『復讐開始』
《プレイヤーキルにより死亡した為、デスペナルティは発生しません》
《グリーンエルド・闇市でログインしました》
《チャンネル移動を行いますか?》
「『いいえ』……まずは空瓶の確保。それから――」
不思議と頭は冴えていた。
やるべき事が、不思議と勝手に浮かんでくる。
眺めているのは『旅の記録』。
これまでの検証結果から、使えるものを抜き取り並べる。
「『実戦』への投入は初めてだな、上手くいけば良いんだが――」
楽しみで仕方ない。
俺は、手早く雑貨屋に向かった。
☆
《グリーンエルド・戦闘フィールドに移動しました》
「……ッ」
走って森林を駆けていく。
死んだ後、チャンネル移動を聞いてきた……という事は俺とアイツらは同じ場所に居る。
場所は何となくだが覚えている。
あの時、甲羅の上で寝転がってる場合じゃ無かった。
だが同じ世界に居るのなら、きっと辿り着く。
いや。何が何でも追い付く。
奴らの狙いは恐らく『大亀』。
グラウンドタートルが死ぬ前に着かないとゲームオーバー。
大丈夫、そんな遠い場所じゃなかった。
「『同時罠設置』――」
だが、焦っていても仕方ない。
両手に空瓶をセット。
《地雷を設置しました》
「よし」
二つ地雷グレネードを作製……不意の急襲にも備えておいて。
地面に座り、耳を澄ませる。
鳥の鳴く声。
葉が靡く音。
流れる風の音。
「……『罠設置』」
このジャングル、色んな音が多すぎる。
なら。
《落とし穴を設置しました》
《落とし穴が発動しました》
「ッ――」
落とし穴に落ち、そこに座る。
俺が居るのは当然『穴』。
周りの音は消え、聞こえるのは上空からの音のみ。
そしてもう一つ――『地面が、揺れる音』。
まるで居場所を教える様にそれは聞こえる。
マップを見て、一応確認。
「あっちだな」
さあ、北北東に進路を取れ。
口元に笑みを浮かべながら――その目標へと足を向ける。
「復讐開始と行こうか!」
……そんな鮮やかに言うもんじゃないな、これ。
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