第34話 いろいろあったんだがなんとか生還してやった
「ねえ、ロワ」
「ん?なんだ?」
作戦も無事確認し、あとはもう少し高度を落として実行するというところで、アリシアがなにやらもじもじしている。
「その、さ。終わったらごほう…ーーああやっぱなんでもない!」
「お、おう…」
そもそも風のせいであまり聞こえないのに、そんななぜか頬を赤くして言われても聞こえるはずがなかった。でも、最後のなんでもない、の部分は鮮明に聞こえた。
「準備はいい?」
「う、うん」
まず第一段階、飛行船の上に着地。と同時に一気に墜とす。
これに失敗すると、俺たちが死ぬか、それとも周りに甚大な被害を出す代わりに生き延びるかのどちらかを選択しなければならない。もちろん生きるけど。
そろそろ俺たちも重力によって落下が速くなり、コントロールが効かなくなった頃に…
「ーーーーふっ!」
右腕を振る。それだけでとんでもないくらいの俺の破壊の魔力が放出された。
それが飛行船に直撃する、はずだったのだが…
「ちっ」
結界が貼られていたのだ。この状況に俺は舌打ちをせざるをえなかった。
このまま飛行船を半壊させて、その壊れたときの上に向けられる爆発の気流でこの落下を制御し、うまく飛行船の上に着地するのが狙いだ。
さっきの一振りで結構な魔力が放出されたはずなのに、小さなひびしか入っていない。
立て続けに振るしかなかったため、そのまま俺は右腕を左から右を振っていく。同時に、飛行船との距離も縮まっていく。
「まったく、ロワはいつもしょうがないんだから…!」
隣から、今度は大きな
「アリシア!プランBで行くぞ!」
「うん!」
これでは、もう被害を出すことは避けられないため俺は地面に向けて全力でかつ、範囲を広くして魔力を放つ。
「死なないでよ!」
「俺もこんなところで死にたかないから安心しろ」
そのままアリシアが反射の魔法を使い、俺の魔力を反射させる。その反射した勢いを使って、俺だけでも先に地上に着地する。ちなみにアリシアは俺が着地してからうまいこと受け止める予定だ。
だが、これはやる側の人間、つまり俺に大きなリスクを伴う。俺の魔力は、性質の通り、破壊に特化している。そのため、あたってしまえば場合によっては重い傷になるかもしれないのだ。
「うぅっっ!!」
さすがに痛いと言わざるをえない。ポジティブに考えるとさすがと言ったところか。アリシアが反射にさらに能力低下を付け加えてくれたため、全身にヒットしても、死なない程度になっている。
過程はともかく、なんとかスピードのコントロールに成功した。一瞬だけ浮く、その瞬間に俺も魔法で空を飛べば問題ない。これなら自分で制御できる。
その後、学園から少し離れた開けた場所で俺は無事あの上空から生還したのだった。
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今日は無事、投稿できました…!
さて、毎日投稿はいつ途切れるのやら(笑)
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