見つけた背中

プレイヤー名:クロセ

職業:冒険者


LEVEL15


HP:2400

MP:240


STR(筋力値):10

INT(知力値):5 

DEX(器用値):6  (+20)

AGI(敏捷値):10

VIT(体力値):9

MND(精神値):5


ステータスポイント:残り0ポイント

罪ポイント:【0】


skill:

片手剣LEVEL5

冒険の技術LEVEL10

冒険の知恵LEVEL9

冒険の記録LEVEL10


装備 :ソード 始まりの革装備一式

所持品:『始まりの街』マップ HPポーション(小) MPポーション(小)

所持金:10000G


取得称号一覧

【転職者】

【開拓者】




《スキル説明:片手剣スキル》


片手剣での攻撃にボーナスダメージ。

そして、片手剣を装備している間のみ以下の武技が使用できる。


『スウィング』

MP10を消費し、剣を振る武技。

振りかぶった状態で発動可能。



《スキル説明:冒険の技術》

冒険者専用スキル。

以下のスキルを使えるようになる。

レベルが上がると使えるスキルが増加。


『フラッシュ』

MP10使用。

手、あるいは武器を持っている場合は武器から眩い光を放ちプレイヤー、モンスターを怯ませる。

またモンスターに使用した場合、狙われやすくなる。

再使用時間30秒。


『ランスケープ』

MP20使用。

AGIが増加し、走るスピードが大きく上昇する。また、敵から追いかけられている場合更に上昇。

再使用時間1分。効果時間10秒。


『ブレイブハート』

MP30使用。

STR・AGI・VITが増加。

敵との距離が遠ければ遠い程効果が減少。

HPが低ければ低い程さらに増加する。

再使用時間3分。効果時間20秒。




《スキル説明:冒険の知恵》

冒険者専用スキル。

以下のスキルが常時発動されるようになる。

レベルが上がると使えるスキルが増加。


『マップ・アップグレード』

本来の地図よりも、より多くの情報が載った地図を使用できる。


『ドロップ・アップグレード』

アイテムドロップ率が上昇する。



《スキル説明:冒険の記録》

冒険者専用スキル。

DEXにボーナスステータスが追加される。

また、歩けば歩くほど経験値を取得できる。

自身がまだ歩いていない場所であればより増加。



「うん、こんなもんだろ」


色々スキルを確認して、ステータスを割り振った。

心なしか身体が軽い。筋肉も……増えたかもしれない。

というか、『ドロップ・アップグレード』ってかなり凄くないか……?


まだ掲示板の人達は気付いていないんだろうか。

今日のプレイが終わったら教えてあげよう。


《グリーンタートル LEVEL25》

《グリーンタートル LEVEL25》

《グリーンタートル LEVEL25》


「亀多いな……」


ノロノロと歩く亀に足が触れないよう歩いていく。

もし触れて敵対したら面倒だし、時間も食うから気を付けないと――



――『コ、オ…………』――


――「……くっ、早すぎだろ!!」――



なんて、思って歩くこと数分。

出くわしたのは。


《ダガー LEVEL26 罠士》


《『闊歩する大地グラウンド・トータス』 LEVEL25》



「っ、だっダガー!?」



あの時――屋根の上で見た彼。

レベルはもうすでに見た事ない所まで進んでいて。


同じ場所に居るどデカいそれは、亀とは思えない程に暴れていた。

HPは既に10%より下だが、まるで生命力に溢れている。

その巨体から伸びる四つの手足で地面を叩き――小さなその罠士を追い詰める様に追い掛けていた。


『――コ――オ――!』

「やっば――」


そして、彼が地面に足を取られ――転ぶ前に。

オレは衝動のまま駆け出していた。



「間に合え――!」



後の事なんて知らない。

こんなバカデカい敵に勝てるなんて思ってない。


けど。今、立ち尽くすのは違うと思っただけだ。



「こっちを向け! デカ亀が――」



ジャングルの中。

オレはいつものように剣を掲げた。




「――『フラッシュ』!!」








ダーティーキッズを倒してから、HPが40%残ったグラウンドトータスに奮闘。

しかし今は奮闘どころか手も足も出ない。


簡潔に言おう。

コイツはヤバい。


『闊歩する大地』、HP10%まではぶっちゃけ『壁』だ。

逆に言えば、10%を切った瞬間『化け物』になる。

そんな化け物になった大亀の攻撃パターンは主に2つ。


①……頭、手足全てが甲羅の中に収納され、その場に留まり高速回転して攻撃を行う。

グリーンタートルと一緒じゃないか……なんて思うなかれ。

『大きさ』というものは――それだけで脅威なのだ。


この攻撃をしている間は、周囲の地面は常に大きく揺れる。ぐわんぐわんと。頭痛がしそうな程。

近寄って攻撃なんて出来るわけもない。

触れれば即死亡。確実に。


②……移動・倍速モード(手足の振り下ろし)。


コレまでの攻撃でも手足による振り下ろしはあった。

しかし、コレは今までのものとは訳が違う。

移動スピード、倍速以上。マジで化け物だ。


とにかく早い。隙を狙って攻撃なんて出来るわけがない。

できるとしても死を覚悟しなければ無理だ。

やろうと思ったがリスクに似合わないのでやめた。


というか――回避すら必死。なんせ地面が常に揺れているので、移動すら苦しい。

集中力が切れた瞬間、容赦なくその手は地面をたたき下ろす。



『――コ――オ――』


「ッ、くそ――」



そして一番の問題点。

この攻撃に共通する事項として、大きな『揺れ』がある。


常に地面が揺れている今、空瓶に地雷を詰めるという作業が出来ない……つまり地雷グレネードが使えない。

よって遠距離攻撃ができないのだ。覚醒前の状態ならそこまでだったんだが。

今は無理!


罠を設置しようにも即破壊。

頼みの綱の地雷は、地面が揺れる事で『ハネて』俺に当たる危険もある。


残りHP10%は、これまでの90%よりも億劫なモノになっている。



「身を引くか――? ここまで来て?」

『――コオ――!』


「うぐッ!! っぶねえ!」



永遠と続く巨大な手の振り下ろし。

ギリギリでジャンプしながら回避、そして走る。

精神は既にギリギリまで追いやられ、集中力も欠けてきた。



『コ、オ――――――』


「――くっ、早すぎだろ!!」



HPはあるが、一発食らえばほぼ終わり。

そしてその時は来てしまった。



『――コ――オ――!』


「やっば――」



本当に終わるときは一瞬だ。

揺れる地面に足元は取られ――空が目に入っていく。


不思議と楽だった。

悔しさはあるが、どこか救われる感覚。

この地獄からようやく抜け出せる。 


…………ああ、ようやく終わるのか。

まあアイツら倒せたし別にいいか。

レベルも上がったしな――



後ろへと倒れ行く俺の体。

そして迫るであろう次の一撃に。



「――――こっちを、向け――」



目を瞑った。

でも次に聞こえたのは、本日二度目の『死亡』アナウンスではなく。


遠く――それは、聴いた事がない者の声で。



「――『フラッシュ』!!」

『コ――オ――?』



《クロセ LEVEL15 冒険者》



「えっ誰」



迫る一撃は来ず。

その声の方向に目をやれば――そのプレイヤーが居たのだ。

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