第5話 JKは、バブル病に疲れています。「お客様?本社からの、指示ですよ?わかりませんか?」って言われても、私たち、エスパーではないので。

 「レイカ?何しに、いくの?」

 「学校からきた課題、やりにいく」

 「あの場所、で?」

 「私たちの、テレワークだから」

 「バブルのじゃまおばさんがいたら、どうするの?」

 「…何、それ?」

 「早く、日本からいなくなってほしいっていわれる人たちよ」

 「ふうん」

 「あの人たちに会っちゃったら、何を、言われるか」

 「平気、平気。国が、テレワークをやれって言って、実際、サラリーマンが、あの場所で書類広げている」

 「みたいね」

 「それなのに、JKが、課題を広げて悪いとは思えない」

 「そっか」

 「怒られたら、日本が悪い」

 「…制服着て、いきなさいよ?」

 「何で?」

 「私服じゃ、注意をされるでしょ?」

 「わかってまーっす」

 気楽に、外出。

 「いらっしゃいませ」

 イートインコーナーに座って、課題を広げた。

 1時間くらいして…。

 「ちょっと、お客様?」

 コンビニの店員らしい、おばさんが、近寄ってきた。

 「お客様?」

 「はい?」

 「時間です。出ていってください!」

 「はい?」

 「今は、変なウイルスの社会ですよ?」

 「そうですけど…」

 「この場所の利用は、1時間までに、してください」

 「でも…」

 「デモもストも、ありませんよ」

 いや…。

 あの。

 どこにも、注意書きがされていなかったけど?店内アナウンスだって、ないし。

 「決まり、決まり!」

 あなたが勝手に作り上げた決まりにしばられて、柔軟に、なれない。

 そうか。

 これが、バブルのじゃまおばさん?

 「お客様?本社からの、指示ですよ?書かれていなければ、わかりませんか?アナウンスがされなければ、わかりませんか?」

 ええ。

 わからないでしょうよ。

 私、エスパーじゃないんで。

 「あの」

 「何ですか、お客様?」

 「マスクをしてのリモートワークは、良いんですよね?」

 「リモ…リモート?私の知らない言葉は、ダメです」

 はい?





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