Sec 2 第16話
『
小さな
『気になっていたんじゃないか?ここはどこだ?って。俺も、お前らをすっきりさせてやりたいところだが、・・まあ、どう言ったらいいか、』
少し
近くの人と短い言葉を
そんな中でミリアも、説明を始めようとしている彼を見ながら、サンドイッチの包みを持ってるままに、もぐもぐと
――――――なにかの
顔を上げたミリアが、横へ視線を移すと、
動いている、ゆっくりとシャッターのような
『お、もういいのか』
とても大きな窓なのか、
「ぉお・・?」
「なんだあれ・・・?・・」
『ヌぁ・・・!?』
周囲が
「マジかよ、」
「わー、」
それより、気がついていく周りの人たちが、
『ちょうどいいな。
お前ら、
彼の言葉が出る前にも足を向ける彼らがいる、向こうの壁へ、
「ぅわーう!」
「おい、走るんじゃねぇ、ロヌマ・・おぉ、なんっだ?」
「ぅお、すっげぇ、」
すぐ
向こうを見ていたガイが気が付いて自分と目が合って、って右目でウィンクしてきたガイの意思も同じようで、ミリアも一緒に、周りの人の流れと同じく窓の方へ歩き出した。
それから、ちらっとミリアは、ケイジとリース達も付いて来てるのを、一瞬だけでも確かめながら歩き出していた。
向かう先は人が集まるその大きな窓の、白い壁の景色があるようだった。
普通のベランダのそれよりも大きな窓ガラスか、と
ガラスの表面に走るホログラムのような
その向こう側の、外の景色は想像していたよりも白いのか。
屋外の景色じゃない・・それ以上に、はるかに広くて遠くが見えない、もっと白の景色だった。
『ひゅぅ・・♪』って、隣のガイが
「ぉぉ・・?」
『それ』は白色ベースの壁に天井も囲まれた、巨大な建造物の内側らしき景色で。
『俺たちは、この場所で訓練をする予定だ。』
・・壁の広さは何百mもありそう、なのか・・?
『広いだろ?
調整に時間を食ったのが、
ステージ上の彼が話していたのに気が付くのに、少し時間がかかってミリアは振り返った。
周りでは、まだ窓の外を見ている人たちも多いけれど。
「わぁーっはっ!!っはぁ・・!」
「なんっっだぁこりゃぁあ?」
周りの
「ぉお、すっげぇ、」
「わー・・、」
「すご・・・なんだろ、あれ、ねぇクロ、アレアレ、」
「なんだこれ?なんでこんな所に、こんな・・?」
・・そう、そもそも、こんな人工的でシンプルな光景の施設内に、緑の木々が生えていたり、建造物があるのも、
『
もっとかぶりついてもいいぜ、はっは。
こいつは
名前は『
多分なにかの
それ以外は知らん。
俺たち・・、ぁー、『EAU』と、
』
「それって、軍部が関係してるのか?」
『ん?・・まぁ。
・・・お
まぁ、一枚
そんなやり取りを
まるで、シェルターか、壁だった場所が高くまで上がっていき、
・・って、窓に
指先に
さっきもだけど、これはただの窓じゃなくて
『
おっと、忘れてた。
お前らが今見てるのは高度の
ベラベラ
必要なら
』
「え、マジ・・?・・・」
「そんなもん勝手に見せんなよ、
「おいおい、いつもサインしてるだろ」
「あ、そういやそんなんあったヤツだった、」
『
まあ、そう、今回もトレーニングだからと、事前にいくつかの
いくつかの
そもそも、ここへバスで向かう時も行き方は
『
ちなみに『こいつ』は、
こいつは、その
『EAU』の
まぁ、この辺はめんどくせぇなら、忘れてもいいが。
』
―――――窓の向こうの景色は見渡す限りの、最初は白いと思ったけど。
よく見れば灰色に近い色が混ざるような景色が
多少は
シェルターみたいなもの、なのか・・・?
