毒罠とステータス


《リンカ様のパーティに招待されました》

《リンカ様のパーティに加入しました》


「なあリンカ。とりあえず俺ステータスとかスキル見ても大丈夫?」

「良いぜ」

「ありがとう」


「……先狩っとく」

「おう」

「……」

「?」

「な、なんでもない!」


じっと見てくるリンカに顔を向ければ、近くに居たノーマルビットを標的に走って行った。

最初こそアレだったけど、意外と普通の奴だな。クソガキだけど。



プレイヤー名:ダガー

職業:罠士


LEVEL8


HP:1900

MP:190


STR(筋力値):7

INT(知力値):5

DEX(器用値):6

AGI(敏捷値):11(+10)

VIT(体力値):5

MND(精神値):5


ステータスポイント:残り0ポイント

罪ポイント:【21】


skill:

罠設置LEVEL8

体術スキルLEVEL1

素手戦闘スキルLEVEL1 

隠密スキルLEVEL1 


装備 :始まりの革装備一式

所持品:『始まりの街』マップ HPポーション(小) MPポーション(小)

所持金:12000G


取得称号一覧

『罪を背負いし者』

『初めてのプレイヤーキル』




ステータスはAGIよりに。

この職業は走って逃げてを繰り返す。

当然回避も。一番の恩恵はこのステータスだろう。


後は近接攻撃もダメージソースになるからSTRに少し。

DEXは……迷うんだよな。これ、影響があれば考えるんだが。遠距離攻撃とかしないし。


……まあ良いや。とにかく1だけ振っとこう。後はスキルだな。



《スキル説明:罠設置》


罠士専用スキル。罠を設置出来る。

レベルが上がると設置出来る罠の種類が増加する。


『落とし穴』

プレイヤー、モンスターが触れたら発動。

設置場所の下に落とし穴が生成される。


『毒罠』

プレイヤー、モンスターが触れたら発動。

触れた対象に状態異常:毒を付与。

耐性がある場合は蓄積。


《現在設定されている罠》


1……落とし穴

2……毒罠



《スキル説明:高速罠設置》


MP10を消費し、一秒で罠を設置出来る。

リキャスト30秒。



《スキル説明:体術スキル》


AGIにボーナスステータス。

身体が動かしやすくなる。



《スキル説明:素手喧嘩スキル》


武器を持たずに攻撃した場合、威力が上昇する。

武器を持たない場合にのみ以下の武技を発動できる。


『ストレート』


使用MP10。

至近距離の対象に、拳を前方に突き出し殴打を行う。

片腕を振りかぶった状態で発動可能。



《説明:隠密スキル》


プレイヤー、モンスターから見つかりにくくなる。





「いや、罠増えてる……! しかも高速罠設置だと?」


毒罠、素晴らしい響きだ。落とし穴には劣るけど。

それにもう一つ素晴らしいスキルが。これは罠士にとって相当デカいぞ。

下の二つは優先度最低なのでまた今度。ステータスに+10とかあったから何かと思ったら体術スキルの影響か。



「『罠設置』」



早速、そう唱えると――



《おめでとうございます、貴方は罠設置のスキルレベルを上げた事により設置出来る罠の種類が増えました》

《チュートリアル・罠設置Ⅱを開始しますか?》

《チュートリアルはいつでもメニューから再生できます》


途端に流れるアナウンス。

……これ戦闘中とかじゃなくて良かったな。


流石にこのチュートリアルは受けておこう。



「『パワーショット』! 二枚抜き!」


《パーティ経験値を取得しました!》

《パーティ経験値を取得しました!》



あ、リンカがモンスター倒したっぽい。

ほんと凄い動きだなアイツ。アレで高身長だったら惚れちゃいそう。

悪いな。もう少し待ってくれ。



「受ける」


《承知しました。まずは普段通り罠設置スキルを発動して下さい》


「『罠設置』……!」


《親指の先に落とし穴のアイコン、人差し指に毒罠のアイコンが表示されているのが分かりますね?》

《どちらか一方の指だけを伸ばし、他の指は全て折りたためば、伸ばした指のアイコンの罠が設置されます》

《もしくはアイコンを片方の手でタップ、また『1』、『落とし穴』と唱える場合でも発動できます》


「……ま、一番早いのは最初の『指』の発動だな》


《あなたに合った方法で発動してください》

《それではチュートリアルを終了します》



「……検証したい事だらけじゃないか」

「へー、そんな感じなんだなァ」


気付けば横にリンカが居た。

えっ聞かれてたのか? 


というかすぐそこに居たのに全く気付けなかった。怖いな。忍者かよ。


「すまん、大分待たせた」

「別にテメェが居なくても戦力的に十分だから良い。もう既にウサギ2匹狩った」

「おっ、それじゃ張り切って寄生させてもらおうかな!」

「……リンカちゃんドン引きだぜ」



自分の事、名前+ちゃん付けで呼ぶのもドン引きポイントなんですが。

流石にそれは言ったら可哀想だ。

それに気付くのは大人になってからで良い。


「あははははッ、中学生が喜んで使う記号みたいな奴さっさと手伝え!」

「……」


やっぱり言ってやろうか。

でも待たせたのは悪いから止めておこう。


将来、枕に顔を埋めてバタバタするんだな!




【パーティー】


メニューからパーティー申請を実行、特定のプレイヤー名を入力しそのプレイヤーが受諾すると『パーティーメンバー』となり、

プレイヤー、モンスターなどを倒した時の経験値がパーティーメンバーに分配される。

ただし、経験値はパーティーメンバーの人数だけ振り分けられるので注意。

1000の経験値があったとして、二人だと500、三人だと333.3………


またパーティーメンバーが放置など行うと、放置しているプレイヤーには経験値が入らない。AIが判断した【貢献度】により、経験値の分配は決められるからだ。

与えたダメージ量、プレイヤーへの回復、支援など。

一人が6割、一人が4割なんて事もある。

様々な要因で分配割合が決められている。ただし基本的には均等に振り分けられるので、そこまで心配しなくていい。

レベル差が離れていたり、あからさまな寄生プレイ、放置プレイなど行わない限りは大丈夫。


ドロップしたアイテムなどは分配設定から、【自動分配】、【ルーレット分配】、【貢献度分配】などで弄る事ができる。喧嘩しない様に注意しよう。一応だが、パーティーメンバーへの攻撃はフレンドリーファイアとして処理される為PKペナルティは発生しない。もし明らかに悪意があるフレンドリーファイアを受けた時は、即座にメニューから【パーティ脱退】を選択しよう。



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