Sec 2 - 第12話
どちらかというと、ロヌマが
その
ミリアも、そんな彼らの様子を見ていて、ちょっと
その視線に気が付いてるのか、いないのか、ゴドーさんが
「よぉ、俺は『こいつ』と同じ、バーク隊のもんでゴドウってんだ。こいつはシン、まあ悪いヤツじゃあない、
『こいつ』と軽く親指で示されるのはロヌマと、それから彼の名前は正しくは『ゴドウ』らしくて、そして隣の大きな彼は『シン』さんで間違いないようだ。
「私はファミリネァ・・、ミリアです。」
「ミリアだな、知ってる知ってる。初めましてか。お前らの事はよく聞くぜ、」
ってなんか、最近そう言われることが多い気がする・・・。
「ん?」
私を見ているゴドーさんがちょっと、なにかを気になったようで。
えっと・・。
「どんなですか?」
ガイが、素直に聞いてたけど。
「あん?みんなが知ってるような話をな。ちょっと前に『外』で
って、
「そんな目立ったつもりは無いんですけどね」
そう言ってチラッとこっちを見るガイには、小さく肩を
「噂に出やすい体質ってことか?けはっはっは、今朝もミーティングに顔出さなかったんだろ、話に少し出てたぜ」
やっぱり、噂に尾ひれでもたくさんついていそうな口ぶりだ。
「事情があったもんで。行きたかったんですけどね、『A』を中心に集まる機会なんてなかなか
「そうだね。」
「知り合いも少なさそうだな、機会があったら紹介してやるよ」
「どうもっす、」
ガイは
「いま『向こう』に行ったら何があったとか
「はは、それはちょっと困りますね」
「活躍したんだろ?
別に、大した事なんてしてないと思うんだけど、
それに・・・。
―――――それに私は・・・―――――――ブルーレイクで、戦いがあったとき――――
――――――俺はガイ、って呼んでください。あっちのモノ食ってるのがケイジで、ぁぁ・・、」
って、・・ガイが
・・振り返れば・・・ケイジの次のリースは、あそこのソファでずっとリラックスしているので、ガイは
「で、こいつがガーニィ、」
「どうも、」
「あ?メンバー変わったのか?」
「いや、そこにいるんですけどね、」
「ぁあ、あいつか。」
こっちを見もしないリースを目で確認するゴドーさんは、私たちの顔は知っているようだ。
そういえば、ロヌマも出会ってすぐに私の名前を呼んでいた。
ふむ・・・そんなロヌマは、さっきからゴドーさんの
「まあ、今日は仲良くやろうや、」
ゴドーさんはそう、私にも言ってくれるけど・・・。
・・なんか気になる・・・――――――って、ミリアがロヌマと目が、バチっと合ってた。
「あ!」
今気が付いたような『その子』、というか『ロヌマ』が。
「あたしはっ!『ロヌマ』どぁっ!」
って、お腹の底からの
「ぁ、よろしく、」
一応、ミリアも返事を。
「ロヌマちゃんか、よろしくな、」
ガイがにこやかな笑顔みたいで。
「うん!」
「あん?自己紹介してなかったのか?」
ゴドーさんが、ちょっと
まあ、確かに、自己紹介もしていないってのは
「ヌマドァ?変な名前だな?」
って、つっかかり屋のケイジが後ろから来てた。
「ロ・ヌ・マ、だァ!」
ロヌマが大声で
「ドンマドンマ?だ?」
「ロ・ヌ・マ!!」
変なからかい方を見つけてしまったようだ、ケイジは。
「バークって・・、」
って、ガーニィが。
「どうした?」
「ああいや、バークってあの『Class - A』のバークかなぁって・・、」
「ん、あいつの事を知ってんのか?お前は・・『A』じゃ見ない顔だな?」
「ああ、俺は『B』で。よろしくっす。まぁ、話はいろいろ、」
「知ってんのか?」
「ぁぁ・・、」
「なんだ?」
ガーニィがちょっと
「
「・・いや、ものすっごい、トレーニングに来て、
「なんだそりゃ」
「なんだそれ」
ゴドーさんとガイが同じような声を出してた。
「かっかっかか、」
って、ゴドーさんは笑ってるけど。
「
「他にも変な噂を聞いてんだろ?」
「いやあ、」
「まあいいや。だが、言っておくぞ。俺は、あのチームの中じゃ一番『マトモ』な方だ」
って・・
「うっす、」
でも
「けっはっはっは、」
って、ゴドーさんが笑ってる。
でも、『バーク』・・という名前は聞いた事がある。
たしか以前、『Class - A』のリーダーの
そのときに『バーク』って名前を聞いたような、そこで
このゴドーさんがその『バーク』さんのチームメンバーということなら、・・もちろんこの子もその『Class - A』のメンバーということなのか―――――。
「ぁん?ヌマーダ?」
「ロ・ヌ・マ・だぁっ!」
―――――・・ケイジと、ロヌマはまだやってるけど。
「ヌマヌヌマヌ・・・、」