あれらが、『
『
俺もここで
全体の広さは・・、俺も知らされていないが。
今回は70万
』
「マジかよ・・?」
「こんなでっかいシミュレーター・・聞いた事ねぇ・・・」
「70万
「そんくらいか?」
「広すぎるし
「よく見ろよ、いろいろあるじゃんか、」
そんな広さのシミュレータが・・?・・・そんなの・・・・そもそも、そんな広い
聞いた事無いけれど・・・。
確かに、ドームのリリーには
特に、軍部が利用する区画にはいろいろ
だから、ここも研究用の、訓練用の・・?・・・特殊な施設・・・ふむ。
なんだか、本当に、『EAU』や『リプクマ』も、私たちに
もしかして、ここはリリーのドームの外まではみ出しているんじゃ・・?っていうのは考えすぎか。
あと、今気が付いたけど、ステージの後ろのモニタディスプレイがいつの間にか消えている。
というか、向こう側の景色を映す壁一面の、窓の一部に変わっていたようだ。
「これは、あれか?もしかして、『EPF』用のヤツなのか?」
そう、大きな声を上げて
それで、周りの人たちの視線がステージから降りて来ていた彼へ集まる。
『ぁあ。いまのは、いい質問だ。
ここは、
「ぉお・・?」
「
「そんなの作ったのかよ、すげぇな」
『訓練場は広けりゃ広いほどいい、ってモノでもある。
特に、特能力者にはな。
少なくとも俺はそう思っている。
でもそれ以上に、面白い機能もたくさんあるぞ。』
―――――窓の向こう。
その向こうにある広大で灰色がかったフィールド、・・ちょっと
動いているのだ、少しずつ、建物のようなシルエットが。
ほぼ音も無くモニタ
メンテナンスなのか作業をする人が数人は、歩いているのも見える。
目を
ここは本当に、以前、『リプクマ』の方でやった合同訓練の施設よりもかなり大きいだろう。
この壁の窓も大きく開いたように最初は見えたけれど、よく見れば強化ガラスっぽい窓のようで、実際にはこの部屋のスペースを色んな
『高級な『
お前たちはラッキーだな。
技術的な説明は
ガジェット、
ここまで言えばわかるよな?
でっかい広場を用意した。
楽しそうな公園に来たら、やる事は1つだな?
』
「マジか・・?」
「はぁっはっはっは、」
「えっ、なに!?」
『
おおぉおおお・・・と、周囲のみんなからいろんな声が
ぴゅぅ~♪っと
みんな楽しい事は好きなようだ。
『よし、じゃあぁ・・、後は
と、彼が、ステージの上を振り返れば、次に前に出てきた彼がいた。
また身体のがっしりした人で、大きな
さっきまで説明してた彼よりも年上っぽいし、
それに、
彼は口元のマイクを通して、その落ち着いた様子でこちらを見回した後、口を開いた。
ゆっくりと。
『EAUは死ぬ、
そう。
・・・マイクを通した低い声は静かで、落ち着いた・・、
周りの人たちが振り返る。
ひゅぅ~♪、って誰かが軽い
みんなの前に立ち、場を受け取った彼は、その
全員を見ているようで、私とも目が合っているかのような、そんな
・・彼は決して
けれど、みんなも静かになっていった。
『
・・俺は、『ライダン・ケプロ』だ。
今回の
訓練のコーチもたまにやっている。
知っている奴らもいるだろう。
よろしく。
お前らが今回は訓練をするという事だが・・・。
EAUは、
特殊な仕事である。
戦う事だ。
普段からうんざりするほど言われ続けていると思うが。
特能力者と
お前たちは銃を持つ。
目の前のヤツを
お前たちには特能力者の仲間もいる。
しょせん特能力者なんて、
アサルトライフルを用意しろ。
俺が
その弾は身体を
特能力者だろうと、非特能力者だろうと、そこに大きな差は無い。
だが、兵士に差はある。
『差』は特能力の
あらゆる技術が、人間の
そう教え込まれているはずだな?
』
・・彼が
息をついた、のかもしれない。
誰かの息を
『
・・だが、何度も聞いたその言葉を
だろう?
俺が
『これ』の世話になる。
』
彼は、そのシミュレータ・・、『
『
ギミックも、いくつかある。
俺も
死ぬことを含めた訓練ができる。
』
・・そう・・・・―――――――
『実際に体感してみろ、と言いたかった。
なかなか、
・・って、初めて彼が笑った気がする。
・・・。
周囲がちょっと、静かになっているけれど。
・・・むぅ。
彼の
ただ・・・『死ぬことも含めた訓練』って、なんだろうか?
『ケプロ、あんまり
『・・そんなつもりじゃないですよ、隊長。
でも、全員|
ステージの上と、向こうで見守っている隊長の誰かか、が軽く声を掛けてた。
『それで・・、』
「質問していいですか?」
と、聴いていた中で、軽く手を上げた彼がいて。
『なんだ?』
「それは、どういう意味ですか?」
『・・死ぬ訓練が?』
「はい、シミュレータっすよね?
