料理スキルLV3……スキルポイント60に変換。取り立てました。


 皿洗いスキルLV2……スキルポイント30に変換。取り立てました。




 * * *



 ――朝、目が覚めた。


 なんか嫌な夢を見たな……。せっかく覚えたスキルが消えちゃう夢……。


「ステータス」


 上半身を起こして例の言葉をつぶやき、現れたウインドウを見る。


 昨日覚えたはずの掃除スキルと料理スキルと皿洗いスキルが消えてる!? せっかく覚えたのになんでだよー! 慌てる俺にノエルが答える。


「差し押さえられてる分が取り立てられたんだよ。スキルポイントのマイナスも減ってるでしょ?」


 確かに、-10000だったのが-9850になってる。

 

「うわー、萎えたーせっかく覚えたのにー」


 ばたりと布団に倒れこみ不貞腐れて文句を垂れる。


「スキルポイントのマイナスを無くせば覚えたスキルは消えなくなるよ。天才スキルの恩恵でスキルを覚えるスピードが異常に早いんだから10000のマイナスぐらいすぐに返せるよ」


 ノエルは励ましてくれているのか。


 そうだよな。色々家事をやりまくっていたらスキル覚えて、スキルレベルアップさせてスキルポイントを完済すれば強くなれるかもしれない。俺Tueeeeeとハーレム実現のために頑張るぞ!




 * * *




 朝食後、オウデルさんが街に行くのを見送った後、俺はアイリに頼んだ。


「家事とか、何でもいいから俺にやらせて欲しい」


 アイリは可愛く笑って俺に言う。


「やる気だねー、やってくれるなら助かるよ」


 アイリに指導されて家事を色々手伝った。家事をやっていると洗濯、掃除、料理、皿洗いのスキルを次々と覚えることができた。


 家の中の家事が終わった後は外に出て、薪割り、畑仕事もアイリに教わりながらやった。すると薪割り、農夫スキルを覚えた。


 次々とスキルを覚えスキルLVが上がるのでやる気は出る。ただし体力が0なのですぐにバテる。休み休みでも精一杯頑張った。




 一日頑張ってみて分かったが、ステータスオール0でも日常生活にはひとまず問題ないようだ。


 始めはHP1という事でビビりながら行動していたが、ナイフが指に当たっても絶対防御スキルのおかげで怪我はしないし、日常生活で疲れた程度ではHPは減らないみたいなのでひとまず安心だ。


 夕方、オウデルさんが帰ってきた。白いダイアウルフの毛皮は1000万イェンで売れたとほくほく顔だ。


 夕食は昨日より豪華で、美味しそうな肉がメインだった。オウデルさんは「ちょっと高い酒を買ってきた」と、ちびちびやっている。アイリが俺の方を見て声を掛ける。


「カイトは働き者だね。ずっとここにいてもいいよ」


 美少女に褒められて思わず頬が緩んでしまう。


「ありがと、そうさせてもらうよ」

 



 * * *




 自分の部屋に入り布団に横になる。さてステータスでも確認するか。


 名前      カイト 


 レベル       1


 HP        2 

 MP        0

  

 体力        1 

 筋力        1

 魔力        0 

 反応        0 

 俊敏        0

 器用        1

 

 スキルP -9850 (差し押さえ中)

 

 所持スキル 


 アイギスの盾 天才 物知りさん アイテムボックス


  洗濯LV2 掃除LV5 料理LV4 皿洗いLV2 薪割りLV3 農夫LV3 



 よしよし、スキル増えてるな! あれ、ステータスも少し増えてる?


「限界まで体を酷使し続けるとステータスが徐々に上がるよ。でもたった一日で上昇するのは天才スキルのおかげだね」


 俺Tueeeee&ハーレムに一歩ずつ近づいているなと満足した後、一日の疲れを癒す為にぐっすりと眠ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る