Sec 2 - 第13話
ミリアが歩く白色の広い
「――――にしても
「軍部の
「
「軍部だからか・・・」
ミリアが行きついて、足を止める時にも聞こえたが。
ミリアが立ち止まって
そのステージ上では関係者の数人が会話していて、また集合の呼びかけが他の人から聞こえたりしていた。
人が集まるこの辺りで待てば良さそうだ、とミリアは少し見回しながら。
そして、手に持っていたタマゴサンドイッチを思い出したように、口へ運んで、はむっとした。
やわらかく美味しいそれを
たしか、この白い大部屋に入った時には何も映っていなかったはずだけど、いつの間にかモニタのパワーが
その白い画面の中で、青白い
スマートに変化する
そんなのを、じっと見てたら目が回りそうなタイプのようだ。
それらの光が
・・ミリアがなんとなく目を
目立ちはしないが、
「―――――・・ぇ、あいつ?・・女だったのか?」
って、後ろからの声、ちょっと
すぐ
ミリアは手に持ってた、食べかけのサンドイッチの最後を口に運んで、はむっとした。
「あれは女の子だろう。」
って、ガイが『
「・・なのか?」
「たぶんな?」
って、ケイジに聞かれた、付いてきてたガーニィもそう答えてる。
ケイジの後ろに付いて来ていたリースも会話を聞いて・・・ないのか、寝ぼけ
のを見てたミリアは、普段からリースの表情が
「それ
って言うガイに
「まぁ・・。」
とだけ、ミリアも
ガイは、肩を軽く
ロヌマの・・・。
確かに、彼女、ロヌマからしたら失礼な会話をしてると思う。
ロヌマは
男の子か、とも『一瞬思ったこともある』ミリアには、そんなロヌマを思い出すと、ちょっと目が自然と
「へぇ・・、」
って、ケイジが。
「んなのどうでもいいわ、」
「デリカシーない奴は
って、ガイがからかうように言うので。
「
って、ケイジは。
「元気だったな、はっは」
面白かったのか、ガイが笑ってる。
ふむ。
なんとなく、ミリアもケイジの態度は良くないとは思うけど、なんだか強く言えない。
「
ので、とだけ、言っておいた。
「『あっちが』だろ、」
そう言われたら、やっぱり、ミリアはちょっと口をむいっと閉じてた。
まあ、なにかが気に
というか、ケイジは『ロヌマが女の子』だと気づいてなかった、ってことで。
それならやっぱり、なんとなく『
ロヌマと
・・・うーむ。
いや、相手が誰だろうとケンカはダメだろう。
「そういや、ロヌマってさ。」
って、ガーニィが。
「ん?」
「『A』の知り合いが、言ってたんだよ。」
ガーニィの声が、ちょっと低く、わざとらしく
「『ロヌマとバークっていうヤツには、
「ホラーが始まるのか?」
ガイもなにかを
「先に言えよ、」
ケイジが、
「ああいう意味だったんだな・・?」
ガーニィが1人で
言いたいことはちょっとわかる気がしたミリアでもある。
ロヌマと
「そのバークって人も気になるな?」
って、ガイがちょっと
「そうか?」
ケイジも、そこは別に乗り気じゃないようだ。
「変なヤツは遠くから見てるぐらいがちょうどいいと思うぞ」
ガーニィは、その
ガイもなんだか、
『――――準備が整い次第で始める。もう少し待っていてくれ、』
室内のスピーカーからも声が出て、ミリアもちょっとぴくっとした。
「早くしろよー」
「何を手間取ってんだ、」
大きめの声で
「ひっへ、まあ、俺から言わせたら、『A』にいるのは変な奴らばっかりだけどな、」
って、ガーニィがくるりと
「おい、」
ケイジがなにか言い返したそうだけど。
「いい意味だよ、だろ?」
って、ガーニィの
「じゃあな、」
ガーニィがさっさと向こうへ歩いてく。
「おう?」
そういえば、ガーニィの仲間もこの辺にいると思う。
「おう、」
「リースに今日は
って、ガーニィがちょっと気にしたのは、あっちに顔を向けているリースのことみたいで。
「おいリース、」
「寝起きに声かけると
ってケイジが言ってる。
いつもケイジはそんなの気にせずに、リースによくちょっかいをかけてるのを見るミリアだけど。
「もう訓練始まるってのに
リースの横顔はいつものように
「いつもあんな感じだぞ、」
「だからお前らって目をつけられるんじゃねぇの?」
って、ガーニィが。
「あん?なんで?」
「
「・・・」
って、言われたけど、そう言われても、特に、ミリアも、誰も、何も言わなかったわけで。
たぶん、みんなすぐには反応できなかったからだと思う。
「はは、んじゃな。頑張れよ、」
って、なにか
逆に、こんな大人しいリースが目立つんだろうか?って、ミリアはちょっと
「・・あいつも結構そうだよな?」
って、ガイは。
「あいつの方が
ケイジもそう言うから、ガイがちょっと笑ってたけど。
「おい、目ぇ
「だいじょうぶ・・」
「・・
まあ、目はすぐ覚めるだろうし、ストレッチでも始めればリースなら大丈夫だろう。
いつもの調子にすぐ戻るはずだ。
「――――――なんで準備だけでこんな時間がかかってんだ?」
「
「人が多すぎるんだろうな・・・」
不満そうな周りの声も聞こえた。
・・ミリアはそれから、手に持ってる2個入り半分の残り、そのタマゴサンドイッチをもう1つ、はむっと、口にしてた。
確かに人は多くて、まとまりも無いような気がする。
私たちも、ここにいてもいなくても、ロヌマたちのことでずっと話していたし、ってミリアはちょっと思ったけど。
「さって、・・ここからはリセットだ。な?」
って、ガイが言ってきたから。
ミリアはもぐもぐしながら、肩を
「
ミリアがそう言って辺りに目をやるから、ガイはちょっと笑ったようだ。
ガイが
思い思いに過ごす彼らが待つ時間の中を、ガイも、ケイジもリースも、そしてミリアも待ち続ける――――――
―――――――よぉー、ラッドぉー、ニールぅー、調子どうよー、どうよどうよ?」
そう、軽い調子で声を掛けてきたのはガーニィだ、
振り返った2人は、『EAU』のトレーニングウェアを、各自のオレンジ色と黄色をベースにしたそれらを
「よおー。ガーニィ、お前も来てんのな、ビックリした、」
「オレは朝はオラーってたのに、今はめちゃくちゃ心臓がバクバクしてきてる、」
「それわかる、」
「そうか?
