第7話 大人なアイドルは、言葉遣いにも気を付けたほうが良いらしい。「その言い方、幼稚じゃないの?」って思われがちなのは…これ!

 友達に、LINEを飛ばしてみた。

 「おひさ」

 「おっつー」

 「レイカだねえ?」

 「変なの、届いた」

 「変なの?」

 「変なの?」

 「うん」

 「学校の先生?」

 「そういう意味の、変なのじゃないよ」

 「えちえち脳」

 「チホーコームイン」

 「やめて」

 「どした?」

 「どした、レイカ?」

 「非正規っていうので、がんばっている先生もいる」

 「じゃ、やめておく?」

 「でさ、困りごと」

 「何?」 

 「応募が、受け付けられちゃったらしい」

 「応募?」

 「何の?」

 「アイドル審査だって」

 そのくらい、LINEじゃなくって、会話すれば良いじゃないかと思われるかもしれない。けれど、私たちにとっては、フツーの、真剣なやりとり。

 「ただいま」

 2時間くらいして、母親が、帰宅。

 「お母さん、夢じゃなかったね」

 「そうよ?」

 ちな、私は、お母さんのことを、母親だといった。会話の中では、ほぼほぼ、お母さんと、呼んでいたけれど。

 使い分けできると、大人。

 「お母さん、母親、どっち?」

 この使い分けができないと、幼稚。

 でも、世代間ギャップ?

 使い分けられない大人も、増えた。そういう人でも、シューショクとかできてしまう、現実。

 「ねえ、お母さん?」

 個人的な会話では、お母さん。

 「私の、母は…」

 人前で使うときは、母。もしくは、母親。

 その母親は、言っていたもんだ。

 「この使い分けができない大学生とかが増えて、情けない。幼稚」

 「レイカ?」

 「何、お母さん?」

 「あなた、気を付けなさいよ?」

 「何が?」

 「今どきは、シューショクっていうのを控えた男子大学生が、自分の母親のことを、人前で、お母さんって、言うものね」

 「何が、おかしいの?」

 「やっぱり、レイカも、そう思うんだ」

 「また、世代いじめ?」

 「お母さんは、悲しいのよね」

 アイドルは、言葉遣いにも気を付けたほうが良いらしい。






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