詩は川

 すきな詩を読んでいると

 いてもたってもいられなくなり

 きづけば詩集を置いて筆をとっている

 まるで川の流れだと思う


 おれは詩人の思考の奔流に舟を浮かべる

 詩の流れはさまざまな景色をおれに見せる

 うつくしい街並み うすよごれた橋 しずかに揺れる樹木たち

 ひかる世界


 そしておれは詩の川から分かたれた

 自分だけの

 もうひとつの川をみつける

 街並みが 橋が 樹木たちが

 みつけさせてくれる


 おれは櫂をとり新たな詩の上をゆくだろう

 その流れはやがて誰かの舟をのせて

 ふたたび詩の支流を育むだろう


 そうやって幾億の川は生まれゆき

 だけどおれたちは知っている

 この旅の果てに

 海があることを

 たったひとつの

 海があることを

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