―――――
「俺だってもう帰りたい。」
って、ガーニィが言うので、また笑う彼らだ。
「
少し離れた所に立っていた彼らに声を掛けるガーニィに、振り返る短い金髪の青年がいた。
彼は中肉中背の、一見普通なヤツに見えるロアジュだが、よく見れば
『おどけたりする』ようなキャラでもないマジメで、鼻にかけるような奴でもない、すなわち『良いヤツ』だ。
そして、その隣に立っていた女のフィジーはロアジュより少し
ロアジュと近い金色の髪を後ろでゴムで短くまとめているフィジーも、トレーニングの時と同じ、みんなと同じ動きやすいウェアの格好で、ガーニィを振り返って見つけた。
実際に、ガーニィがトレーニングの時間で見かけるロアジュとフィジーは、アスレチックなどの
「フィジーが意外って?」
ラッドが、きょとんとしていた。
「ん?」
「だってさ、
って、ガーニィもきょとんとしてるみたいだ。
「え?そんなことないけど?」
でも、フィジーもきょとんと答えてた。
「あれ?そうなのか?」
「ガーニィは歩き回ってたのか?」
「おう。他の奴らは?」
「俺が聞いてるのはこのチームだけだよ、」
ロアジュがそう。
「来なかったのか?あいつら、
「ぁー?」
「ガーニィ、お前今、調子乗ってんな?」
「あとで
「やめてくれぇえ。あ、でも俺は来たからな。あいつらに
「
「お前らはみんなのイイ『
「お前も
「ちゃんとかっこよく伝えてやるから、応援してるから。あと俺もけっこう
「んなわけないだろ、見学が、」
「やれることあるだろ。初対面の奴らに声掛けたり、『A』の奴らとフレンドリーしたり。」
「お前のコミュ
「あ、
「だれだ?」
「なにを気を付けるんだよ?」
「はっはっは、んじゃな、」
って、ガーニィの歩きが
「おい、ロヌマって誰だー?」
「また面白い話聞かせろよー、」
ラッドとニールがそのガーニィの背中に声を掛けたが、その背中は振り向きもしなかったので、聞こえたのかどうか。
「あいつも変わってるよな、」
「変なヤツ、」
「生き生きしてるな」
「
ラッドとニールがお互いの顔を見合わせて、
「ロヌマって誰だ?」
「それもういいだろ、」
「『A』のヤツかな?なんかヤバイヤツもいるって聞くし、」
「マジか」
「訓練でも平気で半殺しにするようなヤベェヤツらが『A』には
「マジか、こえぇえ、」
「
「ぅえ?それどんな
「それ、さすがに
ロアジュもさすがに言ってた。
「わかんね、」
「でもさ、ガーニィって、あんなに
って、フィジーは
「
「
「だよな。」
ラッドとニールが、わかってるようにそう言ってたけど。
ちょっと
・・打ち合わせをしている彼らの様子とかを、さっきから待っている間もけっこうじっと見つめていたりする。
右手には、さっきフィジーが渡した飲み物のジェリポンが
『EAU』のメンバーを、見つめるロアジュの
そんな横顔を、フィジーが横目に少し
ふと、なにかに気が付いたロアジュが、横を、フィジーを少し見た。
ちょっと驚いたように、少し口元を
「―――――・・にぃしてもさぁー、なんっつうかさぁあ・・・?」
ニールが辺りを見て、集まってきた人たちの
「プロの中に放り込まれるって感じ?」
「おほぉ、
「実際そんな感じ?オレら、場違いだよな?」
「俺ら、まだ『B』なのにな、」
ラッドとニールの、小気味よくなってくる掛け合いを。
「そうでも無いだろ?」
って、ロアジュが振り返らずに。
「俺たちみたいなのも少し
「そうかぁあ?」
「まあ、見かけた事あるヤツらもいるっちゃいるけどな、」
「そのレベルで、
ロアジュが、そう言った。
2人の会話が少し、息を吸うくらいの間ができた。
「
「言う
「マジか?」
「へっへ、」
そんな2人に目を細めるロアジュの。
「
「ぅん・・?」
ロアジュが
「ほぼいない・・、」
彼が、ロアジュが、少しだけ遠くを見つめているのを、気が付いていた。
「・・フィジーは、ワクワクしてる?」
そう、ロアジュを。
「うん、」
2人が
―――――・・はっ・・ははっ・・?・・んだよ・・」
―――――・・?・・声か?・・向こうで・・・・離れた向こうで、誰か、声を
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