「ロ・ヌ・マぁっ!!」
子供っぽい
・・・本当に『この子たち』は『Class - A』なんだろうか・・・?・・いや、ケイジは
「ケイジ、」
いい
「そう聞こえたんだよ、聞こえたろ?」
「そういうことじゃなくて。」
「あん?」
「ロヌマ、遊んでんなよ?」
「遊んでないワい!」
「こいつなんなんだよ?」
って、ケイジのクレームはゴドーさんへ向けられてた。
「こういうヤツなんだよな、別に大して
「・・・」
「おモりってナンダぁあ!」
って、言うロヌマに、ケイジがペチンとロヌマの頭を軽く
「ちょっと、ケイジ・・・」
頭を
「お?つい。」
ミリアが口を開くのと同時に、ケイジと。
「おいおい・・、」
って、彼女の仲間のゴドーさんが急に、少しトーンの低い声になってた、怒ったのか、ケイジがからかい過ぎたかもしれない・・――――――。
「がつんとやっちまえよ、ロヌマぁあ、負けてっぞ、おいー、」
「ぬガぁっ!!」
ロヌマが怒った。
―――――ちょっと大きな声なので、びくっとするけど、周りの人もこっちを見るし。
って、後ろからガッシって、シンさんが大きな手でロヌマの腕を掴んで、
「ほれ、今だぞ、なんか言い返せ、なんか、」
というか、ゴドーさんは楽しんでるのか・・・。
止める気も全然ないみたいだし。
「ウざう!」
ロヌマが自由に動けないままゴドーさんに怒ってた、
「いいから連れて帰れよ、」
そう、ケイジが一番まともな事を言ってる、気がしてくる、
「ぬぁ゛ーあ゛ーっ!」
ロヌマはケイジにも、彼、ゴドーさんにも
両方を
「お前、
って、ゴドーさんがケイジへ。
「へはっはぁ、まあ訓練で当たったらよろしくな、」
ゴドーさんは
「うっせぇ、」
ケイジがいい加減、口が悪いとか
まあ、ケイジには最初から
「ぬ゛ぁー!
ロヌマが正直でまっすぐだ。
「うッせぇ、」
そんな
とりあえず、
「おまえら、食い過ぎるとゲー
「・・・」
って、ゴドーさんは、ケイジを見て言ったようだったけど。
いつの間にかケイジが、パンをまた手に持ってたみたいだ。
私が見たので3つ目だ、確かに食べ過ぎか。
「んじゃあ、こいつは連れて行く。どうしてもクレームを入れたいってんならバークの方に
「パン、くれ!」
って、ロヌマが早速、ケイジの目の前にいるけど。
「あれ?おい、ロヌマぁ・・・」
ゴドーさんも
「オレんだ。」
「手を
「そいつだっていろいろ食ってんじゃねぇの?」
「こいつは、言っても聞かないからな。」
「きいてたまっカ!」
ロヌマは、ゴドーさんに対してはけっこう
「言うコと聞かなせタきゃ・・、『オニギリ』もってこいヨー?」
さっきの、食べられなかったオニギリの事だ、ロヌマは覚えていたようだ、というかちょっと
「バークの
ロヌマが急に
というか、言うとおりにオニギリを持ってきたら、ロヌマは食べるに決まってると思うんだけど。
「んジゃ、クれ!」
って、ケイジのパンを
「・・・。やるくらいなら、俺が
ケイジが、っぱぁんっと袋を開けてた。
「ぬがぁあー!」
「んだこら・・っ」
ロヌマとケイジ、2人がまた、何に
「ケイジ・・・」
ちょっと
ロヌマにまだちょっかいを出したい様子なのは見て取れる。
またロヌマを見ているし。
「がぁーっ」
「そっちから
って、ケイジがまだ余計な事を。
「んダってンだーっ?」
もう、めんどくさくなってきたな・・・。
「オラ行くぞロヌマ、」
ゴドーさんが手を
「お前はあたしがボっコボコーっ!にっぃー!してやんよ!あたしが話してんだローっ!」
「オニギリな、」
って、ケイジがロヌマへ。
「ぬっ?」
「自分で探せよ、」
「がぁー!」
ロヌマがさすがにまた
「おい、
って、ゴドーさんに言われてる、
「ケイジ、」
すぐに怒らせることができるケイジもすごいというか、アレだけど。
「やめな、」
「なんだよ、」
「
ミリアはもう、ケイジをしっかり
「あっちに言えよ、」
「まったく・・、」
・・見てて思ったけど、ケイジがなんだか生き生きしているような・・・、ある
というか、ロヌマがこっちを
ちょっと、
なんだかそのロヌマの姿も
「早く連れてけよ、」
って、ケイジが。
「あいつガー!ーアーイつーがーっ・・!・・!」
「なあ。あんまりこいつをからかわない方がいいぜ・・?」
って、
さすがに仲間をからかい過ぎたのか・・。
「なんだよ?」
「こいつに
・・まあ、そうなんだろうな、ってミリアも
「あん?」
ケイジは変な声を出してた。
「まあ、こいつの気が
って、どっちだ。
「もうとっくにめんどくせぇよ、」
ってケイジは。
「んだロ!」
って、言い返すロヌマが、なぜか元気で。
「・・・」
珍しくケイジが、そんなロヌマに
