Sec 2 - 第14話
ロアジュとフィジーが振り返ったそのとき、2人だけじゃなく、周りの誰かも顔を同じ方へ向けていた――――――
気が付く
――――――オレは話してただけなんですけどー?」
「はい、はい。ウソ。ずっと私がクロと一緒にいたのは見えてなかったのー?」
軽い調子の青年が、
それに
少し
「あのさー、
「私がいたらダメなの?なんで?」
その彼女の
そんな
彼女は、クロは口を開かずに・・
青年が軽い
「アーチャ、話だけなら・・」
「クロ、こいついい
「『コイツ』もそう言ってんじゃんか。こっちは何にもしてねぇのになー?つっかかってくんなよなー、『
「ぬぐぅ・・・っ」
2人ともに、少なくとも
そんな
彼とアーチャ、そしてクロも同じくらいの年の
クロの
3人とも
そのトレーニングウェアは白を
ただそれが、周りの人たちとは
「なんでそんなムキになってんの?」
「・・あんたこそね。」
それでも、2人が
「おい、なにやってんだ、ミモ、」
気が付けば向こうに立つ・・・3人、こっちを見つけたらしい。
アーチャは彼らを見て、さらに口を閉じてむいっと嫌そうな顔をしたが、クロもちょっと顔を引き
「は?・・あぁ、なんでもないよ、」
顔も知っているその3人の青年は、この
「君らも来てたのか・・、」
その
クロはあまり話したことは無いが、見るからに
「・・他の奴らは来てないのか。ああ、そうか、
オルビがこちらに向かって話す言葉も、どことなく引っかかる言い
「だろ?だろ?」
・・少し
「どうでもいい・・」
彼らの中では一番小さい方だが、
いつもそんな感じで、あと、目の下にクマがある。
理由はゲームの
「・・・・」
そして、もう1人、彼らの中でも少し
切れ長の黒い目、
彼、ディーの横顔からは
今も、その
「おいおい、
・・って、急に横から声を掛けられた。
全員が顔を向けたが、知らない男だ・・・ミモやクロたちに歩いて近づいてきていたようで、3人よりも大きく体格が良い、それに見た目からしてけっこう年上のようで。
「・・あ?誰だ?」
ミモが
「俺?名前なんか聞いてどうすんだ?」
彼がそう答えた。
「はぁ?そんなん聞いてねぇっての、」
ミモの口が悪いが。
そしてクロは気が付いた、自分たちが周囲から数人の目を引いていたことにも。
「うわ、ひどい言いようだな。」
少し大げさにも見える
「ほぉぅ・・、
彼は少しこっちをじっと見て、しばし
「・・
って、そいつがおどけたようにヘラヘラすれば、周りの人たちも低い声で笑ったようだった。
「他でやれよ、へっへ、」
「いや、もっとやれ、」
「うらやましいな、おい」
「お前ら『C』か?見ない顔だもんな?」
って・・、急にそう言われて。
ミモもその男へ、それにアーチャも、クロも、微かに
「ほぉ、『C』か・・・」
「マジかよ、初めて見るかもなぁ、」
周りから聞こえてくる声、さっきまでとは少し違う
「っち・・っ」
小さく
「俺らも
それは低い声・・、だったのか、クロが振り返ると、声を掛けてきたその男が見せていた、重く強そうにニヤリと笑った・・・
「・・・」
―――――クロは、わずかに口を閉じて、彼らをまた少し正面から
「お?ちょぉっと、待てよ、」
って、彼が急に大きな口を開けたのは、話していたミモが、ふいっと歩き出していたからだ、ここから
「なんだあいつ?」
「さあ?知るか」
ミモたちは言葉を
「・・・ちょ・・ちょっと何してるのっ・・?」
ってまた、誰かが来た、
「あ、うわ、カキルトさん・・」
アーチャがちょっと、ばつの悪い顔をしたけれど、それは
「あ、
でも、事情があまり分かっていないカキルトさんは、
「おっと、俺は話しかけてみただけだ。
カキルトさんの、オフィスシャツとスウェットパンツ姿の格好を、あと
「あ、はい。えぇと、
しどろもどろな彼女も、それなりになにかを
「変に注目させちまったなぁ?」
彼がそう、頭を
それは
「大丈夫ですか?」
と、数人、
「あ、だ、大丈夫です。」
「何がありました?」
「大したことは無いみたいで・・・」
「俺たちは
―――――おい、ミモ」
静かな低い声がかかる、・・そこでずっと見ていた彼らの、ディーの声だ。
「行くぞ、」
「んぁ、おう」
「一体、何をやったんだ?」
「なんもしてない、ってのに」
気が付いたクロたちが、とぼけるような
こっちへわざわざ近づいてきたミモの。
「もう
「だれが・・、」
ミモが、仲間たちを軽い足取りで追っていく。
「わーりぃ、わりぃ、なに?俺がいなくて
「うっぜぇ・・・」
明るい声で、さっきとはまるで
仲間のその3人はこちらを見ていたまま、
「はっ、生意気な奴らだな」
「・・・」
その声に気が付いたクロは、にやっと笑った年上の彼に振り返った・・。
・・・知らないこの人はたぶん、自分たちの間に入ってくれたらしい。
ただ・・、彼がこちらに気が付いて、こっちを
クロもアーチャも、ちょっと
それでも、何かを言おうとする前に彼は・・
「・・・」
・・それを見ていたカキルトさんが、少し
「はあぁ・・なんだったの。・・大丈夫だった?でも、いい人たちなんだろうけど、やっぱり・・・はぁ、・・何かあったらウェチェスさんたちにすごい言われるわ・・・ふう。
まだ少しパニックの様だけど。
「こっちは何も、です。あいつら、ミモが
「あーまったく・・。あとで
って、カキルトさんは耳に着けた
そんな彼女を横に、アーチャとクロは
・・・・ちょっと何とも言えない顔で固まっているまま、お
・・・ぷっ、と
「『
って、カキルトさんがなにかを思い出したのか、怒ってるみたいだけど、笑っているのかもしれない。
「・・・、」
アーチャやクロが
「あっ、と。失礼、おほほほ、」
「じゃあ、私は行くからね。ちゃんと
彼女はそう言ってくれた。
「この
って、そうも言ってくれた。
「はい。」
「ありがと、です。」
「・・んー、やっぱり、そろそろ準備が終わるから、もう少しでここで待ちましょうかね」
やっぱり、いっしょに待っててくれるようだ。
「俺らは戻りますが、大丈夫ですか?1人でも残して・・・」
「あ、大丈夫です~」
「・・アーチャ?」
クロが、静かに名前を呼んだのに気が付き、アーチャは
その目と目が合うアーチャは別に、いつもの彼女だ。
「・・まあ、・・あいつら『
って、
「
少し、
ちょっと
だから、クロも口元を少し
―――――でも、・・楽しみたい」
って、クロが、前方のステージを見ていたのにアーチャも気が付いて。
「はぁ・・っ、だよね、」
ため息のように、
―――――そんなちょっとした小さな
遠目から見ていた中に、その青年たちの姿がある。
彼らは少し
「―――――あいつら元気有り
「知り合いだって?マシュテッド、」
「いや、あいつらとは話したことはないよ。トレーニングで見かけるぐらいかな」
―――――
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