『・・まぁ、そういうようなことだ』
「マジかよ、どうやって?」
『やってみりゃわかる』
「・・・」
「・・頭おかしいよな、」
近くで誰かが
『少し、
と、
周囲のみんなも少し、さわっとしたけれど。
『ああ。』
『
ここでは『
それに加えて、
ケプロが言ったのは、
そういったようなことだ。
』
アイフェリアさんは、そう、・・って、事も無げにすっと言ってたけど。
「はぁ・・?」
「ちょ、怖いんですけど・・」
「どういうことだ・・・?」
『安心してくれ。
安全性は確認してある。
実戦に近い経験に
って、アイフェリアさんが追加で
ちょっと、えっと・・・今の説明だと、・・・どういうことだろう?
『事故が無ければな、』
って、低い声が、言ったのは
『・・ケプロ、』
『
「オレ、
「オレもだよ、つうか好きっていうヤツいねぇだろ」
って、周りの人たちのは
「なんなんだろうな、一体・・」
「
「どうやって・・?」
「やばいのか・・・?」
「頭おかしいって、」
なんだか、ざわめき始めている。
ミリアは、傍のガイをちょっと見上げれば。
ガイも向こうをじっと見ていて、浮かべた表情も無い、
ミリアは少し・・窓から離れつつ、周りをもう一度、さり気なく見回してみる。
ちょっとずつ、周りの人たちの顔つきも変わってきているような気がして。
『
楽しいサバイバルゲームだぞ?俺が
』
って、最初に説明してた彼が、横から、だいぶ軽い
『ここは
って、ケプロさんは。
『そして、向こうは戦場だ。』
それは、窓の外を言っているようだ。
ふむ。
・・
『安心しろよ、
見学者なんかもいるんだ。
って対して、軽い彼がそう言ってるけど。
ふむ・・・。
『だが、これだけは言っておく。
お前たちが目指すのは、
現場に出る、
技術、
何が起きても対応できる能力が、何を差し置いても
俺たちは死ぬことはできない。
自分と、
』
そう、低い声で、彼は静かに大切な事を伝えてくる。
『
って。
『
ここに来たからには、何度でも死ねる。
』
・・彼の言っている事は。
「・・・・」
そんなに間違いはないと思う。
「・・そのために訓練をしてきたんだろう?日ごろの訓練の成果を見せてみろ」
「ここでびびるのは無しだぜ?へっへっへ、」
「誰がびびってるって?ぁあ?」
周りの声が、熱が
ミリアは、その少し
コーチからそのステージへ、冷静な目を向けて、周りの
『
今から希望した者たち、あるいは選ばれた者たちで、実戦に
最初に出られる
』
「いきなり
「手を上げないのか?」
「お前が行けよ」
『
ルールは、
プレイヤーは混合、その場でチームを入れ替える、人数は先ず10人ってところか。
今日はたっぷりと時間がある。
』
「10 VS 10?多いな・・?・・・」
「あの広さだぜ?ぜんぜんだろ、」
「機動系の事も考えてるんじゃないか?」
「さっき誰がやるって言った?やらねぇのか?」
『・・先ずはやってみて実感する方が早いだろう。
または、こちらが予定した者達がやる模擬戦を見てからでもいい。
――――――周りが少しざわめいたのに、ミリアは気が付いて、辺りを見回していた。
その理由はすぐにわかった、ステージ下の、そこに立ってる人が、最初に手を高く上げていたからだ。
『・・
そう
「・・ディー ・・ ハロゥ = ギッパ。『Class - C』、だ」
「俺も同じく、ミリュモ = ル = サラマン、で~す、」
「オルビ = マイヤーです、同じく、『C』」
「ガリナ・・ エルポ、同じ・・・、」
「俺らもやりたいんすけど~、いけるんすかー?」
『ほう。4人だな。希望者は
ステージ上では向こうのスタッフへ
――――――なんだか、言動とか雰囲気に、それぞれ
周囲の中でミリアも、彼らを横目に
「Cのやつらか・・」
そう・・・。
「おいおい、大丈夫かぁ?そんな細くてよぉ、」
なんだか、
彼らは聞こえているのか、いないのか、気にするそぶりも見せずに振り返らない。
ニヤニヤ笑っている横顔も見える。
『他には、いないか?』
・・そんな感じから、その声で、ミリアはふと思い出して。
手に持ってた食べかけのサンドイッチ、残りあともうちょっとのそれを
食べると
顔を上げ、動きがありそうな周りの様子にその目を移す――――――
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