―――――――って、急に、ロヌマの後ろ、ゴドーさんの背後から、現れたと思った、大きな男の人、さっきから
真上を見上げるロヌマが、その大きな影になった彼を見つけて。
「あ、シン!」
って、ロヌマのその後ろから大きな手が、むんず、とロヌマの首根っこを、しっかり
そのまま引きずる、のかと思ったら、足も持って両手で
その大きな肩に
「ぬぁああぁ、シンーっ、まだ話してんのぉー!?」
気が付いたロヌマがジタバタしているけど、既に遅くて、無言の彼はびくともしないし、手慣れているような。
「へっはっは、まるで引っ越し屋だな、」
ゴドーさんがニヤニヤ笑ってついてくけど。
「ンガァっ!」
ロヌマは怒ってるようだった。
無言の彼、シンさんは、彼はちらりとこっちを見たような。
・・でも、
「暴れ過ぎだっての、全然いびれてねーじゃんか、かっはっはは、」
「――――――ナぁっ、・・っーーーー!――――――――」
――――――・・・って、まだなにか言ってるロヌマたちの、というか、ロヌマの声の
向こうの人込みに元気な声も
ミリアは、あのロヌマって子が肩に
「なんか・・、」
ミリアが、そう・・。
「・・すごいな、」
ガイが続きを言ってた。
同じ気持ちだったようだ。
「うん。」
ミリアは
「なんであんなヤベぇのがいんだ?」
ケイジがそう、言ったので・・・ミリアはちょっと横目にジト目で見てたけど。
ケイジは
「お前も
って、ガーニィがはっきり言ってくれた、けど、ケイジは意味が分からないといった顔で、きょとんとしているようだった、・・モグモグしながら。
まあ、あの子、訓練始まる前からあんなに元気でいいのかな、ってちょっと、逆に心配になるけど。
・・・・。
「たくさん食べ過ぎないでよ?」
「ぁん?これで終わりだよ、」
「ゲー
「
って、ガイがからかってるみたいだけど。
『――――あっ、あれ、あったー!』
って、そんな、大きくて元気な声の一部も、まだこっちまで
『オニギリー!』
向こうで、気が付いた誰かが、パッケージに入っている黒くて丸いそれを放り投げて、ロヌマが肩の上の高い所で、それを両手でキャッチしたようだ。
『ぉー・・!』
『ナイス、』
『よぉー』
って、ちょっと周りの人たちが
「ダーっ!」
キャッチしたのを、ロヌマは
えっと・・・。
うん。
とりあえず、解決したみたいだ。
あと、ノリがいい人たちがいっぱいだと思う。
あの子はどこにいても目立つみたいだ。
前にもどこかで見た事がある気がするんだけれど・・・まあ、それは別に良いんだけど。
・・『
個性は様々だから、けど、ふと思い出したのも本当で、
口には出さないけど。
この言葉は、特能力者には
ガイたちに聞こえても、あまり良くないし。
・・あ、彼女が特能力者なのかはわからないけど。
あと、ゴドーさんから『いびる』とかの単語もさっき聞こえて来てたけど、
あんまり、いびられた
ロヌマは、ただ知らない子が、
というか、周りから注目されているみたいなのには気が付いてたけれど。
ロヌマが大きな声を出す
『シンーっ、自分で歩ケ、んだゾ!!?』
って、向こうで大きな声でジタバタして、ようやく
「マージューっ!」
ぴゅーっと、
「
って、ガイの声に、ハっとした気分になったミリアは、いつの間にか目で追っていたみたいだ。
振り返れば、ガイは面白かったのか、
楽しそうなガイは面白い事が好きなんだろうな、とやっぱり思う。
・・ふとテーブルに目をやったら、パックされてるタマゴサンドイッチが目に入った。
「これ食べて良いの?」
「おう、」
だからミリアは、2つの内から1つ、
ロヌマを見ていたからか、なんだか食べたくなったのだ。
袋を開けて、口に運んでぱくっと、
『―――――あぁ、聞こえるな・・?準備が整った。今から
「――――・・おぉし、集合だー!」
「集合だぞー」
向こうから上がる声も、まだ大きい
ミリアは、左手に持ったタマゴサンドイッチをモグモグしながら、みんなの顔を見回して。
「もうやんなくていいんじゃねぇか?」
って、ケイジが、ジェリポンに口を付けながらぼやいてた。
ごくん、と一口目を飲み込んだミリアは、息を吸う、そして、みんなへ。
「行くよ、」
強めの声を、みんなの切り替えのために伝えた。
「へい、リース、こっち来い、」
「飲み物持ってっていいんだろ?」
「あいつらどこ行ったかな、集合しないとまずいよな?」
話しながら動き始めるみんなもすぐに
振り返るミリアは、向こうで集まり始めて行く彼らの方を向き直り、歩き出した。
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