第13話 生徒会のお助けをこれから数日することになったのだが…
放課後、俺は生徒会室へ向かうと、生徒会室に入る前から驚きの光景が待っていた。
「あぁーー」
大量のダンボール。さらに奥には立てて収納されている机や積まれてあるイスたち。
生徒会役員は10人いたら多い方だと聞いたことがある。10人でもこの作業は1週間はかかるだろう。無論、男子役員が少ないと、それ以上だ。
魔法で運ぼうにも、アリシアですら20分くらいすると魔力消費の限界がくるはずだ。
「あ!先輩、こっちですー!」
生徒会室からクリシャが俺に手を振っている。俺はそのままダンボールを避けながら生徒会室に入った。
「やあやあ!君がロワくんだね?」
制服に生徒会長の証である小さいながらもしっかり目立つリボン。男にリボンは恥ずかしいと思うのだが、なにか代わりになるものはなかったのだろうか。
輝いている金髪に、対比が非常に大きい青っぽく見えるが、認識阻害を解けば紫色の目が見える。
その先輩が腕を広げて今からハグでもするかのような勢いで俺に歩み寄る。
さすがに俺よりも背が高く、見下される形になってしまった。先輩とはいえど、やはり見下されると気分が悪い。
「はい。今日はクリシャさんに頼まれてお手伝いしにきました」
「え!?クリシャちゃんが呼んだの!?やるじゃん!」
また1人、生徒会室に入ってきた。今度は副会長だ。
「俺が会長のフェリド。で、今入ってきたうるさい副会長がジェンナだ」
「うるさいってー?誰がかなー?」
瞬きをするひまもなく、副会長が俺たちの間に入って、会長の頰を両手でつねっている。
速度上げをできる限り上達させた俺でも追いつけないほどのすさまじい速度だ。
「誰か来たんですか?って!ロワじゃん!」
「アリシア!?」
最後に入ってきたのはアリシアだった。この4階から、他に気配も感じられないため、アリシアが最後だろう。
「おまえ、最近朝早かったのはこれだったのか」
「あはは…」
別にいいけど。というか、逆にどうしてアリシアまでこの場所に至った経緯が知りたくなってきた。
「それじゃ!みんな揃ったわけだし、作業始めますか!」
「はーい」 「了解です!」
「ロワくんはクリシャと一緒に個数確認をしてくれ。私たちの方は大丈夫だから」
「はい」
おそらく重作業に気にかけていたことを察してくれての言葉だろう。ポーカーフェイスには結構気を配っているはずなんだが…
「あ、あんまりポンポン心の中で呟かない方がいいよ。僕、君たちの思考読めるから」
「は!?」
いや単純にチートだろ。どの口が言ってるんだって話かもしれないが。
「じゃあ先輩、私たちも始めましょうか!」
俺は生徒会室の奥にある数個のダンボールから資料を取り出す。
『教科書 100冊 予備 30冊
ペン 200本 予備 50本』
あまり量は多くない。じゃあ、なんでこんなにダンボールがあるんだ?
「あー!ロワくん!4年に一度教科書とかを大量に買い込む時期があってねー!それでこんなに多いから!」
「いちいち思考読み取るのやめてくださいよ!」
そういうことか。っていうか、ほんとに毎回毎回思考を読み取るのをやめてほしい。というか、その能力ある意味最強なのでは?
「大丈夫だからー!普段この力も長時間使うと僕も大変なことになるからねー!」
また読まれてる…
「先輩、あんまり考えすぎると全部読まれますよ〜頭は真っ白です!真っ白!」
ということらしい。経験者がいるほうがおかしいのだが、クリシャのアドバイスに従って頭を真っ白にする。
そして、俺たちは教科書とペンを一箱ずつ確認し終わるといつのまにか最終下校の時間になっていた。
「はぁ…案外大変だな…」
ため息混じりで呟くと、会長が飲み物を持ってきてくれていた。
「まあ、その代わりに生徒会には特別休暇やその他報酬もあるからね。一概に大変とも言えないものだよ」
「そうなんですね…」
「じゃ、みんな!明日もよろしくねー!」
副会長が鍵をかけると、みんな解散になっていく。とは言っても俺含めて5人しかいないのだが…
「先輩は明日もくるんですか?」
「こんなにたくさんあると、行く気失せるけど…」
「え!…」
「だよな…少なくともここ数日はくるよ」
クリシャの表情変化が目まぐるしい。落ち込んでたのに一瞬で明るくなった。意外とおもしろいと思ってしまった。
「私、これから予定あるので…」
そう言って、クリシャも階段を降りていった。
最後に残ったアリシアと俺は
「ねえ、ロワ」
「どうした?疲れたから早くご飯作ろうと思ってるんだけど…」
「あの子、どこで会ったの?」
「ん?普通に通学路で、初日に道に迷ってたから。道案内しただけだけど」
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いやぁ、もう13パートも出したかと思うと少し感慨深くなってしまう自分がいます。
なろうの方を見ていただければわかると思いますが、今5日間更新してないんですよね…
とまあ、今までコピペしていたお堅い文章はやめて、奇数番号になったら気分でなにか後書きらしきものを書こうかなと思います。
というわけで、★をつけてくれたり、小説のフォロワーが増えるともしかしたら投稿スピードアップするかもしれません!モチベの問題ですが…
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