第21話 「レイカ?次は、アムロ、いっちゃえ」「公安警察」「バーボン?」「違うよ」「フルヤレイ」「やめなさいって」カラオケボックスのJKは、強かった。

 「じゃ、ゆれてみる?」

 リズムに合わせて、身体をゆらして…。

 「良いよ、レイカ?」

 「良い、良い!」

 曲の世界に入った方が、審査員ウケも、良いというわけか。

 レイカなりの振り付けが、新鮮。完コピでないほうが、良いっていうことも、あるんだな。

 「良いよ、レイカ?」

 「うん。アイドルには、個性的も、キーポイントなんじゃないの?」

 この、個性的というのは、悪い意味で言ったわけじゃなかった。今どきの子は、正直なのさ。

 「個性的だよね」

 「それ、どういう意味?」

 みたいな言い争いにならなくて、良かったね。

 …一曲、歌い終わった。

 「レイカ?次は、アムロ、いっちゃえ」

 「アムロ?」

 「うん」

 「公安警察」

 「バーボン?」

 「違うよ」

 「フルヤレイ」

 「やめなさいって」

 「FBIに、コロンバインの花が、届きました」

 「あったねえ」

 「コロンバインの花言葉は、勝利とかっていう意味の他に、あの方が気がかりっていうのが、あります」

 「そなの?」

 「あの方…!」

 「あの方…!」

 「でも」

 「わかっているよ、レイカ?」

 「え?」

 「アユが、1番良いんでしょ?」

 「うん」

 「なら、オーディションのときは、アユだけ歌えれば、充分じゃないの?」

 「なら、わかやま」

 「アユ限定で、アピールだ!」

 「いけるって!レイカの得意なのは、テニスだけじゃないんだ」

 「言うなあ」

 「レイカ?テニスは、アピールするの?」

 「テニス、得意でしょ?蝶のように舞い、ハチのように刺す!」

 「それって、キュベレイ?」

 「キュベレイって、何?」

 「わかんないけれど、お父さんが、言ってた!」

 良い気分。

 こんなにも乗り気で歌えたのには、恋のストレス解消を、したかったからでもあった。

 私は、テニス部に入っていた。

 テニス部は、人気の部。

 部員は、50人近くもいた。女の子は、30人以上。

 そんな、ある日…。





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