6
主脚がロックされるガツンという衝撃が尻に響いた。脚がきちんと下りているのをコンソールのランプで確認し、トラヴィスはそのまま空母の横を飛び過ぎた。
膝上のニー・ボードに貼りつけた着艦チェック・リストを一瞥する。もちろん、何も見なくても手順は頭に叩き込んでいるのだが、
百八十度旋回すると空母の艦尾に出る。
下から見上げると空母は摩天楼並みに大きいが、鳥の目で見ると池に浮かぶ木の葉のように小さく、その甲板は頼りない。波の揺れるままに、右へ左へと
左舷甲板横に一列に並ぶフレネル・レンズがまたたいて、彼に適切なコースであることを知らせる。
「314、ホーネット、ボール、燃料5.5」と彼はコールする。
『ロジャー・ボール』
LSOの短いコールが返ってくる。
波は穏やかだが、横風を受けて、ホーネットは絶えずトラヴィスに姿勢の修正を迫る。そのたびにLSOの指示が飛ぶ。
自分のいる甲板上にホーネットが突進してくるのを見ている
徐々にスロットルを絞っていく。
空中をすべり降りるように速度が落ちてゆく。レスポンスの良さは驚くばかりだ。
ホーネットは翼を大きく広げて甲板へと舞い降りる――実際には、失速しない程度に甲板に突っ込む、というほうが近いのだが。
車輪が甲板に接触するかしないかのうちに、スロットルをいっぱいまで押し込む。
接地するかと思った瞬間、ホーネットはふたたび空に駆け上がっていった。典型的なタッチ・アンド・ゴーだ。無線ではLSOが『ボルター、ボルター!』と叫んでいる。
トラヴィスはまっすぐ前を見据える。キャノピーに映る光景は、
着艦のときににじみ出た汗が一度にひいてゆく。
千二百フィートまで上昇し、トラヴィスはゆるやかに左に旋回した。空には雲ひとつない。はるか左下に、ぽつんと空母の影が見える。
次の機がすでに脚を下ろし、着艦体勢に入っていた。
『しばらくぶりにしてはやるじゃないか、トラヴィス』
ヘイリー中佐の声がヘッドセットから響く。どこか高みで見物しているのだ。
『さあ、もう一回行こう』
彼はこれを燃料が
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