第6話 アイドルの旅が、本格的に、はじまった!フツーに落ち込んでいたJKも、たくさんのことを経験して、成長していくことになるんです!

 「私基準の、決まり」

 病気ですよ。

 こういう人、困るなあ。バブルさんとかって呼ばれる人は、いつ、日本から、いなくなってくれるんだろう?

 将来、こうなっちゃったら、いやだな。

 自分自身の頭で考えて生きられないと、こういう人間に、なっちゃうらしい。   

 「お客様?決まりですよ、決まり!」

 バブルのじゃまおばさん…。

 いやだな。

 「あの…」

 「何ですか、お客様?」

 「店内でサッカーをするのは良くて、仕事や勉強は、いけないんですか?」

 「知りません、知りません!」

 あ、逃げた。

 「…お客様?決まり、ですから」

 これって、本当の本当に、病気の1つらしい。

 決まり病。

 マニュアル病。

 「あの…」

 「何ですか、お客様?」

 「血だらけになって、イートインコーナーに座り込んできた人がいたとします。そういう人にも、出ていけって言えるんですか?」

 「ええ。本社からの、決まりですし」

 マジか。

 「あの、お客様?」

 「…帰ります。帰りますよ!」

 参ったなあ。

 バブルのじゃまおばさん、か。頭と心、いっちゃっているし。

 「バブルの人たちって、いつ、日本から、いなくなってくれるんだろう?」

 それ。

 本当に、わかるよ。

 「あの…、お客様?」

 「帰ります、帰りますよ!」

 帰宅。

 悲しみの中の、団地部屋で。

 キッチンのテーブルの上に、届けられ済みの、あの、謎の受付通知が置かれていた。

 「あなたの応募を、受け付けました、かあ…。夢じゃあ、ないんだな」

 中身を、ちゃんと、読んでみた。

 「審査には、時間がかかると思いますが、よろしくお願いします?レイカさんには、いくつもの可能性があります?我が事務所で、アイドルデビューを、目指しましょう…」

 私なりの旅が、はじまった。

 ここから、たくさんのことを経験して、成長していく。きゅんとした気持ちが、芽生えていくんだな!






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