複雑な感情に苛まれる長
会議後、立花は生徒会室に出向いた。システム上、生徒会の顧問はこの立花なのである。
「渡瀬、いるか?」と立花は声を張り上げた。すると最奥にいる1人の生徒が視線を入り口に向けた。現生徒会長 2年1組渡瀬悟である。
「何かご用でしょうか。立花先生」
渡瀬は物腰柔らかな口調が特徴的な青年である。
「いや実はだな、」
立花は事の経緯を全て話した。渡瀬はじっと耳を傾けていたが、全て聞き終わると、
「そういうことならご心配なく。手は打っておきます。」
冷静な声を出して応じた。それを聞いた立花は途端に笑みを浮かべ、
「そうか!では、頼んだぞ」と上機嫌なご様子で生徒会室を後にした。立花が去った後、渡瀬はため息をついた。
「また、改革の芽を潰すのか…」
渡瀬の気持ちを移すかのように生徒会室に漂う雰囲気がだんだん暗くなっていく。もう夜だ。
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