Sec 2 第19話
――――――――さっき
そして、ミリアはその
しゃがんで、
足も通して、
少し
『EAU』が特殊な
自分が腕を伸ばしたり、体をねじったりすると
肩を広げたりしてみて、動きをぜんぜん
それから、さらにまた
これもまた少し特殊な
首の後ろまで
このウェアは
つまり『ギアウェア』と言っていいのか、なにかの
その黒いスーツを首元まで上げて、ファスナーを閉めて。
これで終わりかと思ったけど、まだ少し残っている。
それを取って
それから、首の辺りまでをカバーする
そして、まだ鞄には服があって。
その黒いギアウェアの上からさらに、少し特殊な形状のツナギを羽織るように着込んでいく。
その首元のファスナーは閉めた、けど、やっぱり楽なところまで下ろして開けておいた。
手足は
このローブの様だったツナギは身体を
それから、最後の確認をして。
着替えを終えたそのままで、個室用のドアを開いた。
ドアの外は
その
「できました?ロックしておきますね」
気さくに話しかけてくれる彼女は、スタッフの1人だ。
ここまで案内してくれたのも彼女、『アライ』さんで、各チームに1人はついたようだ。
彼女が手に持っている
この広めのロッカールームでは、
彼らは別の個室ドアの
「あのー、やっぱやり方がよくわからないんすけど、」
「はいよ、ちょっと待ってて、」
近くのスタッフにそんな声をかける人たちもいて、
カチャン、とすぐ隣のドアが開くのに気が付いた、ミリアは。
振り返れば、ガイが荷物を
「お、早いな」
ガイもすっかり、みんなと同じような
ツナギと、その
「かっこいいな」
って、ガイはこっちへ、ニッと笑って言うけれど。
返事の代わりに、ちょっと口をむいっと閉じたミリアだ。
ガイは、この
まあ、ガイは体格がいいから、こういうものはけっこう似合っていると思う。
そんなことを考えつつ辺りを見るミリアは、と、傍のベンチに
このウェアは、タイトなデザインなので多少の体の線は出るけれど。
その上にゆとりを持ったジャケットというか、ツナギを着ている感じになっている。
素材の表面が少し特殊なのはこういう、なんとなく、
そういう『ギアウェア』と言うようなものは普通に売ってたりするけど、大体そういうものは高かったりするし、スポーツウェアなどのカタログにもよく
ガイは、ブーツの固定を今しているみたいで、だからミリアは目を
ここにいる、こちらのチーム側の人たちで、ただ
それだけだったら、わざわざこんな、大がかりなわけ無いんだろうけど。
相手のチームの人たちには、また別の部屋があるらしいし。
分けられても同じようなことを、一緒にスタッフの人たちが付き添ってるなら、本当に大がかりだ。
今も、何かをやろうとしてる、人たちがたくさん動いている。
「着替え終わったら向こうの部屋へ行ってくださーい」
みんなの前で手を挙げた彼らはここに集まっていて。
まあ、初めてのことに
「――――かえりてぇ・・」
「かんっぜんにやられた・・」
って、そこの横のベンチから聞こえてくる、
よくわからないけど、あのとき、私たちが手を上げたすぐ後、
―――――『ああ、君たちには指名が入っているので参加にしてある。』
『・・・えっ?』
『ガーニィ、だったか、あと・・・』
『え、なんでっすか?』
『頼まれたんだ。心当たりはあるだろう?』
『・・・や、やられたー!』
『お、俺、腹がすげぇ痛いんっす・・・!』
『お腹が?』
『はいっ、おぉいててっ・・』
『ふふ、そうか』―――――――
ていうような会話があって。
そこからまた、ゴネたりもちょっとしてたけど、結局、彼らはここにいる。
「・・・やり過ごせたと思ったのに・・・」
「・・計算されていたんか・・」
「やられた・・・っ」
なにかの
悪いことでもしてきたとか。
まあ、そういう
と、ミリアも心当たりもたまによくあるので、すんなりと
とりあえず、彼らを入れて、
「にしても
って、傍のガイが、ベンチでのんびり聞いてきてた。
ミリアは振り返ったから、ちょっとガイと目が合ってた。
ふむ。
さっき、私が参加の手を上げた話だろう。
それは
けれどガイは、そんな大したことのない、言うほどの事でもないなんて、そんな感じに、いつもみたいに笑って見せるガイみたいだし。
そんな風に少し、見合っていたら。
がちゃり、とドアが開いた音に、ぴくっとミリアは振り返った。
「なぁ、あんだこれ?めんどくせぇなぁ・・、」
まあ、ケイジは当たり前に
というか、『身に
「それつけてないの?」
思わずミリアが聞いたけど。
「よくわからんから持ってきた」
いくつかの
「むぅ・・、まったく」
ミリアは
「私がやりますよ」
って、傍で待っていたスタッフの彼女がケイジの方へ行って、世話をしてくれるようだ。
「みなさんの用意ができたら案内しますね。」
ケイジの後ろに立って、てきぱきと
この場にいる人たちも・・、顔を知っている人もいる、けど、知らない人の方が多いかもしれない。
えっと、とりあえずミリアは。
ガイの隣にぽすんと、ベンチの上に座ってた。
「おー、」
ケイジが彼女の
「はい、OKです」
「うっす、」
「今回のみなさんのサポートは、わたし、『アライ』がしますので、」
彼女はちょっと
見ててちょっと思ったミリアは、一応、彼女に聞いてみる。
「『これ』、つける必要がある・・んですよね?」
自分の首の
「ええ。あとでまとめて説明しますね」
と。
「みなさんも初めてですよね?
そう、彼女は少し
ミリアもちょっと、
ケイジも
そんな話をしているうちに傍のドアが開いて、着替え終わったリースが出てきた。
まだちょっと、ぼうっとした顔をしていた。
―――――『さて、準備をしている全員へ伝える』
急に、どこからか。
スピーカーの大きな声か、ロッカールームに行き渡る女性の声が
―――――『あと30分以内には始めたいので、参加者は準備を急いでください』
その女性の声はこの部屋じゃないどこで、別のマイクを通して届いているようだった。
「なんか、さっきもあと何分とか言ってなかったか・・?ん、リース、
って、ケイジに言われたリースが気が付いて、『あぁ・・』という、ちょっとだけでもはっとしたのか、そんな
―――――『その間に
たぶん、アイフェリアさんの声じゃないとは思う。
「向こうで
「同じのが聞こえているみたいだな。』
ケイジとガイが、その声をちょっと見上げて話してた。
―――――『今回の訓練の目的は純粋《じゅんすい》なトレーニング、技術の向上などもあるが、
「では行きましょうか、待たせるとアレですし」
って、アライさんに
気が付けば、リースがその個室から
「リース、お前まだあくびしてんのかよ」
って、ケイジがリースにデリカシー無く言ってたけど。
リースも反応をそんなにせずに、まあ、
そんな様子を見ながら立ち上がるミリアも、みんなが行く方へ足先を向けた。
ガイも立ち上がってこちらを見た。
後ろ頭に両手のケイジは適当な足取りで先へ行ってる。
その前を行くアライさんは、こちらを一度また振り返った。
周りも動き出す、さすがにのんびりとはしていられないようだ。
――――――『交流でも温めていても構わない。
初めて会った人もいるだろう。
初めて来た人間もいるだろう。
このあとも参加者が増える予定だ、と隊長方が
でも、どれだけ手を上げるのか。
私にははわからないな、ふふ。
』
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