第9話 アリストクラシー
『別にいいヨー、次の「課題」の準備はもうできてるからね。じゃあ、さっそくやろうかにゃ!』
昨日クラスメイトたちが決めたこと。
どんどん『課題』をクリアして、とっとと『ポイント』を1000pt集める。そして、こんなところを一刻も早く脱出する。
それにそもそも食料が持たない。第一の『課題』で得た『コイン』が100枚。食料(と言っても味のしないレーションと苦いゼリーだが)は30人分で『コイン』10枚。一日二食でも、一日で『コイン』20枚。それが七日なら140枚。100枚をオーバーしている。ならば食料を確保するためにも『課題』をクリアして『コイン』を得るしかないのだ。
『じゃあ、次の「課題」のルールを説明するゾ♡』
第二課題『貴族と奴隷』
ルール
①クラス全員は『貴族』と『奴隷』のどちらかに分かれる。なお、『貴族』と『奴隷』の人数は同数。
②『貴族』と『奴隷』で二人一組のペアが作られる。
③『奴隷』は三日間、『独房』の中で過ごす
④『貴族』は一日三時間、『独房』の中でペアの『奴隷』と過ごす。
『ちょーと複雑だから少し補足説明するね。こっちの方でみんなのペアと役割——「貴族」か「奴隷」は決めるから大丈夫! で、「奴隷」は「独房」で三日間過ごしてね。なんと、それだけで今回の「課題」は無事クリア!! あっ、でも「貴族」は自分のペアの「奴隷」と、「独房」の中で一日三時間過ごしてね。その三時間は自由に過ごしてもらって構わないからにゃ』
おかしい。それだけで『課題』クリアなんてヌルゲーにもほどがある。必ず何か裏があるはずだ。
『で、あともう一つ。キミたちの「首輪」には爆発する以外にもう一つ仕掛けがあります! なんと、電流も流れるのです!! まあ、死なないから大丈夫だヨ。ただ死ぬほど痺れるけど。で、「奴隷」の首輪の電流のスイッチはペアの「貴族」に預けるからね。「貴族」が「奴隷」と「独房」で過ごしている間なら、「貴族」はそのスイッチを使えるからね』
やはり裏があった。こいつらが生易しい『課題』なんて用意するはずない。これは、『奴隷』か『貴族』かで命運が分かれるな。
『じゃあ早速、みんなの役割とペアを発表するヨー。じゃーん!!』
ふざけた声と共に、ホワイトボード——レイユの横にクラスの名前がずらりと並べられる。
奴隷 貴族
中島啓介 豊田花江
久野島愛菜 上崎湊
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姫神妃君 朝水晴香
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『横に並んでいる人とペアだかねー。さあ、第二課題「貴族と奴隷」スタートだよ☆』
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